俳優の松重豊が、第29回釜山国際映画祭に登場。オープニングセレモニーや『劇映画 孤独のグルメ』(2025年1月10日公開)のワールドプレミアを行った。

  • 松重豊

同作は、原作・久住昌之氏、作画・谷口ジロー氏による同名漫画の実写化作。2012年1月からテレビ東京で連続ドラマ化され、シーズン10まで重ねている。この度、テレビ東京開局60周年特別企画として、「孤独のグルメ」プロジェクトが始動し、12年にわたり主人公・井之頭五郎を演じてきた松重が監督・脚本・主演を務める。

この度、『劇映画 孤独のグルメ』が第29回釜山国際映画祭【オープンシネマ部門】に正式出品され、監督・脚本・主演を務めた松重がオープニングセレモニーや様々な映画祭公式行事に登場。現地時間10月3日20時から【オープンシネマ部門】出品作品として、ワールドプレミアを実施し、『梨泰院クラス』で最凶の敵役を演じた、ユ・ジェミョンがサプライズで駆け付け、同時に本作への出演が発表された。ユ・ジェミョンが演じるのは、韓国領に迷い込んだ五郎(松重)の入国手続きを行う韓国入国審査官。五郎のスープ探しの旅に、いったいどのように関わり、五郎を振り回すのかは、本編で明らかになる。

この度、本作の登場人物が総出演する90秒の最新予告映像も公開された。内田有紀、磯村勇斗、村田雄浩、ユ・ジェミョン、塩見三省、杏、オダギリジョー7名の豪華キャスト陣が総出演する90秒の最新予告映像では、千秋(杏)と一郎(塩見)から“スープ探し”の依頼を受け、フランス・韓国・日本と世界中を駆け巡ることになる様子が映し出される。そしてこの度、長崎・五島列島も舞台になることが明かされた。

しかし「おかしいな……。これはちょっとマズイな……」というセリフから五郎に最大の危機が訪れている模様。それでも五郎は変わらず、おいしそうに料理を食べる。これまでベールで包まれてきたストーリーが、少しずつ明らかになる映像となっている。

『劇映画 孤独のグルメ』第29回釜山国際映画祭オフィシャルレポート

釜山国際映画祭は1996年に創設された、韓国・釜山で開催されるアジア最大規模の映画祭。国際映画製作者連盟公認の国際映画祭であり、アジアだけでなく、世界各国を代表する映画人が続々と登場するなど、アジアを代表する映画の祭典として注目されています。「釜山シネマセンター」(通称:映画の殿堂)をメイン会場とし、10日間で国内外の約300作品が上映され、国内外から約20万人が訪れる大きなイベントです。

第29回釜山国際映画祭は、現地時間10月2日~10月11日の10日間で、メイン会場である「映画の殿堂」含む5劇場、26館で実施されます。本作が出品された【オープンシネマ部門】は、この映画祭を代表する部門の1つ。人気、芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が選出され、収容人数約5000人を誇る「釜山シネマセンター」の野外スクリーンにて上映されます。過去上映作品としては、第95回米アカデミー賞最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)、邦画では『キングダム2 遥かなる大地へ』(22)や『シン・ゴジラ』(16)など、数々の話題作が上映されてきました。

記念すべきオープニングセレモニーの会場は、映画祭のメイン会場である「釜山シネマセンター」(通称:映画の殿堂)。オープニングセレモニーの登場前に松重は、「海を越え、アジア最大と言われている釜山国際映画祭で、自分が撮って出演した作品が出品されたことは非常に名誉なことだと思っています。そして、(自身の出身が福岡のため)身近に感じていた釜山でこの作品のお披露目をできるのは、ある意味“運命の巡り合わせ”だとも感じます。映画祭を楽しみたいです!」と会場に向かいました。

