山崎晃大朗を胴上げするヤクルトナイン(C)Kyodo News

 本拠地・神宮でのラストゲームとなったヤクルト。広島の前に逆転負けを喫したが、今季限りで引退する山崎晃大朗が8番センターで先発出場し、マルチヒットで有終の美を飾った。

 3回の第1打席では、広島先発の大瀬良大地からライト前に運び、2打席凡退後の最終回の最終打席では広島5番手の森浦大輔からレフト前ヒット。神宮に駆けつけたヤクルトファンから、大きな歓声が送られた。

 ラストのスピーチで「全体的に中途半端な成績でしたけども、本当に9年間ありがとうございました」と明るく現役に別れを告げた山崎に関して、3日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた野村弘樹氏は「最後の会見も涙ぐむではなく明るい感じで、彼らしさ出たと思うんですけども」とキャラクター通りの挨拶に頷きながら「最後回してくれて、真っ向勝負で。最後ヒットで終われたっていうところが良かったなと思うんです」と9回山田哲人のホームランで、もう1回バッターボックスに立てたことに目を細めた。

 解説として出演した谷沢健一氏は「これ見てて非常に温かい、心がこもった球団だなというね。青木の引退試合もそうだけども。今日の山崎を送り出す球団の姿勢っていうのが如実に出てましたよね。これは山崎くんも嬉しいんじゃないかな」と笑顔。

 もう一人の解説者の平松政次氏も「引退のスピーチで、これだけユーモア言えるっていうのは、もう色々考えたんだと思うんですよ」とし「谷沢さんも言いましたけど、やっぱりあったかい球団じゃないと、こういうことができないんでね。昨日の青木の(引退記念Tシャツの)背番号にみんなテープを貼って。これなんかも、なかなかそういうことをできる雰囲気ってのはないんでね。非常に良かったと思いますよ」とヤクルトの温かいチームカラーに表情を緩めた。

 チームにファンに愛されたムードメーカーの最後は、見事なまでに“えみふる”だった。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』