鳥取県は2月22日、「金の兜」を東京都新橋のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」(東京都港区)で展示する。

  • 亜麻色縅満天金星兜

金の兜は、米国ワシントンで現地時間2月7日(日本時間2月8日未明)に行われた日米首脳会談で、石破茂首相がトランプ米大統領へ「トランプ氏のご家族、とりわけご令孫の健やかな成長に対する願いをこめて」お土産として贈呈されたもの。

この金の兜は、石破首相の出身地である鳥取県の老舗人形店「人形のはなふさ」のかぶと飾り「亜麻色縅満天金星兜(あまいろおどしまんてんきんぼしかぶと)」。2月19日には、同社の14代目、英智哉社長から鳥取県平井伸治知事へ寄贈された。英社長は「外務省から昨年11月に発注があった時は誰に向けた贈答用かは全く知らされておらず、大統領へのプレゼントということで驚いた。トランプ大統領に贈られたこの兜をきっかけに、鳥取県に多くの人にお越しいただき、鳥取県が盛り上がるきっかけになれば」と話し、平井県知事は「人々を魅了する輝きを放つ、貴重な一品を寄贈いただき、今日は県庁がホワイトハウスになったようです。兜は子どもたちや家庭の幸せを願って日本の伝統の中で育まれたもので、幸せを分けてもらえました。この金の兜は日本、世界を見守ってくれると思いますので、多くの方に是非見ていただきたい」と感謝の意を述べた。

亜麻色縅満天金星兜とは

金属をイチから加工し製作された兜飾りで、吹き返しには1894年創業の龍村美術織物の正倉院葡萄唐草紋錦を採用している。また台輪等の金具にも唐草文様を取り入れている。白金鍍金を施し、永遠の輝きを放つようにとの想いが込められている。

「合わせ鉢」は複数の鉄板や素材を巧みに組み合わせて作られる伝統的な技法で、通常の一枚物の鉢に比べて、製作には高度な技術と時間がかかる。この技法により、鉢自体の強度や耐久性が大幅に向上し、曲線や継ぎ目の美しい均整が生まれる。そのため、兜全体に気品と洗練された印象を与え、機能性と美的価値を兼ね備えたものとなる。

  • 亜麻色縅満天金星兜

唐草文様(からくさもんよう)は、日本に古来より伝わる吉祥文様の1つで、縦横無尽に伸びる茎やツタが生命力の強さを連想させることから「子孫繁栄」や「長寿」の意味が込められている。また、永遠の躍動、繁栄、豊穣、活力をも表現している。

  • 亜麻色縅満天金星兜

鳥取県の地酒も展示・販売

日米首脳会談へ向かう政府専用機内では、鳥取県の地酒、太田酒造場の「辨天娘(べんてんむすめ)純米吟醸 玉栄(たまさかえ)」(2,200円)と、千代むすび酒造場の「千代むすび 純米大吟醸 強力(ごうりき)50」(2,090円)が提供されたといわれている。同アンテナショップでは、この2つの地酒を展示・販売する。

辨天娘 純米吟醸玉栄の原料米は全て、若桜町産の契約栽培および自社栽培で、酒造好適米(酒米)のみを使用している。品種は「玉栄」「五百万石」「山田錦」と、鳥取の復活米である「強力」、県の新品種である「鳥姫」、「五百万星」の6種類。酒米は、生産者ごと、品種ごとにタンクを分けて仕込み、ブレンドを行わないことでそれぞれの米の持ち味を表現し、タンク順に"1番娘"、"2番娘"…と名付けて出荷している。穏やかな香りで心地よい酸と、米の旨味を感じ、キレの良い後味だという。

  • 「辨天娘 純米吟醸玉栄(720ml)」(2,200円)

千代むすび 純米大吟醸 強力50は、鳥取県固有種であった幻の「強力米」を復活栽培。米の旨味をしっかり感じられるような酒造りを心掛けている。千代むすび酒造のフラッグシップ酒。リンゴ、メロンを思わせるような華やかな香りとふくよかな味わいを合わせもつ万能酒。

  • 「千代むすび 純米大吟醸 強力50(720ml)」(2,090円)