災害で“車中泊避難”をすることになったら…「車に常備」しておくべきアイテムは?専門家が解説
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。8月30日(金)放送のテーマは、「車に備えるべき防災グッズ」について。All About「防災」ガイドの和田隆昌(わだ・たかまさ)さんに、車における備蓄、常備しておくべき防災グッズについて伺いました。

※写真はイメージです

◆車での備蓄で重視するポイントは?

地震・台風・大雨など、昨今増えている自然災害。今回は“車に常備しておきたい防災グッズ”を紹介します。

車は、室内スペースやトランクの大きさで収納空間が限られます。家庭における備蓄とは異なり、移動が可能なので避難所か避難場所に辿り着くまでの時間を無事に過ごせることがポイントになります。そのため、和田さんは「自宅における備蓄のように3日分の備え(飲食物含む)までは必要ないと思います」と考えを述べます。

避難する場合は、給油が困難であることが予想されるため、ガソリンが常に満タン近くまで入っていることも重要です。車内で過ごす際はバッテリーを取ることも可能になりますし、車内で暑さをしのいだり、暖をとるためにもエアコンは必需品です。もしものことを想定して、ガソリン量は普段から気を配りましょう。

◆車に載せておきたい“防災グッズ”

車に載せておくべき物で、まず重要なのは“水”です。2リットルのペットボトル1本、500ミリリットルの小さいボトルも2本ほど用意しましょう。加えて、配給が手に入るまであると助かる栄養補助食品やお菓子なども備えておきましょう。

災害時は通信手段が大切になるので、スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーも必要になります。車のシガーソケットから充電できるコネクタも用意しておきましょう。簡易トイレも、渋滞や避難所にたどり着けない場合に必要になります。

災害時には“避難所に入れない”などの理由で、車中泊避難というケースも考えられます。そのような場合に備えて、まず用意しておくものは車載用の“湯沸かし器”です。沸かした水は食事にも使えますし、体を拭くのにも使えます。

そのほか、毛布やクッションなどがあると車中泊での負担を軽減できますし、大容量電源があれば、車のバッテリーを消耗せずに済みます。さらに、給水用のウォータージャグは、避難所に入れなかったり、避難所の環境が悪い場合に有効です。家族に赤ちゃんやお年寄りがいる場合は、おむつや常備薬も準備しておきましょう。

そして、車に常備した物はときどきチェックをおこない、水や簡易食は定期的に入れ替えましょう。夏と冬では外の環境が変わるので、用意しておくべきものが違います。3月末と9月末を目安に入れ替えるのが適切です。

◆車内で長時間過ごす際の注意点

車中泊避難をすることになった場合、“エコノミー症候群”になる可能性があります。エコノミー症候群とは、食事や水分を十分に取らない状態で車などの狭い座席に座ったまま、長時間足を動かさない状態でいると、血行不良が起こって血液が固まりやすくなる病気です。

エコノミー症候群にならないために、和田さんは「座った体勢で寝込んでしまったり、同じ体勢で長時間過ごさないようにする必要があります。運動やストレッチなどを定期的におこない、水分も十分に摂取しましょう」と呼びかけます。また、夜間はなるべくエンジンをかけたままにしないようにしましょう。これは、排気が車内に流れ込んで中毒を起こす可能性を防ぐためです。

この機会に、防災グッズを車に載せていない方は常備して、すでに載せている方は、現在の状態を再確認しておきましょう。

<番組概要>

番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全

放送日時:毎週金曜 7:20~7:27

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/