レバテックは2月26日、博士人材の就活・採用実態調査の結果を発表した。同調査は、2025年1月22日〜27日の間、民間企業で働く・働いた経験のある博士人材212人と博士人材の採用を行う企業の採用担当者・責任者192人を対象に、インターネットで実施したもの。
民間企業で働く・働いた経験のある博士人材が、博士課程修了後に民間企業で働くことを決めた理由について聞いたところ、「経済的安定を得たいと考えたから」(53.8%)が1番多い結果に。
民間企業で働く・働いた経験のある博士人材のうち約7割が「実際に民間企業で働いて良かった」と回答。
民間企業で働いて良かったと思う理由の1位は「経済的安定を得ることができたから」(37.6%)となり、経済的な基盤の確保がキャリアにおける重要な要素となっていることがわかった。
一方で「どちらかというと良くなかった」「良くなかった」と回答した人の理由としては「専門知識を過小評価されていると感じたから」(49.1%)、「博士課程で学んできたことを生かせないから」(32.7%)が上位に挙げられた。専門知識を生かせる環境や評価制度の改善が課題となっていることが明らかに。
博士人材の入社実績がある企業に対し、博士人材を採用して良かったことを聞いたところ、「博士課程で培ってきた専門知識やスキルと自社の研究開発分野の親和性が高く、事業に大きく貢献してくれた」(55.8%)が最も多い結果に。
専門分野以外で際立っていたと感じる能力については「論理的思考力」(48.8%)が1位となり、「情報を収集し分析する能力」(47.3%)、「計画を立案し、実行・管理する能力」(42.6%)が続いた。博士人材の入社実績がある企業は、研究分野における貢献だけでなく、専門分野以外でも高い能力を実感していることがわかったという。
民間企業で働く・働いた経験のある博士人材のうち、約3人に1人が「博士課程での研究分野と現在の業務に関連性はない」(37.7%)と回答。
「研究分野と業務の関連性はない」と回答した人においても、その約半数は「民間企業で働いて良かった」と回答している。同社によると「研究分野との関連性がなくても、民間企業で働くことで得られる「やりがい」や「安定性」といった他の要素が、満足度につながっているのではないか」としている。
博士人材が就職活動を開始したタイミングは「博士課程修了後」(27.8%)が最も多く、約4人に1人の博士人材が修了後に就職活動を開始していた。
博士課程在籍中に就職活動を開始した人に対し、在籍中の就職活動で大変だったことを聞くと「就職活動についての相談先が少なかった」(45.3%)、「いつ就職活動を開始するべきかわからなかった」(34.7%)、「研究室や先輩の紹介以外での企業の探し方がわからなかった」(32.0%)が上位を占めた。