「英語を勉強しているのに、なかなか話せるようにならない……」。
もしあなたがこうした悩みを抱えているなら、その原因は「反復不足」かもしれません。
英語学習において、反復は最強の武器。これこそが、最もタイムパフォーマンス(タイパ)の良い学習法です。一方、反復学習をしないと、いくら勉強しても効果が現れにくく、時間だけが無駄になり、英会話学習は泥沼化していきます。
本記事では、まず反復なしの学習はどれほどタイパが悪いのか、具体的な事例とともに解説します。その後、「最強のタイパ学習法」と言える反復学習について、押さえるべきポイントをお伝えします。
■反復しないと、英語学習は「無駄の極み」に
1. エビングハウスの忘却曲線
有名な心理学者エビングハウスの研究ですが、人間は学んだ内容の70%を24時間以内に忘れることがわかっています。つまり、1回覚えた単語やフレーズも、翌日にはほとんど消えてしまいます。
例えば……
・YouTubeで「ネイティブがよく使う英語フレーズ10選」を見た → 翌日にはほぼ忘れる
・英単語帳を30分かけて覚えた → 1週間後にはイチから覚え直し
いかがでしょう、無力感すら漂ってきませんか? こうならないためにも、1回覚えた後も毎日復習するなど繰り返し触れることが重要です。幸い、今は忘却曲線に逆らうように学習設計されたアプリ(Anki、Duolingoなど)がありますから、うまく取り入れたいですね。
2. 「知っている」と「使える」は全く違う
英単語やフレーズを知っているだけでは、会話でスムーズに使えません。「知識」と「実践」には大きなギャップが存在し、これを埋めるのが「反復」です。
反復がないと……
・「Nice to meet you!」などあいさつを知っているが、とっさに口から出てこない
・「How can I get to the station?」を覚えたが、実際に道を聞くと緊張して言えず、「ステイション、ステイション」となる
上記のような状態を避けるためにも、英文やフレーズを何度も声に出し(=反復し)て、スッと使えるレベルまで落とし込むことが必要なのです。
■反復こそ、最強のタイパ学習法!
ここまで、反復なしの学習がいかに非効率かを見てきました。では、どうすれば最短で英会話の力を伸ばしていけるのでしょうか?
答えはシンプル、「反復学習」です。
・単語やフレーズは、何度も反復(音読など)する
・知識レベルでわかるではなく、「スラッと口から出る」ようになるまで、反復する
英語学習の成功者は、特別な才能があるのではなく、適切な「反復」を続けているだけなのです。
ここではさらに、反復のクオリティを上げることに目を向けてみましょう! 単なる「反復」ではなく、「"最強"のタイパ学習法」と言える反復にするためには、いくつかのコツがあります。以下の項目をチェックしていきましょう。
- 「記憶の公式」を最大化できているか?
- 「自分ごと化」できているか?
- 「反復は退屈」への対策ができているか?
1. 「記憶の公式」を最大化できているか?
記憶には、シンプルながら強力な公式があります。それは……
「回数 × インパクト」
「回数=反復」は言うまでもなく重要です。でも、ここで見落としがちなのが「インパクト」。これが弱いと、どれだけ繰り返しても記憶はぼんやりしたままです。
そこで今日からは、いろいろな方法でインパクトを最大化した反復にしていきましょう。
例えば……
・感情を込めて音読する(ただ読むのではなく、役になりきる)
・実際のシーンをリアルにイメージする(カフェで注文しているつもりで練習)
そのほか、身をもって体験すればインパクトは最大化します。例えば、「I think I lost my wallet. (お財布をなくしたようです)」。旅行先でリアルに使えば、二度と忘れません(が、できれば避けたい例えですね)!
淡々と反復しているだけでは、まるで修行のような苦行になってしまいます。効果を最大化するために、今こそ「インパクトのある学習」にシフトしていきましょう。
2. 「自分ごと化」できているか?
英語フレーズを反復していると、ふと疑問が浮かぶことがありませんか?
「これ、いつ使うんだろう……?」
この「モヤモヤ状態」、実はかなり危険です。使うイメージが湧かないと、記憶に定着しにくいのです。
そこで役立つのが「生成効果」というもの。これは、「自分で作った情報は、記憶に残りやすい」という記憶にまつわる特性です。これを生かすために、ぜひ自分で英文をアレンジしてみましょう。ポイントは「一部分のカスタマイズ」から始めることです。
例えば……
I like watching baseball. → I like watching Netflix.
ゼロから英作文するのではなく、すでにあるフレーズの一部だけ入れ替えることで、負担は少なく、記憶の定着力がグンとアップします。
このように、「反復=受け身」ではなく、「反復=カスタマイズ」にすれば、学習効率も楽しさも倍増していきます。
3. 「反復は退屈」への対策ができているか?
「反復は退屈」と思われがちですが、適切な工夫をすれば、意外と楽しめるもの。1と2の要素を押さえていれば、単調さもグッと減るはずです! それでも途中で「飽きる」「ダレる」「気が散る」なんてこと、ありますよね?
そこで登場するのが 「時間を区切る」 というシンプルかつ最強の対策!
例えば……
・3分後にタイマーをセットして、ラストスパート感を演出!
・「3分で何回音読できるか?」とゲーム化する!
・誰かと競争して、負けられない状況を作る!
そう、ポイントは「退屈」→「夢中」へシフトすること。これができれば、反復が「作業」から「挑戦」に変わり、気づいたら身につく仕組みが完成します。
■まとめ
英語学習で「もっと効率的に身につけたい!」と思うのは当然のこと。でも、近道を探すあまり「反復の力」を軽視してしまうと、かえって遠回りになってしまいます。
「反復こそ、最強のタイパ学習法」。
これは、ただのスローガンではなく、科学的にも証明された最短ルートです。記憶の公式を生かし、自分ごと化し、退屈を夢中に変えられたとき、あなたの英語力は想像以上に伸びていきます。
「また同じことをやるの?」ではなく、「よし、今日も積み上げるぞ!」というマインドで、反復を自分のものにしていきましょう。続けた先には、スムーズに英語が口をついて出る、新しい世界が待っています!