女優の岡崎紗絵が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、2日・9日に2週にわたって放送される『酒と涙と女たちの歌3 ~塙山キャバレー物語~』。茨城県日立市の国道沿いに12軒の小さな飲み屋が並ぶ「塙山キャバレー」の人々を追った作品だ。

長年にわたり育まれてきたママたちや常連たちのつながりに「ものすごく強い愛だなと思いました」という岡崎。そんな人々たちにとっての塙山キャバレーのような自身の心の拠り所についても語ってくれた――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した岡崎紗絵

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した岡崎紗絵

40年続いた店がのれんを下ろす

2024年の夏の終わり、コロナ禍で中止されていた塙山キャバレーの「はなやま祭り」が5年ぶりに復活した。どの店も大にぎわいで、ママと酔客たちの笑顔であふれていたが、79歳の「いづみ」ママが、店の40周年を機にのれんを下ろすことを決めた。

ひときわ明るいキャラクターで、ママたちにも、客たちにも愛されてきた「いづみ」ママ。かつて塙山キャバレーで営んでいたラーメン店から火事を出し、自分の店も行き場も失くしていた「のぼるちゃん」を優しく受け入れたのも彼女だった。

「いづみ」ママを見送った数日後、ほかのママたちに「店の新規募集はせず、建物を取り壊す」という知らせが。店が減っていけば徐々に街のにぎわいは失われるが、この街の行方は…。

  • 「いづみ」の最終営業日 (C)フジテレビ

家族とはまた違う“家族の形”がある

後編の収録中には、感極まって涙も見せていた岡崎。「年齢も性別も多様な人たちですが、そのつながりにすごく強いものを感じました。ママの一人も言っていましたが、本当の家族とはまた違う“家族の形”があるんだと感じました。そこにいるだけで癒やされるような場所なんでしょうね」と想像する。

連続ドラマの打ち上げなど、数カ月のチームで集まる仲間と比べ、塙山キャバレーの人々は何十年の付き合いになる人もいるだけに「計り知れないです。40年近くやられているお店もあるし、自分の母親よりママによく会っているという方もいらっしゃるんですから、すごいですよね」と驚きを隠せない。

番組ではママたちの様々な“名言”が飛び出すが、岡崎が特に印象に残ったというのは、「めぐみ」ママが発した「旅行なんて行かない。行ったって楽しくない。ここがバラ色なの」。「この言葉を自信を持って言えるというのは、ものすごく強い愛だなと思いました」と感心する。

また、「ふじ」ママの「やっぱり酒のつまみは会話」という言葉にも、「素敵ですよね。長い時間、いつもと違う雰囲気でお話しすることで会話が広がったり、知らなかった共通点などいろいろな発見があったりするのは、やっぱりお酒の力があるんだろうなと思います」と納得した。