森ビルは、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)にて、2025年3月7日から5月25日まで、「手塚治虫「火の鳥」展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的どうてき平衡へいこう=宇宙コスモ生命ゾーンの象徴-」を開催する。
マンガ『火の鳥』は、その血を飲んだものは永遠の命を得るという伝説の鳥“火の鳥”を追い求める人々の葛藤を描く一大傑作長編。過去と未来を交互に描きながら、「生と死」「輪廻転生」といった哲学的なテーマを縦横無尽に表現した本作の壮大な世界観は、今もなお人々の心をとらえてつづけている。
同展では、生物学者・福岡伸一氏が企画に携わり、30年以上の長きにわたって執筆された壮大な叙事詩を読み解く。さらに、キービジュアルは、グラフィックデザイナー・佐藤卓氏が担当。時空を超えて存在する超生命体“火の鳥”を中心に、赤と黒を基調としたインパクトのあるデザインとなっている。
『火の鳥』の連載開始から70年が経過した今、福岡氏を道先案内人として、新たな生命論の視点から『火の鳥』の物語構造を読み解き、手塚治虫(「塚」は旧字体が正式表記)が生涯をかけて表現し続けた「生命とはなにか」という問いの答えを探求する。
企画・監修を担当した福岡伸一氏は「手塚治虫のライフワーク『火の鳥』。テーマは「生きること、死ぬことの意味は何か」。人間にとって最も深遠な問いです。全編にわたって不死鳥“火の鳥”が登場し、生に執着する人間を翻弄しながら物語を動かします。そこでは、あらゆる生命が常に姿と形を変えながら、連綿と受け継がれていく輪廻転生の生命観、汎神論的な世界観が示されます。これは、生命が絶えず自らの破壊と創造を繰り返しながら、エントロピー増大の法則に抗い続けている「動的どうてき平衡へいこう」であるとする私の生命論とぴたりと重なります。 本展の狙いは、動的平衡の視点から火の鳥の意味を読み解くことにあります。そして、手塚治虫が描くことを約束しながら果せなかった物語の結末を想像してみたいと思います。ぜひご期待ください。」とコメントしている。