不動産物件で起こる奇々怪々な事件の謎を解決していくフジテレビ系ドラマ『問題物件』(毎週水曜22:00~)。26日に放送される第7話(※FODで先行配信中)では、「居座られた部屋」に潜む謎を解いていく。
1人だけ立ち退きを拒む住人
若宮恵美子(内田理央)が大島不動産販売・本社ビルへ出向くと、営業部時代の先輩で開発事業部の岩下圭吾(小関裕太)に声をかけられる。岩下は、恵美子が販売特別室で厄介な案件を解決してきたことを知り、ある相談を持ちかける。それは開発事業部で進めている計画で、取り壊し予定のマンションに1人だけ立ち退きを拒む住人がいて困っているということ。室長の大島雅弘(宮世琉弥)に相談し、依頼を引き受けることにする。
その頃、社長の大島高丸(船越英一郎)は、販売特別室の評判が上がっていることにいら立ちを募らせていた。そんな中、片山芳光(本多力)は、恵美子の手助けをした謎の男・犬頭光太郎(上川隆也)の存在を思い出す。
恵美子が取り壊し予定のマンション・コーポゴアに到着すると、またもや犬頭の姿が。犬頭は立ち退きを拒む住人・猪俣広巳(五頭岳夫)に大声で呼びかけていた。しぶしぶ猪俣が姿を見せると、犬頭は部屋の様子をチェック。一方の恵美子は、猪俣に立ち退きの説得をするが、「この部屋が気に入っている」と一蹴されてしまう。
犬頭は、室内の殺風景な状況から、猪俣には他の住まいがあると推測。その言葉を聞いた恵美子は、猪俣がお金目当ての占有屋なのではないかと考えるが、犬頭はその裏に暴力団が絡んでいる可能性があると指摘する。さらに、その後の調査で、この一帯を縄張りにする「太平洋組」という暴力団の存在が明らかに。犬頭は恵美子を連れて、太平洋組のビルへ乗り込む――。
徐々に解決すべき物件のハードルが上昇
始めのうちは、ポルターガイスト、水の呪い、金縛りといった心霊現象や奇怪な現象の問題物件の謎に挑んでいた恵美子たち。犬頭もその都度「科学で解明できないことはこの世には存在しない」と豪語し、解明してきた。しかし前回は新興宗教、そして今回は立ち退きと、科学的というよりも、人為的なことも含まれており、徐々に解決すべき物件のハードルが上がっているように感じる。
それでも当の恵美子は、犬頭不在でも調査を始めてみたり、今回も岩下から「立ち退きに成功したらマンションのキャッチコピーを考えてもいい」と言われ、俄然張り切る。その効果もあったのか、推理が冴えわたり、犬頭からは「最近察しがいい」「今日どうしちゃったの? なんか恐い」とまでの言われよう。本人も犬頭と仕事をするようになってから楽しいし、このまま続けたいと伝える。
毎回、最後に謎を解くのは犬頭だが、必ずそこには「犬」が何らかの形で絡む。今回は暴力団事務所に乗り込むが、そこでも犬が大活躍だ。
犬太と散歩はしてみたいと言う雅弘
今回は、そんな暴力団の縄張り争いの話が出てくるが、そもそも縄張り=テリトリーとは他が侵入してこないよう占有している領域を指す。暴力団はその縄張りを守ったり広げたりするために必死で、その抗争は我々もテレビや映画などで度々目にする。
雅弘は、車椅子の生活になってから一切外に出ていない。体調を崩しても医者に行こうとせず、訪問診療を受ける。そんな雅弘に恵美子は、いつかまた外に出てみたいかと問う。しかし雅弘は、犬太と散歩はしてみたいが、ここが自分のテリトリーと決めたのだと言う。
人には誰にも守りたい、他人に入ってきてほしくないテリトリーがある。しかし、そこを少しだけ開放して、勇気を出して外の世界を見ることも時として必要なのかもしれない。恵美子の登場は、雅弘もそろそろその時だという暗示なのだろうか。そのテリトリーを破って雅弘に外の世界を見せるのはやはり恵美子なのか。それとも犬頭なのか…。