エミリスは2月3日、「カフェでの仕事に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年12月25日~1月5日、全国の男女500人を対象にインターネットで行われた。

カフェで仕事している人を見たことがある?

  • カフェで仕事をする人を見たことがある?

「カフェで仕事をする人を見たことがあるか?」という問いには、94.4%が「見たことがある」と回答。カフェが仕事場として定着している現状を示している。リモートワークの浸透や多様な働き方の広がりにより、カフェでの作業は多くの人にとって日常的な光景となりつつあるようだ。

カフェで仕事している人をどう思う?

  • カフェで仕事をしている人をどう思う?

「カフェで仕事をしている人をどう思うか」と聞いたところ、「良いと思う」「まあ良いと思う」が合わせて67.0%にのぼった。7割近い人が、カフェでの作業スタイルに一定の理解を示していることがわかる。

一方、約3割は「あまり良いと思わない」「全く良いと思わない」と回答。何らかの不満や違和感を抱いている人が、一定数存在していることを示していると言える。

  • カフェで仕事をしている人に好意的な理由は?

「カフェで仕事をしている人に好意的な理由」を聞いたところ、1位は「カフェで何をしようと個人の自由」だった。

具体的には、「仕事は、会社でとか職場でしかできないという考えは古いです。結婚して出産してもそういう働き方ができれば女性は、もっともっと仕事がしやすくなると思います」(50代 女性)、「集中できる環境は人それぞれだから。自分の好きな場所で仕事ができるのは羨ましい」(30代 女性)、「成果さえ上がればオフィスでの業務を強要する時代ではないと思います。カフェは落ち着いた雰囲気で、好みのドリンクと共に、仕事に集中できます」(50代 男性)、「仕事をしているだけなら、カフェで勉強している人やカフェでスマホいじっている人と変わらないので問題ないと思う」(20代 男性)、「まわりに迷惑をかけない仕事なら問題ないと思う。学生さんたちもカフェで勉強しているし、商談をしている人達も見かけるから」(40代 男性)などの声が寄せられた。

カフェは使用用途が決まっているわけではないので、仕事・商談・勉強など、どのように過ごしても他人が口を出すことではないという口コミが多く寄せられている。また、「自宅よりも集中できる」「環境を変えることで仕事がはかどる」といった、カフェが仕事や勉強に適しているという共感の声も多くみられた。さらに、「リフレッシュできる」といった意見からは、カフェの雰囲気や環境が気分転換や作業効率の向上に寄与していることが見受けられる。

  • カフェで仕事をしている人に批判的な理由は?

カフェで仕事をしている人に批判的な理由の1位は「滞在時間が長すぎる(35.2%)」で、僅差の2位は「情報漏洩への意識が低い(34.5%)」だった。口コミからも、「カフェは仕事をする場所ではないと考えていますし、仕事をしている人がいることで座れない人も出てきそうで迷惑です」(60代以上 女性)、「不特定多数の人がお店にいる中でリモートワークをすることは、仕事上の守秘義務的な問題で不安があるのでよくないと思っています。自分が取引相手だったら、不特定多数の人がいる場所でのリモートワークを行っている方は遠慮したい」(30代 女性)など、長時間の席占領による他の利用者への迷惑や、守秘義務を軽視する行動への不満が多数寄せられた。

また、「カフェは飲食が主目的の場なので、仕事をするべきではない」「仕事を持ち込まれることでリラックスを妨げられる」といった声も目立つ。リモートワークの普及が進む中でも、場所選びや配慮の重要性を再認識する必要があると感じられる結果となっている。

カフェで仕事をしている人の迷惑な行為

  • カフェで仕事をしている人の迷惑な行為は?

