”打倒ドジャース”のライバル球団は手強すぎる!? どこよりも早いナリー…

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 今オフも着実な補強を次々と行い、2025シーズンも優勝候補筆頭とされるロサンゼルス・ドジャース。一方で、同オフにはナショナル・リーグの他球団にも、フアン・ソト、コービン・バーンズなど多くの有力選手が集まり、競争が激しくなることが予想される。そこで今回は、NL上位チームの各戦力、成績などを概観していきたい。(文:Eli)

 

今シーズンのメジャーリーグは

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 今オフはナショナル・リーグ(NL)に多くのスター選手が集まり、アメリカン・リーグ(AL)に比べ競争が激しいリーグとなりそうだ。

 

 ニューヨーク・メッツへのフアン・ソト加入をはじめ、ドジャースの大補強、アリゾナ・ダイアモンドバックスのコービン・バーンズ獲得、更にシカゴ・カブスはカイル・タッカーをトレードで獲得した。

 

 NL西地区での勢力回復をもくろむサンフランシスコ・ジャイアンツはバスター・ポージー新編成本部長の下でウィリー・アダメス、ジャスティン・バーランダーの獲得に動いた。

 

 

 

 次ページからは各球団の戦力を概観していく。分析には今年米分析サイト『Fangraphs』に登場した『OOPSY 成績予測システム』を使用する。

 

 『Fangraphs』のJordan Rosenblumによって開発されたこのモデルは、できるだけ多くの指標を用いた成績予測を目的につくられたもので、打率や本塁打などの従来スタッツの他に、バットスピードや『Stuff+』などの先進的な指標も計算に入れている。

フィリーズの補強、スタメン成績予想

 2022年シーズン前にカイル・シュワーバー、ニック・カスティヤノス、23年シーズン前にはトレイ・ターナーとの大型契約を締結するなど積極的な補強を見せ、2022年は11年ぶりのプレーオフ進出と13年ぶりのワールドシリーズ進出、2023、2024年は連続でNLDS進出(2023年はNLCS進出)を決めるなど、近年好調のフィラデルフィア・フィリーズ。

 

 今オフは予算上の制約から大きな補強はヘスス・ルザルドのトレード獲得程度にとどまっているが、シュワーバー、ターナー、ハーパー、カスティヤノスをTop4に抱える打線は依然強力だ。

 

 

 また、ウィーラー、サンチェス、ノラの3本柱に支えられる先発陣はメジャートップの安定感を誇る先発ローテーションと言える。2025シーズンもNL東地区優勝筆頭候補と言えよう。

アトランタ・ブレーブス

 長年NL東地区の盟主であり続けたアトランタ・ブレーブス。2024年はライバルのフィリーズに敗れ、プレーオフでもWCSでの敗退となってしまった。

 

 今オフはプロファーの獲得以外はほぼ動きがないが、近年ブレーブスを支える格安で囲い込んだ若手のコアは健在だ。

 

 野手では特に2023年に54本塁打を放ったオルソン、2021~2023年で毎年MVP投票7位以内に入ったライリーの復活は不可欠だろう。

 

 投手ではサイ・ヤング賞投手のクリス・セールが故障体質に戻らず活躍を続けることに加え、デビュー2年目のシュワレンバック、リリーフからの転向に成功したレイナルド・ロペスの3本柱が活躍すればある程度の勝ちは稼げるだろう。

 

 そして何よりもMVP級の活躍を見せたロナルド・アクーニャ Jr.とスペンサー・ストライダーの復帰と完全復活があれば、2022~2023年の強いブレーブスが戻ってくるはずだ。

 

 

ニューヨーク・メッツ

 今オフはフアン・ソトの獲得で球界を驚かせたニューヨーク・メッツ。資産価値213億ドルを誇るスティーブ・コーエンの財力と、ミルウォーキー・ブルワーズを地区優勝チームに育て上げたデイビッド・スターンズのコラボによりFA市場で積極的に補強を行い、9人総額9億ドル以上の契約を締結した。

 

 打線はリンドア、ソトをトップに、ニモやウィンカーなど実績ある強打者を揃え、ビエントスやアルバレス、ベイティーなど期待値の高い若手も出場機会を多く得ることが期待される。

 

 一方で、少々不安なのが先発投手陣だ。今オフはマナエアとの3年再契約を筆頭に合計4人の先発投手を補強しているが、マナエアは2024年後半に見せた活躍を維持できるのか、モンタスは2024年防御率4点台後半だったが今季はどうなるのか。

 

 さらに、新加入のクレイ・ホームスの先発転向は上手くいくのか、また5年契約の3年目を迎える千賀晃大は故障無く投げ切れるのか、などそれぞれに不安を抱える。千賀以外は出力の高い投手ではなく、プレーオフで戦いきれるのかという疑問もある。

 

 打線のスター力は申し分ないが、全体的な戦力の充実度ではフィリーズ、ブレーブスよりは劣るため、ワイルドカードでのプレーオフ出場を狙う形になりそうだ。

サンディエゴ・パドレス

 2024年はドジャースをNLDSにおいて1勝2敗まで追い込んだが、打線が急停止し結局敗退となったサンディエゴ・パドレス。今オフはオーナー家でのお家騒動もあり満足できる補強には至っていない。

 

 さらに予算確保のために先発の柱となるシース、キングのトレード放出話も飛び出している。過去3年で結んだ長期契約が足かせとなっている印象で、今後も大きな戦力アップを見ることは無いだろう。

 

 先発2人+アラエズのFA流出を控え、長期契約を結んだ野手が33歳以降に差し掛かることで今季、来季が現陣容のラストランとなりそうだ。

 

 一方で今季の戦力だけを見ればNL屈指の充実度を誇る。打線は2024年のメンバーからの変更はほぼ無し。アラエズ、タティス、メリル、マチャドの1~4番は迫力満点だ。

 

 先発もシース、キング、ダルビッシュの三本柱が引き続きローテを引っ張ることになる。ブルペンも7~9回はスアレス、アダム、エストラーダ、エイドリアン・モレホンを使えば鉄壁と言える。2025シーズンもNL西地区で優勝を争うドジャースのライバルとなりそうだ。

 

 

アリゾナ・ダイアモンドバックス

 2023年NLDSでドジャースを破り、ワールドシリーズに駒を進めたアリゾナ・ダイアモンドバックス。2024年は89勝にとどまりプレーオフを逃した。

 

 今オフにはボルティモア・オリオールズからFAとなっていたサイ・ヤング賞投手、コービン・バーンズを獲得したが、これまでのチームと比べると絶対的なスーパースターに欠ける戦力となっている。

 

 逆に強みは若さで、24歳のキャロル、27歳のネイラー、23歳クローザーのマルティネスを擁する。こうした若手、特に2023年新人王のキャロルが再度活躍すれば2023年のようなシンデレラストーリーを再現できるかもしれない。

 

 

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【了】