24歳の尾碕はスナックで飲むことはほとんどないそうだが、このロケ地に「すごく年季の入った雰囲気で、趣のあるいいスナックだなと思います」と印象をコメント。「撮影じゃなかったらここで飲んでみたいです(笑)」と興味を持った様子だ。

今回の撮影には、「径花」の実際のママや常連客たちが、常連客役のエキストラとして参加。宮崎は「何かあると“イエイ!”って盛り上がって、すごく明るくて元気な人たちなんです(笑)。それに、“自分たちの場所”というのもあって、ちょうどいい感じに前に出すぎず、でも一緒にノッてきてくれたり、自然にお芝居をしてくださって、ものすごく助かりました」と感謝を述べる。

都心から離れたロケーションだが、建物の雰囲気や地元の人たちの協力に、「こんな理想的で恵まれた場所はないなと思いましたね」(宮崎)と納得していた。

介護関係者に取材を重ねて脚本執筆

今作の脚本を手がけるのは、同じ東海テレビ制作で、行き場のない子どもたちに無償で親子丼をふるまう女性が主人公のドラマ『さくらの親子丼』シリーズの清水有生氏。

同シリーズの執筆にあたり子どもシェルターなどの取材を重ねた清水氏は、今作でも介護関係者に何度も取材。番組スタッフも実在する2軒の「介護スナック」を取材しているそうで、高齢社会や介護問題、他者とのつながりが苦手な若者というテーマが、ファンタジー要素を交えながら説得力ある脚本で描かれているのもポイントになっている。

■『土ドラ特別企画「介護スナックベルサイユ」』(東海テレビ・フジテレビ系 3月22日・29日23:40~)
出演:尾碕真花 宮崎美子
   笛木優子 木村了 杏花 高山広 片岡信和 清田みくり 吉原怜那(ダウ90000)
   / 田島令子 夏樹陽子 草村礼子 小野武彦
   萬田久子 石倉三郎

■第1話あらすじ
小日向柊(尾碕真花)はママ・上杉まりえ(宮崎美子)と面接し、その日から「ベルサイユ」で働くことに。要介護認定を受けているお年寄りが楽しく過ごせる不思議なこの店は、まりえが処方した謎の点滴を受けると元気になり楽しい一夜を過ごすことができる介護スナックだった。その日、元教師で末期の膵臓がんを患っている柳田浩一(小野武彦)が特別なワインを希望して来店してくる。このワイン一杯を飲み干したとき、人生の終わりにどうしても会いたかった人に会うことができるという幻想の世界に導かれ...。

■第2話あらすじ
一日で店を辞めるつもりだった柊だったが、金もなく腹を空かせ、気づけばベルサイユに戻っていた。そんな折、店でリハビリをしていた客を、柊なりの激励で奮い立たせ、心を明るくしていく。そして今宵も特別のワインを希望する客が。元社交ダンスの先生で、余命2か月の宣告を受けていた金沢麗子(夏樹陽子)が来店する。そしてその後、もう1人のベルサイユの常連客との奇跡の出会いによって、柊の生い立ちが明かされる。