「カフェで仕事をしている人の迷惑な行為」としてもっとも多かった回答は「店内での会話やリモート会議の声(49.8%)」で全体のおよそ5割を占めた。次ぐ2位は「混雑を気にしない長時間の滞在(31.6%)」だった。

「周囲への配慮の欠如」に対する不満の声が目立つ結果となっている。とくに、リモート会議や電話の話し声、混雑時の長居など、他の利用者に直接影響を与える行動が上位にランクイン。また、広い席の占有や少ない注文での長時間滞在といった、カフェの本来の利用目的から逸脱した行動に対する不満も顕著となっている。

1位「店内での会話やリモート会議の声」

「店内での会話やリモート会議の声」を選んだ人からは、「オンライン会議をしていたらとても迷惑だししてほしくないです」(20代 男性)、「イヤホンをしていても、ミーティング等に参加していて発話するのは、聞いている方が気まずいから遠慮してほしい」(40代 女性)といった回答が寄せられた。

カフェでの「店内での会話やリモート会議の声」が迷惑とされるのは、静かに過ごしたい人にとって「うるさくて嫌」「リラックスできない」と感じられるからだろう。特にオンライン会議やビジネストークは、聞きたくない内容が耳に入ることで、ストレスを感じる人もいるようだ。

2位「混雑を気にしない長時間の滞在」

「利用者で混雑している時、何時間も席を占領している状況はよくないと思います」(50代 男性)、「めちゃくちゃ混んでいて順番待ちしている時の長時間作業は迷惑」(40代 女性)、「混んでいるのに、そのまま仕事をしている人がいて、カフェ利用者が席を使えないことがあるのは、迷惑だと思う」(30代 女性)といった声があるように、混雑時に長時間席を占領していると、他のお客さんが利用できない状況が生まれ、不満やストレスを感じる人が多いようだ。

3位「広い席の占有」

「広い席の占有」が迷惑とされるのは、他の利用者に対する配慮が欠けていると感じられるから。「1人なのに2人席や4人席にいて、パソコンや書類を広げているのは迷惑だと思います」(30代 女性)、「カウンター等の他の人と共有して使うテーブルに自分の所有物を広げすぎている人は邪魔だなと思う」(30代 女性)といった不満の声があがっている。

4位「少ない注文での長居」

「コーヒー1杯で、何時間も作業をしないでほしいです。お店側の稼働率・回転率も考慮して、食事を注文する等、それなりの対応をしてほしいです」(40代 男性)、「1時間に1杯おかわりするなどして、滞在時間中はしっかりお店にお金を落としてほしい」(40代 女性)といった声もあるように、コーヒー1杯で何時間も作業していると、お店の回転率が下がり、経営にも影響を与える場合があるため、迷惑行為と感じる人が多いようだ。

5位「うるさいタイピング音」

「パソコンのタイピングがとてもうるさく感じることがあるのでやめてほしいです」(20代 男性)、「パソコンのキーボードをカチャカチャと音を立てて打つ行為、特にエンターキーをパシッと"決め"のように打つのにイライラする」(50代 女性)といった声が挙がっている。タイピング音がうるさいと感じる人が多いのは、カフェでリラックスして過ごしたい時に、音が予想以上に響いてしまうからかもしれない。大きな音でタイピングを続けられると、思わずイライラしてしまうこともあるだろう。

6位「情報漏洩リスクがある行為」

「情報漏洩リスクがある行為」に対する不満は、カフェという公共の場で、プライバシーや機密情報への配慮が足りないと感じるからかもしれない。

「仕事の電話や、パソコン画面つけっぱなしのままでの離席。隣とか近い席でそれをやられると、スパイしたいわけじゃないのに他社の内部情報を知ってしまうことがあって本当に困る」(30代 女性)、「席に着いたまま電話で業務の話をしたり荷物や資料を広げて業務…という行為はしてほしくありません。聞いてはいけない・見てはいけない気持ちになり気を遣わないといけないから」(50代 女性)といった声もあるように、パソコンの画面を無防備に見せたり、業務の電話を近くでされると「見えているけど大丈夫なのかな?」「聞いていいのかな?」気を使ってしまう人も多いようだ。

7位「イヤホンの音漏れ」

「音が周りに聞こえる状態での動画視聴」(30代 女性)、「音もれするほどの音楽を聴く行為」(40代 男性)、「イヤホンを使わないでお仕事する人は嫌」といった声が挙がっている。大音量で音楽などを流していると、イヤホンをしていても音が周囲に漏れてしまうことも。隣の席の人にとっては不快に感じられ、集中力を欠いてしまう原因となる。