星野リゾートは10月1日、「選考スケジュールも自分で決める、学生主体の通年採用」を開始した。

  • 学生主体の通年採用開始(スタッフコミュニケーション)

現在の就職活動は、新卒一括採用の仕組みにより、企業都合のスケジュールや選考フローが主体となっている。そのため、学生が企業と非対等な関係で活動せざるを得ず、限られた期間での内定の獲得が就職活動のゴールになる傾向がある。同社では、学生が主体ではない採用活動のありかたを課題と捉え、学生と企業が対等な関係で相互にマッチングを確かめられる採用活動を開始した。

学年を問わず、学生のタイミングで選考への参加が可能

新卒採用では、学年に関係なく大学1・2年生でも選考への参加が可能に。就職活動に必要な自己理解・企業理解が深まるタイミングは、学年に関係なく個人によって異なるものだと考え、学生が自分のタイミングで、選考に参加したいと思ったときにエントリーできるようにした。

自分と企業とのマッチングを確かめる多彩なプログラムを提供

年間を通し、学生に向けていつでも参加できるセミナーやインターンシップを用意している。仕事内容や価値観を知るセミナーから、全国各地のスタッフが地域の魅力について語るセミナー、学生とスタッフが共に未来を描くディスカッション型セミナーなど、個人の興味や関心に合わせて自由に参加ができる。また、インターンシップも星野リゾートの特徴である「魅力開発」を体感できる1Dayプログラムから、全国各地の施設で働きながら施設運営に携わる長期プログラムまで幅広く用意。より深く経験を積みたい人は、アルバイトとして入社までの準備期間を過ごすことも可能。

これらの機会は、選考エントリーの前後どちらでも参加が可能。内定後は、実際に施設に赴き先輩社員と対面で話し、仕事の様子を見ることができる「Go-KINJO」プログラムや、入社に向けて気になることを人事や先輩社員に1対1で聞ける機会、LINEを介して気軽に質問ができる仕組みなどを提供している。選考開始後も継続的に企業と接触する機会をつくることで、入社後に自分の価値観に合った働き方ができるかどうかを確かめることができる。

  • 「界 雲仙」での「Go-KINJO」プログラムの様子

学生自身が決める選考スケジュール

同社では2024年から入社オファーへの回答期限を含め、すべての選考スケジュールを学生の意思で決められるように変更した。一括採用の決められたスケジュールとは異なり、企業とのマッチングを確かめる期間を十分に取れるため、制度導入後は内定受諾後の辞退率が約80%減少しているという。この実績からも、ひとりひとりが納得感を持って意思決定をするためには、各々の事情に合った検討時間が必要だと考え、選考に参加するタイミングや、選考を進めるペースを学生自身が選択できるようにしている。