広島県広島市南区の宇品波止場公園にて、STU48の池田裕楽さん、石田千穂さん、工藤理子さん、福田朱里さんが 出演するYouTube動画の撮影が行われた。瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループSTU48は、内航海運業界を盛り上げる取り組みにも積極的に協力している。今回の動画は、日本内航海運組合総連合会(内航総連)の公式チャンネル「ナイコ~海運CH」にアップされる予定だ。

  • STU48が出演する、日本内航海運組合総連合会(内航総連)の公式YouTubeチャンネル「ナイコ~海運CH」の撮影現場に潜入した

若き船員に聞いた - 休みの過ごし方は?

撮影は、宇品波止場公園に停泊する「光洋丸」の船内で行われた。同船は自動車600台超を運ぶことのできる自動車専用船。普段はマツダの宇品工場で製造された新車を中部地方や関東地方まで運んでいる。

  • 自動車専用船 光洋丸。総トン数は4,238トン、全長は124.70m、型幅は20.50m

  • 自動車は船尾からスロープで船内に入れる

どんな人たちが働いているのだろう? 光洋丸の若き乗組員に話を聞いた。

広島市内の海運会社・たをの海運で一等航海士として働く孝子さんは「もともと新卒で甲板員からスタートしました。自動車が好きだったこともあり、この仕事を選びました。2年ほど前に、一等航海士の資格を取得しています」。自動車専用船なのでほかの船種ほど汚れません、就職先にもオススメです、と笑顔を見せる。

  • 船内で乗組員に聞いた

また、同席してくれた二等航海士の浅見さんは「今治にある波方海上技術短大を卒業しました。この光洋丸は、大きくて速いのが特徴です。製造した新車をいち早く運ぶ役目があるため、ほかの船より速力が出るんですね。海技学校時代の練習船が遅かったこともあり、はじめはとても新鮮に感じました」と話す。

  • 船内には自動車が隙間なく駐車される

基本的には、3か月乗船したら1か月の休みが取得できる。

「定期航路なので、スケジュール通りに進むところもメリットです。乗船中は『休みに入ったらやりたいことリスト』がたまります。でも下船後は結局、疲れもあって家でのんびり過ごしちゃいますね」と浅見さん。一方で、孝子さんは「休みに入ったら競馬場に行きますね!」と元気が良い。

撮影開始!気になるストーリーは?

この日、船上では朝からYouTube動画の撮影がスタートした。物語は、航海士の石田千穂さんが新人船員であるキミを起こすところから始まる。なお映像は、すべて主人公・キミの一人称視点で展開するという。没入感の高い作品になりそうな予感……!!

  • 船内個室の撮影風景。朝、寝起きの顔を覗きこまれながら「キミの教育係を担当する航海士の石田千穂です」なんて起こされ方してみたい、なんて人も多いのでは?

石田さんが務める航海士の仕事は、航海中、甲板部員と一緒に見張りや操船などの業務を行う。ほかにも港での荷物の積みおろしの監督や、出入港時の指揮監督など多岐にわたる。

  • 甲板員の池田裕楽さんの登場シーン

池田裕楽さんは甲板員(こうはんいん)の役。甲板員は、航海士の指揮のもとに見張りや舵とり、荷物の積みおろし、停泊中の見張り、船体や甲板機器の保守整備などの仕事を行っている。

出航前には、船と陸をつなぐロープを岸壁から取り外す。しかしこのロープが、太くて重たい。万が一、切断してしまうと大怪我を負う危険がある。新人のキミも、先輩たちに助けてもらいながら安全なロープのたぐり方などを覚えていく。

  • 撮影の合間にポーズをとってくれる福田朱里さん

機関制御室でエンジンや発電機を制御・監視しているのは、1等機関士の福田朱里さん。機関士は、船を動かすエンジンをはじめ、発電機やボイラー、冷蔵庫などさまざまな機械、装置を管理する仕事だ。しかし福田さん、仕事に夢中になりすぎて、新人が来ることを忘れているようだが......。

ところで福田さんが機関士として管理する光洋丸のメインエンジンの出力は、8470馬力。これは乗用車約45台分ものパワーがあるという。また発電機はディーゼル発電機を3基搭載しており、1時間当たりで一般家庭約115世帯分の電力をつくれるというから驚く。そんなわけで、エンジンルームは今日もエンジン音がごうごうと響いている。これでは人の声も聞こえない。会話をするため、キミと福田さんの距離はどんどん短くなっていき……。

  • 割烹着姿が似合う、とスタッフに好評だった司厨長の工藤理子さん

工藤理子さんは、船員の食事を一手に担う司厨長(しちゅうちょう)として出演。ちなみに光洋丸の司厨長は、10人~12人の船員全員の食事を毎日3食一人で作っているそうだ。部屋に入ってきたキミに驚いた工藤さん。「ほかの人には内緒」という約束で、シチュー……もといカレーの味見をさせてあげる、と言い出す。

千穂先輩をはじめとする魅力的な4人の先輩に囲まれ、心を揺さぶられながらスタートしたキミの船員生活。しかしストーリーは突然、思いもよらない方向に展開するのだった........。

海を相手に仕事をするということ

休憩時間に、出演したSTU48のメンバーに話を聞いた。石田千穂さんの親戚は、実は海の仕事に就いているという。「だから小さい頃から身近に船があったんです。こうして今、私がお仕事で船に乗ったりするのも、なにか運命を感じますね」と話す。

  • 広島県出身の石田千穂さん

それでも、ここまで大きな船は入ったことがなかった、と石田さん。「自動車がたくさん積み込んであったり、でもフロアを上がったら乗組員の居住スペースが広がっていたり。ひとつの街というようなイメージですよね」と微笑む。

  • 撮影で使われた船内個室。綺麗に整頓されている

福田朱里さんは「香川県出身なので、小豆島に行くときによくフェリーに乗っていました。船のお仕事、というとフェリーを連想します。私はSTU48に入ってから、内航海運業界のお仕事について知るようになりました」。

  • 香川県出身の福田朱里さん

この日は午前中の撮影が終わったあと、船内で若手乗組員と一緒にお昼ごはんを食べる機会がもうけられた。工藤理子さんは「3か月も連続してお仕事を集中して頑張って、その後に1か月の休暇がある働き方だと聞きました。お仕事は大変そう。ゆっくり休んで欲しいと思いました」と優しい表情に。

  • 山口県出身の工藤理子さん

これには池田裕楽さんも「船員さんたちカレー、たくさん食べてましたもんね。きっと日頃から体力も使うんだろうな、と思いながら見てました」と相槌を打つ。ちなみにSTU48は海にまつわる楽曲も数多くリリースしている。「お仕事中に聞いていてくれたら嬉しいですね」と池田さん。

  • 広島県出身の池田裕楽さん

福田さんは「STU48のファンの中にも、船員さんが少なくないんです。イベントにも来てくださるので『来月のライブにも来てくださいね』なんてお願いすると『3か月は会えないんだ』なんて仰ることがあって。その意味が今日、ようやく分かりました」と納得した表情になる。

石田さんは「今回は、船員さんともたくさんお話できました。STU48の活動を通じて、海を職場にして働く現場の人たちの声を知れたし、やっぱり1つのお仕事に一所懸命になって働く姿は素敵だな、と改めて思いました」とまとめてくれた。

  • 動画撮影に協力してくれた乗組員と一緒に記念写真

YouTube動画は、果たしてどんな結末になるのだろう?「ナイコ~海運CH」と「STU LABO」で公開するので、ぜひチェックしてほしい。