雇用の流動性が高い欧米企業を中心に、企業の「退職者」や「OB・OG」という意味合いで広まってきた「アルムナイ」。日本企業でも人材の流動性が高まっている昨今、アルムナイ人材の活用が広まりつつある。アルムナイとのつながりをつくる取り組みとして、マイナビは9月11日に「マイナビ50周年記念 アルムナイ・ビジネスマッチング&交流イベント"Reunion"」を都内で初開催。マイナビを退職したアルムナイや、アルムナイへの仕事依頼を検討している/アルムナイと交流を図りたい現マイナビ社員など、約100名が参加した。

  • caption

    「マイナビ50周年記念 アルムナイ・ビジネスマッチング&交流イベント"Reunion"」

ビジネスマッチングに特化した会場で、旧交をあたためる

雇用形態の変化、⼈⼿不⾜、多様化する働き方といった経営課題を解決する⼈材戦略として、日本企業でも注目されているアルムナイ。実際に従業員として働いた経験を持つことから、スムーズに業務へ復帰することが可能とされ、"出戻り社員"として採用する例やビジネスパートナーとして継続的な関係づくりを図る企業も増えているという。

マイナビでは2023年8月より「マイナビアルムナイコミュニティ」を運営しており、開始から1 年間で現在100人以上が同コミュニティに参加している。今後さらにコミュニティを発展させ、アルムナイとの新たなビジネス関係を生み出すことを目的に、今回のイベントが開催される運びとなった。

  • caption

アルムナイとの関わりをつくり、その場で仕事の依頼や商談ができる対面交流イベント・ビジネスマッチングイベントとして、今回初めて公式に実施された本イベント。

以前携わっていた業務に関連した仕事を見つけられる出身事業部別エリアを用意するなど、ビジネスマッチングに特化したコンセプトと会場レイアウトが特徴となっていた。

マイナビからアルムナイに対して依頼したい仕事を紹介する「仕事募集プレゼンエリア」や、アルムナイが現在手がける事業サービスについてプレゼンする「アルムナイ講演」のエリアを会場に設置。現マイナビ社員とアルムナイが1on1 でビジネスに関する話し合いができる「商談エリア」、軽食を食べながら自由に雑談を楽しめる「同窓会エリア」など、それぞれの目的・テーマごとにエリアが設けられた。

  • caption

また、コミュニケーションの助けとなるよう、参加者たちは職種別ネックストラップを使用。司会進行などイベントの運営は有志のアルムナイで行われていたことも本イベントの特徴的な点だったようだ。

マイナビ50周年記念事業プロジェクトリーダーでマイナビ人事部の粟井俊介氏は、主催者を代表し、「マイナビでは昨年50周年を迎えたことを機に、アルムナイに関する取り組みを企画してきました」と挨拶。

  • caption

    マイナビ50周年記念事業プロジェクトリーダーでマイナビ人事部の粟井俊介氏

「今日は久しぶりに顔を合わせる同士で懐かしい思い出話に花を咲かせながら、新たなビジネスマッチングの可能性を探る場としていただきたいと思います」と語り、参加者たちを前に50周年記念事業の中身や、マイナビが現在進めているさまざまな取り組みについても説明していた。

「マイナビは現在グループ会社が約30社、本体では20の事業を展開しており、各事業部を5つのセグメントに区分して成長戦略を描くセグメント経営に取り組んでいます。今期、グループ会社も合わせた営業利益は約370億円の見込みで、ここ数年は10%前後の成長を達成しているという状況です。ここにいらっしゃるアルムナイの皆様も我々の重要なステークホルダーと捉えており、アルムナイを巻き込んださまざまな取り組みを進めていきたいと考えています」

約2時間にわたり終始盛り上がりを見せた本イベント。ビジネスパートナーとして未来志向の再会のきっかけや、新しいビジネスを創出する場となったようだ。