また、本作は1955年の端島のリアルな生活が描かれる描写も大きな見どころだ。特に第1話では、当時の炭鉱員たちの沸き立つような熱気が素晴らしい映像と共に再現されている。
新井氏は「階段がある端島銀座は全部セットです。長期にわたる撮影なので、躯体がしっかりしたものでなくてはならない。本当にセットを立てる場所を探すのは大変でした。特に端島には緑がないので、ロケ地に緑があるとダメ。ある校庭でのロケのときは、一日かけて草むしりをしたぐらい」と苦労話は尽きない。
「美術さんは毎日本当に大変だと思います。毎日のようにトラック6台ぐらい来ていて、まるで映画のような規模。さすが日曜劇場という感じでした」とTBSの看板枠だからこそのスケールを実感したという。
人間模様を大切に「日曜劇場らしい壮大な愛の物語になります」
第1話を観た段階では、どこに物語が進んでいくのか、到底想像ができないほど内容が多岐にわたっている。新井氏は「後半は激動の展開になっていきます」と語りつつも、「取材でお聞きした内容を取り入れながら、一番大切に描きたいのは人間模様。日曜劇場らしい壮大な愛の物語になります」と先々へのヒントを出していた。
脚本・野木×演出・塚原×プロデュース・新井というトリオ。否が応にも注目は集まるが、新井氏は「今回はイマイチだったなと言われるのは悲しいので、皆さんの期待に応えられればいいですね」と笑うと「これまでとは違うジャンルの物語に挑戦しているので、『こっちもいけるんだね』と見方が広がってもらえるとうれしいです」と語る。
そして、第2話について「台風のシーンは、とんでもない水の量を使っています」と見どころを語ると「登場人物たちの恋模様が描かれていきます。過去で起きた出来事が、どう現代に結びついていくのか、それぞれの人生を玲央が知ることで、どう行動していくのか……楽しみにしていください」と視聴者にメッセージを送った。
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