大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で江戸在住の外交官であり当代一の覆面戯作者・平沢常富(朋誠堂喜三二)を演じている尾美としのりにインタビュー。主演の横浜流星との共演について話を聞いた。

  • 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』蔦屋重三郎役の横浜流星と平沢常富役の尾美としのり

江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。

尾美が演じている平沢常富(朋誠堂喜三二)は、秋田佐竹家・留守居役(いまでいう外交官)を務める。役職柄、情報交換の場として吉原に出入りすることが多く、「宝暦の色男」の異名を持つ。一方で、戯作を数多く発表。流行作家として一時代を築き、蔦重にとって最高かつ最大の協力者となる戯作者だ。

尾美は、本作への出演を心から楽しんでいるという。

「難しいセリフがあったり、お芝居的にどう表現したらいいのかとか、悩む部分もありますが、本当に楽しいです。一緒にお芝居させていただく皆さんは世代が下ですが、刺激を受けながらおじさん頑張っています(笑)」

特に横浜とのシーンが見どころとなるが、「すごく真面目な方で、一緒にお芝居していて気持ちいいです。気持ちのいい青年だと思いますし、楽しんでやっています」と横浜の印象を語る。

また、横浜について「運動神経がいいんだろうなと思います」と言い、尾美が初登場した第2回で、蔦重が平沢と平賀源内(安田顕)の会話を耳にして、「平賀源内先生だったんですか?」と近づくシーンで、運動神経の良さに驚いたという。

「廊下を走ってきてそのまま源内先生の座敷に正座したまま滑っていくんです。源内先生の前でピタッと止まって『平賀源内先生だったんですか?』と言ったときに、『うわっすごい!』と思いました。それも急に現場で大原(拓)監督が『ここ正座で滑り込んでみてくれない?』と言って。それを一発で成功させていて、『かっちょええ!』って思いました」と話していた。

■尾美としのり
1965年12月7日生まれ、東京都出身。1978年に映画『火の鳥』で子役デビューを果たす。1983年に映画『転校生』で主役を務め、第6回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以後、映画、テレビなど多数の作品に出演し、名バイプレイヤーとして長年にわたり活躍。テレビでは『鬼平犯科帳』シリーズ(フジテレビ/89~)木村忠吾役、連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK/13)主人公アキの父親・黒川政宗役などを好演し、大河ドラマ(NHK)への出演は、『草燃える』(79)、『北条時宗』(01)、『平清盛』(12)、『おんな城主 直虎』(17)、『麒麟がくる』(20)に続き、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は6作目。

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