ヴァリューズと日本観光振興協会は2月6日、2024年の都道府県・政令指定都市別の公式観光サイト年間推計閲覧者数ランキングを発表した。調査は20歳以上男女の協力により、各都道府県公式観光情報サイト、および政令指定都市公式観光サイトについて、2024年と2023年の年間推計閲覧者数を集計し、比較を行った。さらに、2024年1月~12月の1年間において、推計閲覧者が多かった都道府県公式観光情報サイトのランディングページ、および政令指定都市公式観光サイトへの流入ワードを集計した。
都道府県別・公式観光情報サイトの推計閲覧者数
まず、都道府県公式観光情報サイトそれぞれについて、推計閲覧者数を集計した。上位15サイトはいずれも前年比100%超となっており、中には200%を超えるサイトも見られ、多くのサイトが順調に集客を伸ばしていることがわかる。1位の三重県は閲覧者数が488万人と、2位以降と大きく差をつけており、この傾向は2023年と同様だった。三重県に続き、2位に新潟県(284万人)、3位に岡山県(275万人)、4位に愛知県(251万人)、5位に富山県(228万人)がランクインしている。前年比が特に高いサイトとしては、6位千葉県(211.8%)、8位石川県(194.4%)、12位福岡県(211.0%)が挙げられる。
三重県は、閲覧者の50-60代割合が顕著
例年多くの閲覧者数を誇る三重県だが、どのような人がサイトを閲覧しているのだろうか。2024年の1年間で、上位3サイト(三重県、新潟県、岡山県)のサイト閲覧者の年代割合を比較した。
見ると、新潟県は30~40代の割合が高いのに対し、三重県は50~60代の割合がネット利用者全体と比べても高くなっている。人口のボリュームゾーンであるこの年代を押さえていることが、三重県公式観光サイトの安定した集客に影響しているのかもしれない。
キャンペーンを積極実施の都道府県が大幅増
閲覧者数の前年比が高かった千葉県、石川県、福岡県だが、どのようなコンテンツがよく閲覧されていたのか。各公式観光サイトのランディングページのうち、2024年の1年間でセッション数(閲覧回数)が多かった順にランキング化した。
千葉県では県内の一部の鉄道や路線バス、フェリーが乗り放題になる「サンキュー❤ちばフリーパス」、石川県では能登半島地震の被災地復興支援として、旅行代金が割引補助される「いしかわ応援旅行割」、福岡県では閑散期の旅行需要喚起と宿泊地域の分散化を目的とし、旅行・宿泊サービスが割引される「ふくおか平日おトク旅」のランディングページが上位入りしている。地域の特性を活かしたキャンペーンが、閲覧者数増に貢献したと考えられる。
政令指定都市サイトの推計閲覧者数
続いて全国の政令指定都市の公式観光サイトについても、推計閲覧者数を集計し2023年と比較した。大半のサイトで前年比100%を超えており、1位横浜市(252万人)、2位名古屋市(247万人)、3位京都市(245万人)、4位神戸市(185万人)、5位札幌市(174万人)となっている。
政令指定都市サイトの流入キーワード
閲覧者数上位の横浜市、名古屋市、京都市について、サイト流入時の検索キーワードを集計すると、いずれも「イベント」との掛け合わせ検索が上位に見られた。遠方からの旅行客というよりも、近隣エリアの住民のお出かけ情報源として、各政令指定都市サイトが利用されている様子がうかがえる。個別に見ると、横浜市は「山下公園」「港の見える丘公園」「横浜中華街」などの場所、名古屋市は「グルメ」「名物」「名古屋めし」などの食事系および「ジブリパーク」、京都市は「葵祭」「祇園祭」などの伝統行事がよく検索されていることがわかった。