ファミリーマートは12月25日、おむすびや弁当などの中食商品に貼る値下げシールを、涙目のキャラクターやメッセージの入ったデザインに変更することを発表した。
同社は、2024年10月30日から11月26日までの4週間、東京都と神奈川県の一部店舗で涙目シールの実証実験を実施した。値下げシールに、涙目の表情をしたおむすびのイラストと「たすけてください」のメッセージを掲載し行動心理学的にお客さまの食品ロスに対する意識や感情に訴えることで、値下げ商品の販売状況にどういった変化があるかなどを検証した。
検証の結果、値下げ商品の購入率が5ポイント向上し、行動心理学的なアプローチをとることで購買行動の変容を促し、食品ロスの削減に取り組むことができるということが分かった。
また、実証実験中に店舗で行った購入者へのヒアリング調査においても「涙目で思わず助けたくなるイラストだったので手に取った」「食品ロス削減に関心があるので賛同して購入した」などの声が寄せられ、全国への拡大展開を決定したという。全国で取り組みを開始するのは来春を予定している。全国の店舗に拡大した場合、店舗における食品ロスを、年間で約3,000トン削減する効果が見込まれる。
同社では、環境の中長期目標「ファミマecoビジョン2050」を策定し、店舗における食品ロス削減に積極的に取り組んでいる。これまでも商品包装の改良による商品のロングライフ化や、発注精度の向上、「てまえどり」の継続実施など様々な取り組みを実施してきた。
また2021年7月からは、消費期限の迫ったおむすびや弁当などの中食商品に、バーコード付き値下げシールを貼り値下げ販売する店舗値下げシステム「ファミマのエコ割」を導入し、全国の9割以上の店舗で活用されている。こうした取り組みが奏功し、食品ロス削減の2023年度実績は、2018年対比26.3%削減の計画に対して、実績28.9%と計画を上回ることができた。2030年に50%削減、2050年に80%削減することを目標としており、今後も新たな取り組みに積極的にチャレンジしていきながら、食品ロス削減に向けた取り組みを進めていくという。