――子どもの頃からの付き合いのある役柄ですが、おふたりが小さな頃からずっと一緒に育ってきた大切なものを教えてください。

荒木:自分はダッフィーのぬいぐるみです。結構大きなもので、保育園の時からずっと一緒に寝ています。この間、友達が、何度も洗濯されて毛がシワシワになったダッフィーを見て驚いてました。

――まだお別れはできない?

荒木:それがないと寝られないのでダメです。

瑚々:私は洋服です。小学生のときに着ていたオーバーサイズのTシャツを今ピチっとなる感じで着てたりします。ヴィンテージ感が出てかわいくなっていたり、捨てちゃうのももったいないので。あとはお母さんが、私が2~3歳のときに買ったマフラーを私が使ったりしてます。逆に新しく感じます。

――小さなころはどんなタイプのお子さんでした?

瑚々:私は幼稚園の時とかは、例えばママチャリの後ろに乗って手を振って、知らない人からもお菓子をもらっちゃうような子でした。ちょっとお姫様気質みたいなところがあったかもしれません。自分のやりたいことならいくらでも熱中できて、図画工作とかは時間を忘れるくらい丁寧にできてたんですけど、やりたくないことは完全に遮断してしまうようなマイペースな、でもニコニコした子でした。

荒木:僕は……あまり覚えてないんですけど、とにかく女の子に間違われることが多かったです。電車で席を譲ると、「ありがとう、お嬢ちゃん」と言われてました。それから祖母に「いい子だ」とよく言われてました。それはいまだに言われるか。ずっといい子だって言ってくれます。

佐藤健が言ってくれた「芝居がよくなった」

――本作での真琴とあきらは、互いのことをすごく思い合って認め合っているのが伝わってきます。おふたりがこれまでに、自分を気にかけてもらった言葉でうれしかったことを教えてください。

瑚々:私は自信が持てないタイプなので、「あなたのお芝居が好きだから、ずっと続けてほしい」と言ってもらえたときは、すごく感動しましたし、ずっと心に残っている言葉のひとつです。

――いつぐらいのことですか?

瑚々:10代の思春期真っ盛りみたいな時期でした。オーディションで、その時は残れなかったんです。でも、審査に参加されていた監督が出てきてくれて、「今回の役としては取れない。だけど瑚々さんのお芝居は好きだから、これからも続けてほしい」と。そう言ってもらって、帰りのエレベーターの中で「続けていこう」と励まされました。

荒木:僕は憧れの先輩が「芝居がよくなった」と言っていたというのを、人づてに聞いた時です。

――人づてに。憧れというのは?

荒木:佐藤健さん(『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』で共演)です。『First Love 初恋』でまたご一緒できたときに。直接言われるよりも「本当にそう言ってくださったんだな」みたいな感じがして、うれしかったんです。それと同じ作品で満島ひかりさんに、悩んでいたことをお話ししたときに、結構救われました。救われたり、成長できたと実感できることの多かった時間を過ごした作品でした。