LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は9月11日、「都県境の家賃が安い駅ランキング」を発表した。抽出期間は2023年8月~2024年7月。東京都と隣接する神奈川県、埼玉県、千葉県の各路線のおける都県境の駅ごとの単身向け賃貸物件の家賃相場を比較し、差額の大きい順にランキング化した。

東京都-神奈川県 1位は「川崎」、都内駅との差額は2.3万円

  • 東京都-神奈川県 路線における都県境の家賃が安い駅ランキング

東京都-神奈川県編の1位はJR東海道線「川崎」(家賃相場86,000円)となった。JR東海道線の都県境は、神奈川県川崎市中原区「川崎」と東京都港区「品川」(同109,000円)で、家賃相場の差額は23,000円。2駅の間隔は11分だが年間の家賃の差は27.6万円にもなり、生活コストの面でメリットが大きい。また、川崎-品川間には京浜東北・根岸線も通っている。京浜東北・根岸線の都県境は「川崎」と東京都大田区「蒲田」(同95,000円)で、家賃相場の差額は「川崎」が9,000円安かった。

2位は湘南新宿ライン「武蔵小杉」(同88,000円)となった。湘南新宿ラインの都県境は、神奈川県中原区「武蔵小杉」と東京都品川区「大崎」(同105,000円)で、家賃相場の差額は17,000円。湘南新宿ラインのほか、JR埼京線やJR横須賀線など複数路線が利用できる利便性の高い駅。加えて周辺には単身向けやファミリー向けのタワーマンションが多いことから、ショッピングセンターなども充実し生活利便性も高い街といえる。

3位はJR横浜線「古淵」(同58,000円)となった。JR横浜線の都県境は、神奈川県相模原市南区「古淵」と東京都町田市「町田」(同72,000円)で、家賃相場の差額は14,000円。「古淵」はスーパーやホームセンターなど、日常の買い物に困ることはない街。「古淵」から電車で約8分の「町田」はJR横浜線のほかに小田急小田原線も利用でき、駅周辺にはデパートや飲食店などが揃う生活利便性が高い街。普段の買い物は「古淵」周辺で、またお休みの日には「町田」へ出掛けるなどメリハリのある暮らしができそう。

ランキングでは8駅が神奈川県の駅であることから、東京都-神奈川県の都県境では、神奈川県内の"ほぼ都内駅"のほうが安いと言えそうだ。

東京都-埼玉県 1位は「戸田公園」、都内駅との差額は1.6万円

  • 東京都-埼玉県 路線における都県境の家賃が安い駅ランキング

東京都-埼玉県編の1位はJR埼京線「戸田公園」(家賃相場69,000円)となった。JR埼京線の都県境は、埼玉県戸田市「戸田公園」と東京都北区「浮間舟渡」(同85,000円)で、家賃相場の差額は16,000円。荒川を挟んだ2駅の間隔はわずか3分、"ほぼ東京"と言える駅の1つ。また、「戸田公園」はJR埼京線の利用で「池袋」「新宿」「渋谷」などの主要ターミナル駅まで約30分でアクセスが可能な上、家賃を抑えられ生活コストの面でメリットが大きい。

2位はJR東北本線、JR高崎線、湘南新宿ライン「浦和」(同77,000円)となった。これらの沿線における都県境は、埼玉県さいたま市浦和区「浦和」と東京都北区「赤羽」(同88,000円)で、家賃相場の差額は11,000円。「浦和」は埼玉県内でも有数の規模を誇る駅の1つで、駅周辺は商業施設や飲食店も充実し、日常生活に必要なものが揃っている。また、古くから文教地区として知られ、現在も教育施設が充実している。

3位は東京メトロ有楽町線、東京メトロ副都心線、東武東上線「和光市」(同70,000円)となった。この東京メトロ2線の都県境は、埼玉県内和光市「和光市」と東京都練馬区「地下鉄成増」(同80,000円)、東武東上線の都県境は、「和光市」と東京都練馬区「成増」(同80,000円)で、いずれも家賃相場の差額は10,000円。

ランキングをみると7駅すべてが埼玉県の駅であることから東京都-埼玉県の都県境では、埼玉県の"ほぼ都内駅"のほうが安いと言えそうだ。

東京都-千葉県 1位は「市川」、都内駅との差額は0.4万円

  • 東京都-千葉県 路線における都県境の家賃が安い駅ランキング

東京都-千葉県編の1位はJR総武本線「市川」(家賃相場73,000円)となった。JR総武本線の都県境は、千葉県市川市「市川」と東京都江戸川区「新小岩」(同73,000円)で、家賃相場の差額は4,500円。江戸川を挟んだ2駅の間隔は5分、「市川」は"ほぼ東京"と言える駅の1つ。また、「市川」は、総武線(中央・総武緩行線)も利用でき、東京方面と新宿方面へダイレクトにアクセスできる。駅周辺にはスーパーや商業施設があり、毎日の買い物に困ることはない。

2位はJR常磐線「松戸」(同66,000円)となった。JR常磐線の都県境は、千葉県松戸市「松戸」と東京都葛飾区「金町」(同70,000円)で、家賃相場の差額は4,000円。「松戸」は上野や東京方面まで約20~30分でアクセス可能。駅周辺には多数の商業施設やスーパーがあり、ファッションや生活用品など幅広い買い物にも適している。また公園や緑地も多く、特に江戸川沿いは散歩やジョギングに最適。

3位は、JR総武線「小岩」(同72,000円)と京成本線「江戸川」(同69,000円)と東京都江戸川区にある2駅がランクインした。JR総武線(中央・総武緩行線)の都県境は千葉県市川市「市川」と東京都江戸川区「小岩」、京成本線の都県境は千葉県市川市「国府台」(同70,000円)と東京都江戸川区「江戸川」で、家賃相場の差額は1,000円となり、共に東京都内の駅が3位にランクインした。

千葉県に隣接する葛飾区、江戸川区、足立区は都内でも家賃相場が抑えられている傾向にある。ランキングでも"ほぼ都内駅"と"ギリ都内駅"が同数であることから東京都-千葉県の都県境は、都内や千葉県に限らずエリアや路線によって家賃相場が安くなることが分かった。