こちらの話を聞かず何でも決めつる人が周りにいて、悩まされているという方も多いのではないでしょうか。本記事では、決めつける人の心理を解説した上で、その対処法を紹介します。また、決めつける人にやってはいけないNG行動も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

決めつける人の心理とは?

  • 決めつける人の心理とは?

決めつける人の心理にはいくつかのタイプがあります。まずは、その人がどのタイプに当てはまるのか確認してみましょう。

相手を支配下におきたい

決めつける人の心理のひとつとして、「相手を支配下におきたい」という欲求があります。自分の考えを押しつけ、相手の行動や思考を自分にとって都合のよい方向へ向かわせて優位性を保とうとするのです。他人が自分の意見や価値観に従わない場合には不安や不満を抱き、それを解消するためにさらに相手を決めつけてしまうこともあります。

自分は正しいと信じて疑わない

「自分は正しい」という強い信念を持っている人は、異なる意見や行動を理解しようとしません。彼らは自分の価値観や判断基準が唯一無二の正しいものだと信じて疑わないのです。さらにいうと、その判断基準は自分の経験や自分が知っている情報など、偏りがある場合が多いです。このような考えを持つと、周囲の人とのコミュニケーションがうまくいくはずもなく、摩擦が生じるでしょう。

相手の気持ちを想像できない

決めつける人は、相手の気持ちや置かれている立場を理解する能力が乏しい場合があります。「これを言ったら相手はどう思うだろう」などのように、他人がどのように感じ、どのような状況にあるかを想像することができないため、自分の解釈だけで物事を決めつけてしまいがちです。デリカシーがない人ともいえるでしょう。

自分の想像を超えるものを受け入れられない

自分が経験してきたことや知っている範囲でしか物事を考えられず、それを超えるような出来事や考え方を受け入れられないタイプもいます。このような人は、他人の意見や行動が自分の想像を超えると、その場しのぎで、かつ自尊心を保つための手段として決めつけで対処するのです。

自分に自信がない

決めつける人の中には、実は自分に対して自信がないという心理的な背景がある場合も少なくありません。自信がない人は、他人によって自分の立場や意見が否定されることをひどく恐れているため、決めつけることで自分を守ろうとするのです。

決めつける人がいるとどうなる?

  • 決めつける人がいるとどうなる?

実際に決めつける人が身近にいた場合、周囲の人にどのような影響を与えるのでしょうか? 考えられる結果を挙げてみます。

決めつけられた人がストレスを抱える

決めつけられた人にとってストレスがたまることは間違いありません。操り人形ではなくひとりの人間である以上、不満を抱えるのは自然なことです。そのような状況が続くと、決めつけられた人の自己肯定感は低下します。自由な思考や行動も難しくなり、精神的に疲れてしまうでしょう。

人間関係の構築が困難になる

決めつける人が周囲にいると人間関係を築くのが非常に難しくなります。決めつけられた人にとってはもちろん、その状況を見ている第三者からもよく思われません。決めつける人の意見や行動に対して疑念を抱くことが多くなり、信頼関係が成り立たなくなるでしょう。やがて「あの人には何を言っても通じないし受け入れてくれない」と、周囲の人のあいだで「関わらない方がいい人」という共通認識が持たれることになりえます。

ハラスメントの対象になる

決めつける行為は、ときにハラスメントになる場合があります。上司など立場が上の人物が、立場が下の人物に対して一方的に決めつけることは、精神的な圧力をかけることになるからです。このような行動が積み重なると、決めつけられた人は自己主張ができなくなり精神的に追い詰められる場合があります。

決めつける人への対処法

  • 決めつける人への対処法

職場や友人など、身近に決めつける人がいたときは、どうすればいいのでしょうか。ここでは、対処法を5つ紹介します。

まずは冷静に話を聞く

感情的に反応してしまう気持ちも分かりますが、まずは冷静に話を聞きましょう。相手が何を言っているのか、どのように考えているのかを理解することが問題を解決する第一歩です。決めつけで話をする人が、自分の話を途中で遮られたり反論されたりすることをよしと思う可能性は低いでしょう。冷静に聞き進めることで、相手が自分の思い込みにもとづいて話していることが明らかになる場合もあります。それを踏まえて建設的な自分の意見を述べるようにしましょう。

話を流す・話題を変える

決めつけられることがあまりにも不快で議論したくない場合には、話を流したり話題を変えたりするのもひとつの方法です。「考えておきます」などと、当たり障りのない流し方で回避しましょう。巧妙に話を流すことで、自分が無理に反論することなくその場を終わらせられます。

根拠を問う

言われっぱなしで我慢できない場合には、この方法を試してみてもいいかもしれません。決めつけてくる人の多くは自身の経験や偏った知識だけをもとにしており、一般的な根拠を持たない場合が多いです。「その根拠は何ですか?」と冷静に質問してみましょう。きっと、答えに困る人も多いはずです。このように、答えに窮する状況を作り出して、不合理な決めつけがかえって自分の立場を悪くすることを理解させましょう。ただし、あくまで冷静かつ優しい態度で質問することがポイントです。

距離を置く

決めつける人との関係を無理に続ける必要はありません。物理的・精神的に距離を取ることで自分自身のメンタルを健康に保つことができます。完全に遮断することが難しい場合には必要なときだけビジネスライクに接するなど、適切な距離感を意識しましょう。

深く考えすぎずに自分に自信を持つ

決めつける人に出会うと、ついその言葉に悩んだり自己評価を下げてしまったりすることがあります。しかし、深く考えすぎずに自分に自信を持つことが大切です。その決めつけは、必ずしもあなたに関する正確な評価ではありません。相手の見方や価値観に過度に左右されず、自分の意見や考えを信じることが大切です。

決めつける人にやってはいけないNG行動

  • 決めつける人にやってはいけないNG行動

反対に、決めつける人に対してやってはいけない行動を確認しておきましょう。

感情的に反論する

決めつける人に対して感情的に反論する行為は悪手といえるでしょう。感情的に反応すると相手もさらに強い反発を示し、対立がエスカレートする恐れがあります。感情的な反論を避けて、冷静で理論的な話し合いを心がけることが大切です。

悪口を言いふらす

決めつける人の悪口を言いふらすことはやめましょう。悪口を言うことで気持ちが一時的に楽になるかもしれませんが、自分自身の評価を下げてしまう可能性があります。場合によっては相手にまで伝わってしまい、余計に関係が悪化して決めつけが悪化するかもしれません。

無視する

無視をすることは、いい解決方法とは言えません。いくら相手のことが嫌いでも、無視するという行為は幼稚であり、いじめやパワハラとして認定される場合もあります。相手と関わりたくなくても、相手の問いかけを無視することはせず、受け流したり適当にあしらったり何かしら反応はしましょう。

嫌がらせする

嫌がらせも同じです。相手に仕返ししたいという思いがあったとしても、大人げない行動はやめましょう。意図的に相手を困らせることで、法的な問題に発展する場合もあります。自分自身の評価を低くし、職場やグループでの立場を危うくすることにもなるでしょう。冷静に対応することが大切です。

決めつける人には冷静に対応しよう

  • 決めつける人には冷静に対応しよう

決めつける人の心理や対処法などを紹介しました。決めつける人と建設的な話をするのはなかなか難しいかもしれません。しかし、簡単に諦めたり感情的に反論したりするのではなく、できる範囲で冷静に対応しましょう。