世界中から集まった監督・俳優などの映画人らが、次々とレッドカーペットに登場し、会場のボルテージは徐々に上がっていきます! そんな熱気に包まれる会場に、満を持して『劇映画 孤独のグルメ』監督・脚本・主演を務めた松重が、『孤独のグルメ』らしく“もぐもぐ”しながらレッドカーペットに登場!! 登場するや否や、その“もぐもぐ”姿に黄色い悲鳴が上がり、「ゴロウサーン!」「マツシゲサーン!」など現地のファンから熱い歓声が上がりました! さらには、他の登壇者が作品名と名前のみで紹介される中、松重については「監督兼俳優である“五郎さん”松重豊の入場です!」と役名も含めて紹介されました。韓国で“五郎さん”というキャラがいかに浸透しているかがよくわかります。松重はレッドカーペットを堂々と歩き、多くのメディアのシャッターや、現地ファンの歓声に手を挙げて応えました。そして、松重も自身のカメラで会場の様子を写真に収め、監督として初めて参加した映画祭のオープニングセレモニーを楽しみました。イベントから戻った松重に、レッドカーペットを歩いた感想を求めると「こんなお祭りに参加できて嬉しい!!」と興奮冷めやらぬ様子。アツい映画祭が開幕しました!

現地時間10月3日(木)16:00から実施されたのは、映画祭公式イベントの1つである「オープントーク」。このイベントは映画祭名物の野外ステージにて、監督や俳優が登壇し、現地で有名なコメンテーターをMCに迎えトークショーを行う人気のあるイベントの1つです。「アニョンハセヨ! 松重豊イムニダ!」と韓国語で挨拶すると、会場に集まった観客から温かい拍手で迎えられました。“五郎さん”(松重)への熱い声援が送られる中、松重は約50分間にわたり作品について、監督・主演という2つの目線でトークを繰り広げました。MCから『劇映画 孤独のグルメ』を作るにあたっての想いを問われると、松重は「料理を美味しく食べることだけで、アジアからこんなにも愛されるドラマになったことは奇跡だと思います。だから、アジアの懸け橋になるようなストーリーにしたいと思い、作りました。そして何より、これだけ長くやってこれたのはファンの皆さんのおかげなので、ファンに納得してもらう作品を届けないといけないと思っていました」と本作に込めた想いを真剣に語りました。さらにMCから「レッドカーペットを歩いている時に、何かを食べていたと思いますが…?」…と、前日に実施されたオープニングセレモニーのレッドカーペットイベントについて聞かれると、松重は「ネタバレになってしまうから言えないけれど、実は、映画の中で重要なモチーフになっている物を食べていました。本編を観て、これを食べてたのか!と思ってもらえたら嬉しいです。」と少しストーリーのヒントを交えながら回答。また、「レッドカーペットに降り立ったとき、作品ならではの“孤独カット”を演出してみました。お気づき頂けましたか?」と監督・松重による演出の種明かしをすると、会場は笑いに包まれました。作品に懸けた想いと、ユーモアを交えながら緩急をつけた、松重らしい様々なエピソードを披露し、会場を大いに盛り上げました!

【オープンシネマ部門】として上映される今回が、本作のワールドプレミアとなりました!上映前舞台挨拶に、監督・脚本・主演を務めた松重がステージに登場! 世界で一番最初に本作を鑑賞するお客様を前に、「こうして皆さんの前でお披露目することができるのが本っ当に嬉しいです!皆さんの反応をこれからの励みにしたいと思います!」と喜びの気持ちを語りました。

そしてここで、サプライズ発表が……!! MCの呼び込みによって登壇したのは、日本でも話題となった大人気ドラマ『梨泰院クラス』(20)にて、主人公の因縁の相手であり、飲食業界のトップに君臨する大企業「長家(チャンガ)」の会長・チャン・デヒを熱演したユ・ジェミョン!!なんと、本作に特別出演していることが登壇をもって解禁となりました! 釜山を訪れた松重を激励すべくこの舞台挨拶に駆け付け、本作の撮影から約1年ぶりの再会に、がっちりと握手を交わす2人。日韓の欠かすことのできない名優の共演が、この場にて解禁となり、会場は驚きと共に大きな歓声に包まれました!

