ダニ対策ブランド「さよならダニー」を製造するイースマイルが、葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニックの院長 横山裕氏監修のもと「ダニアレルギーの健康被害」について紹介している。

  • 写真はイメージ

気温・湿度とアレルゲンの関係は?

ダニは、気温20度以上、湿度60%以上で活動が活発になる。残暑が厳しいと予想される今年も、ダニは繁殖を続けることが予想されるという。ダニは2カ月で死骸となるため、9月も繁殖スピードが衰えない場合、アレルゲンも上昇し続け、ダニによるアレルギー疾患の患者も増加することが予想される。

「通年生アレルギー性鼻炎」とは?

「アレルギー性鼻炎」はアレルギーが原因で起こる鼻炎で、「鼻汁」「鼻づまり」「くしゃみ」を3大症状とする病気。近年増加傾向にあり、国民の約40%がかかっているとも言われてる。増加している背景としては生活環境の変化や⾷生活の変化、ストレスなどの可能性が指摘されている。

アレルゲンとして多いのが「花粉」や「ダニ」。花粉は季節性に飛散しているので「季節性アレルギー性鼻炎」、ダニは1年中存在しているので「通年性アレルギー性鼻炎」の原因となる。花粉としてはスギ(2-4月)、ヒノキ(3-5月)、ブタクサ(8-9月)が代表的だが、それ以外には雑草花粉(イネ科、キク科など)でも起こることも。

花粉症の人はすでにアレルギー素因をもっているため、花粉・ダニの両⽅が原因の可能性もあるという。また、生活していくうえで繰り返しアレルゲンに暴露されることで、アトピー体質をもつ人にアレルギーが発症すると言われており、アレルギー発症前でも対策を行うことは将来のアレルギー発症の予防にもつながる。ダニのフンや死骸を吸い込むことが原因で起こるので、室内の掃除をこまめに行うことが推奨される。布製のソファやカーペット、ぬいぐるみを置かないことも効果的だという。

そのくしゃみ、鼻水、鼻詰まりは花粉症? それともダニアレルギー?

セルフチェックシートで「はい」に◯が3つ以上ついた人はダニアレルギーの可能性も。ただし、1つで◯がついた人も予備軍なので事前の対策が重要となる。

  • セルフチェックシート

「アトピー性皮膚炎」は"肌の乾燥"と"ダニの死骸やフン"が原因

アトピー性皮膚炎と聞くと幼い頃に疾患するイメージが強いが、横⼭先生によると近年アトピー患者増えており、小児や思春期のみならず、20歳代・30歳代の若い成人においても頻度の⾼い皮膚疾患だという。アトピー性皮膚炎とは、痒みのある湿疹がよくなったり、悪くなったりを繰り返す病気で、皮膚の乾燥とバリアー機能異常が原因と考えられている。疾患をもつ人の多くはアトピー素因をもっていると考えられる。

ダニやカビなどのハウスダストは、アトピー性皮膚炎の原因になり、痒みを引き起こす。空気が乾燥してくると肌も乾燥してカサカサし、肌のバリア機能が低下する。バリア機能が落ちているところにほこりやダニの死骸、フンがつくと刺激になり、痒くなって、さらに肌を傷つけてしまう悪循環に。

事前の対策として、肌が直接触れる寝具はダニ対策が重要となる。天日⼲しだけではダニは死滅せず、死骸やフンも落ちないため、必ず洗濯や掃除機をかけるよう、横山先生は勧めている。また、ダニの増殖を抑える市販のダニ捕りシートなどを活用することもできる。

炎症がおさまっているときも油断せず毎日のスキンケアをしっかりして予防することが大切。とくに熱い湯は皮脂を奪い乾燥の原因になるので、ぬるま湯で肌を湿らし、洗浄の際はよく泡⽴ててやさしく洗うことが大切。洗浄後は保湿剤でしっかりうるおいを補給し、外出の前後など皮膚の乾燥が気になるときに1日数回塗ることが推奨されている。

「小児喘息」の70~90%はダニを原因アレルゲンとするアトピー型

小児喘息は、気管⽀がせまくなることにより、喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒューすること)や咳、たん、呼吸困難を繰り返す病気で、「かぜ」「天気」「季節の変わり目」などで悪化することが特徴。

喘息患者の多くは、アレルギー体質でもあるという。発作の原因となるものにアレルゲンがあり、人によって異なるが、アレルゲンになりやすいものには、ハウスダスト(ほこり・ダニなど)・花粉・⾷品・動物の⽑などがあげられる。とくにほこりやダニなどのハウスダストは、気管⽀喘息のアレルゲンとなりやすい。

アトピー型(ダニ陽性)小児喘息では、多くは成人喘息への移行もしくは成人で再発症すると考えられるため、乳幼児期の家庭の環境が重要だという。横山先生はダニアレルギーを持つ子どもがいるため、寝室では寝具の手入れや湿度管理、リビングはカーペットを置かずにフローリングにしているそう。また、ぬいぐるみなどの布製品はなるべく置かないようにしているという。寝具まわりのダニ対策として、ダニの増殖を抑える市販のダニ捕りシートなども活用できる。

ダニ対策は"こまめな掃除洗濯"と"布製品を置かない"が重要

  • 出典:葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニックHP

アレルギー被害が増える時期のダニ対策として、布団は1週間に1度は天日⼲しを行い、その後ダニの死骸を除去するために掃除機をかけることが推奨される。布団乾燥機を使用後は必ず掃除機をかけることも大切。ほこりが浮遊しにくいようにベッドを使用し、下もしっかり掃除できるように、スペースがあるものを選ぶことができる。

床は絨毯よりもフローリングが望ましいという。掃除中は窓を開け、掃除機の吹き出し⼝は窓の外へ向けることが大切。

家具は布地はできるだけ避け、皮革やビニール製のものを選ぶことができる。ぬいぐるみや布地のクッション等は置かないことが望ましく、ある場合は、少なくとも1カ月に1回は洗濯することで対策できる。

カーテンは洗濯機で洗える薄手のものを選び、月に1回程度を目安に洗濯することが推奨されている。ブラインドカーテンにするのも効果的だという。