老後の不安から、ますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人も多いのではないでしょうか。今回は、普通預金に預けっぱなしにするデメリットについて、専門家が回答します。

お金のこと、難しいですよね。老後の不安から、ますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人も多いのではないでしょうか。皆さんからのちょっとしたお金の疑問に専門家が回答します。

今回は、普通預金に預けっぱなしにするデメリットについてです。

◆​​​​​​Q:普通預金に預けっぱなしにするデメリットって何?

「普通預金に預けっぱなしにするデメリットは何でしょうか? 何かあった時のために、普通預金にお金をおいておきたいのですが……」(総資産900万円・43歳・主婦)

◆A:普通預金に預けっぱなしにしていると、金利上昇時に他の金融商品に比べて得られるリターンが少なくなる可能性大です

普通預金に預けっぱなしにしているデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?

まず、普通預金のメリットについて考えてみましょう。普通預金は給与振り込み口座に指定できますし、公共料金やクレジットカードの決済口座として活用できるため便利です。金利そのものは高くないのですが、いつでも出し入れできることがメリットと言えるでしょう。

決済口座として利用価値の高い普通預金なのですが、問題は金利が上がるスピードです。

金利が上昇局面のときには、預貯金の金利も引き上げられることがほとんどなのですが、まずは融資関連の金利が上昇し、その後、預貯金関連の金利が上昇するという流れです。また、普通預金の場合、運用口座というよりも決済口座という位置づけが大きいため、金利はさほど上昇しません。

金利上昇局面では、他の金融商品の利率が上昇することは想定されますし、リスク性のある株式投資や投資信託等のリターンが大きくなることが予想されますので、普通預金のみに預けっぱなしにしていると、他の金融商品で運用したら得られるであろうリターンが得られなくなるデメリットが考えられるのです。

現在、総資産額900万円とのことですので、安心できる金額を普通預金に残し、まずは金利が高めのネットで預け入れをする定期預金や個人向け国債の購入などを検討しても良いでしょう。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)

金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。

文=飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)