松重は「この作品を愛してくれる方が韓国にたくさんいること知り、劇映画にする上で韓国を大きな舞台として考えたいと思いました。シナリオを考える上で、言葉の壁を越え、友情が芽生える作品にしたいと思った時に、この人しかいないと恋焦がれて出演していただきました」と、ユ・ジェミョンの出演を熱望していたことを明かしました。そんな松重に対し、ユ・ジェミョンは、「「孤独のグルメ」は独特で、愉快で、素敵な作品だと思って楽しく見ていました。だから本作のオファーをもらったことに非常に驚いたけれど、感謝の気持ちで受けることにしました」と話し、「撮影中も松重さんは親切に説明してくれて、幸せな思い出になりました」と出演した想いを語りました。松重から「ユ・ジェミョンさんにご飯をご馳走してもらいました!」とお礼を伝える場面では、二人の現場での雰囲気の良さが垣間見え、会場からも歓声が上がりました。

最後の挨拶でユ・ジェミョンは「今日は釜山に着いてすぐミルミョンを食べ、明日の朝はデジクッパを食べる予定です。釜山はまさに美食家の街だと思います。皆さんの幸せな笑顔を見ることが出来て嬉しいです」と、釜山グルメに絡めた感想をお茶目に述べました。そして、松重からは「食べ物を通して、人と人との心の触れ合いや愛情を感じてもらえる作品にしたつもりです。でも、気持ちが温かくなったけれど、“孤独のグルメ”らしくお腹がすいた! という作品にしたいとも思っています。きっと見終わった後はお腹がすくと思うので覚悟してください!」と作品に込めた想いと、松重節を効かせたユーモラスな言葉で締めくくった。

松重は、会場を埋め尽くすファンと共にワールドプレミア上映を鑑賞。そして、上映が終了すると松重に対し、会場からは大きな拍手と歓声が巻き起こりました。ほぼ満席の会場で実施された、本作のワールドプレミア上映。度々笑いが起き、時においしそうな料理へのリアルなため息が漏れるなど、会場は大盛り上がり!松重も監督として、観客のその反応を肌で感じた様子で、作品がお客様の元に届く様子を見守りました。上映が終了すると、松重に向けて観客から大きな拍手と歓声が巻き起こり、それに対し松重も大きな声で「カムサハムニダ!」と感謝の言葉を叫び、笑顔で会場を後にしました。降壇後、「韓国の皆さんに見てもらえてよかった! カムサハムニダ!」と本作への手応えを話し、監督として初めて映画祭に参加した松重にとっても忘れられないワールドプレミアになったようでした。

映画祭公式行事の合間に釜山を観光! 2020年にオープンした韓国南部・海雲台(ヘウンデ)のLCTランドマークタワー内にある人気展望台「釜山 X the sky(プサン・エックス・ザ・スカイ)」を訪問。釜山で1番目に高いこの展望台は、標高441.6メートル、100階建てのフロアから釜山の海や山、市街地を一望できる人気スポット。展望台から望む絶景を眺めたり、床が強度ガラスで作られた「ショッキング・ブリッジ」の上から、地上を見下ろしたりと、松重は釜山の新名所を楽しみました。また、韓国を代表するビーチ「海雲台(ヘウンデ)ビーチ」にも訪れ、つかの間のリラックスタイムを堪能しました。そして、『孤独のグルメ』と言えば欠かすことができないのは、やはり“美味しい料理”!! 海雲台ビーチの近くにある市場「海雲台(ヘウンデ)伝統市場」にも足を運びました!この市場は、1910年代に発祥したとされる歴史の古い市場です。「まずは胃袋の意見を尊重したい。」という井之頭五郎のように、食べてみたい料理を探し求め、新鮮な食材や出来立ての惣菜の並ぶ屋台や、韓国伝統料理を味わえるお店が立ち並ぶ市場内を散策。最終的には“ムルトック”(餅をおでんの出汁で煮た釜山名物料理)や、市場でも人気のハチミツをかけたアイスなど、釜山グルメを存分に満喫しました!

(C)2025「劇映画 孤独のグルメ」製作委員会