――今回は小学生から大学生までのりえ子が登場する中で、新谷さんは中学生から演じられましたが、実年齢21歳で難しい部分はありましたか?

学校を卒業すると制服を着るのはやっぱり少し抵抗ありますね。中学生姿はツインテールで補わせていただいて、気持ちだけはすごく頑張って中学生になりました(笑)

――年代によってテンションを変えたりしたのですか?

監督とはそこのニュアンスがすごく難しいという話をずっとしていました。ガラッと変えすぎると、りえ子のキャラクターに反してしまうので、落ち着きは昔からあったということで、あとはもう気持ちの問題。とにかく「私は今中学生です!」と思うことで頑張りました(笑)

――小学生時代は、さすがに子役の方が演じられましたね。

小学生のりえ子と大きくなったりえ子が違いすぎないように、子役の子と話し合ったりしましたね。そしたら、監督に「カメラで見たら顔が似ているように見えてきた」と言われて、うれしかったです。

――年代が大きく変われば、季節も春夏秋冬演じているわけですが、撮影は昨年の秋に行ったそうで、暑さ寒さの苦労もあったのではないでしょうか。

ずっとロケで、最初は暑い日もあったのですがだんだん寒くなってきて、最後のほうはTシャツでブルブル震えながら撮ることもありました。逆に、すごくいい天気の日にニットを着たことも。でも、のこちゃんが頑張っているから私も頑張らなきゃと思いましたね。

撮影が終わって“お散歩ロス”に

――実家では犬を飼われているそうですが、今回の作品を経て接し方は変わりましたか?

変わりますね。こんなセリフの掛け合いを聞いちゃったから、うちの犬とも「通じ合えているんじゃないか?」「これって返事してくれているのかな?」と勝手に思っちゃいます。

――声も想像しますか?

女の子なので、めちゃくちゃかわいい声を想像しています。まだちっちゃいんで、元気でハツラツとした感じですね。実家に帰らないと会えないので、ちょっと寂しいんですが、何も言わなくても両親が毎日動画を送ってくれるので、癒やされています。

――いつかは東京でも飼いたいですよね。

一緒にお散歩に行きたいです。撮影が終わってから、一人じゃ物足りない感じがすごくするんです。引っ張られたい(笑)

――では最後に、改めて今作の見どころをお願いします。

私は撮影現場で1人ずっとしゃべっていたんですが、実は犬がツッコんでいたというお話がすごく面白くて。漫画から映像になったときに、より鮮明にワンちゃんと人間との関係性を動きで見ていただけるので、皆さんにどんな気持ちになっていただけるのか楽しみです。

それと、のこちゃんがリードを引っ張られてもしっかり待っていてくれたり、合図してないのに小屋の中に収まってくれたりと、名演技もポイントです。ぜひ、りえ子とポン太のほっこりした日常を楽しんでいただけたらと思います。

●新谷ゆづみ
2003年生まれ、和歌山県出身。2014年に「ちゃおガール2014☆オーディション」で準グランプリ、16年から成長期限定ユニット・さくら学院で活動し、19年に卒業。同年、映画『さよならくちびる』で女優デビューし、22年公開の映画『麻希のいる世界』で映画初主演を務めた。2024年は劇場公開が7作品と、注目を集める新鋭女優。