4月25日公開の映画『花まんま』の完成報告会見イベントが3月31日、都内で行われ、鈴木亮平、有村架純、前田哲監督が出席した。
2005年に第133回直木賞を受賞した短編集『花まんま』は、記憶の濃淡を丁寧に語り分けながら、人間の哀しさや温かさを繊細に織り込む巧みな筆致で評価される作家・朱川湊人の代表作。ある兄妹の不思議な体験を描いた物語を前田哲監督が実写映画化した。早逝した両親と交わした「兄貴はどんな時も妹を守るんや」という約束を胸に、たった1人の妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄・俊樹に鈴木亮平、まもなくの結婚を控えながらある秘密を抱える妹・フミ子に有村架純。本作で、鈴木と有村が兄妹役として初共演を果たした。
初めて脚本を読んだ時の感想を求められた鈴木は「関西弁で言うと『これは感動するやろ!』と、ズルいぐらい感動させられる脚本だと思いました。出来上がった作品を見ても全く同じ感想だったので、さすが前田監督だなと思ってビックリしました」と述べれば、有村も「とっても懐かしい気持ちになり、どこかクスッと笑えました。自分自身の過去を振り返られる作品で、家族と離れて30代を迎え、親元から離れて十何年間1人でやれて来れたんだなと色んなことを回想する脚本でした」と脚本を読みながら自身と重ね合わせたという。
完成した映画の感想も求められ、鈴木が「僕と架純ちゃんが演じる兄妹の話で、妹が結婚する話ですが、兄妹愛だけでなく親子の愛や居なくなった大切な人への思い、残された者がどう痛みを乗り越えていくのかというすごく広いテーマにまで拡張されていて、色んなメッセージが込められた深い作品だと思いました」と魅了された様子。有村も「脚本を読んだ軽快な空気感がしっかりと反映されていて、とっても見やすい中にそれぞれのキャラクターの群像劇みたいなものにまとまっていて、違和感を感じることなくスーッと物語の世界に入れました。鈴鹿王子くんが演じた太郎さんなど個性溢れるキャラクターがいてくれたことでファンタジーの部分も違和感なくその世界に馴染んでいて、『花まんま』という世界が出来上がっていると感じました」と話した。
鈴木と有村は本作で初共演。鈴木が「ビックリするぐらい兄妹を感じられて、個人的にはすごく相性が良かったと思います」と初共演とは思えない関係性を演じられたといい、有村も「初日から一切壁を感じることなくそこに兄やんとして佇んでくださったので、リラックスする気持ちというか色んな感情を引き出していただきました」と感謝しきり。
お互いの魅力についても、鈴木は「すごく自然体なところが本当に魅力的だなと思いました。普段もそうですが、テレビに映っている印象と普段お会いした印象がほとんど変わらなくて、凛とした存在感は普段からあって、親しみやすくて中々出会えない人だなと思います」と大絶賛。一方の有村も「とても実直でストイックで職人気質の印象はありましたが、そういった印象をひっくり返してくれるような方でした」と褒め称えたが、「お箸を落とされたりコップに入っている飲み物をこぼしたりしてましたよね。人間味を感じてとてもうれしくなりました」と鈴木の知られざるエピソードも。すると鈴木は「僕の中では毎日のことなので、言われても恥ずかしくないです。色んな物を落とすんだよね」と意に介していない様子だったが、「お弁当にある木の箸を結構折るんです。ボキボキ折っているの僕だけらしくて。加減が分からないのかも。(自分の)サイズも分かっていなくて、ガンガンぶつけて行くんです」と悩みも。そんな鈴木に有村は「力が入り過ぎちゃっているのか、鍛え過ぎなんじゃないんですか(笑)」と苦笑いを浮かべていた。映画『花まんま』は、4月25日より全国公開。