「IVE THE 1ST WORLD TOUR 'SHOW WHAT I HAVE' IN JAPAN」東京ドーム公演の様子。(撮影:田中聖太郎写真事務所)

IVEが9月4、5日に東京・東京ドーム公演「IVE THE 1ST WORLD TOUR 'SHOW WHAT I HAVE' IN JAPAN」を開催。この記事では5日公演の模様をレポートする。

東京ドーム公演は、昨年10月に始まった初のワールドツアー「IVE THE 1ST WORLD TOUR ‘SHOW WHAT I HAVE’」を締めくくるコンサート。2日間のチケットは一般発売後即完し、会場には2日間で約9万5800人のDIVE(IVEファンの呼称)が集まった。

早々に放たれた代名詞

開演時刻になると代表曲の1つ「해야(HEYA)」が爆音で流れ出し、会場の期待感が高まっていく。生バンドによるスケール感のある演奏が熱狂を呼び起こす中、ステージ前で花火が上がったのを合図に純白の衣装をまとって登場した6人は、まるでランウェイを歩くかのように堂々とした足運びでセンターステージへと歩みを進め、1stアルバム「I've IVE」のリード曲「I AM」でライブをスタートさせた。骨太なロックアレンジが施された「ROYAL」では、重厚なバンドサウンドを切り裂くようにユジンのハイトーンボイスが会場いっぱいに響き渡る。イントロで大歓声があがったのはデビュー曲「ELEVEN」のステージ。オリエンタルなサウンドをちりばめトリッキーに展開していく、IVEの代名詞とも言える楽曲に、早くも会場の盛り上がりはピークを迎えた。

ピンクのエアリーな衣装に着替え、フラワーガーデンのような装飾が施されたステージに腰掛けた6人は「Shine With Me」で圧倒的な歌唱力を見せつける。曲中、ぎっしりと埋め尽くされた客席でペンライトがきらめく光景にリズは涙。直後のMCでイソが「リズちゃんすごく感動しているようですね」とリズの顔を覗き込むと、ウォニョンが「大丈夫!」と、瞳をうるませるリズを励ますひと幕もあった。その後、IVEは「戦場のメリークリスマス」のメロディをサンプリングしたエレクトロチューン「SUPERNOVA LOVE」を披露。のちのMCによると、この曲はフランスの音楽プロデューサー、デヴィッド・ゲッタが手がけた未発表曲で、リリースも予定されているという。

「接吻」からラプンツェルまで

ガウルによるアリアナ・グランデ「7rings」のカバーで始まったソロとユニットのコーナー。次に現れたレイはセーラー服に身を包んで幼少期から好きな曲だというOriginal Love「接吻」でスイートな歌声を響かせ、ガウルと2人でおそろいのアディダスのトラックジャケットを着てSpice Girls「Wannabe」をカバーした。続くウォニョンとリズのユニットはディズニー映画「塔の上のラプンツェル」の劇中歌「When Will My Life Begin?」を、映画を思わせる世界観の映像をバックに届け、リズのグランドピアノの伴奏でウォニョンが歌うというぜいたくなステージを披露。レザー調の衣装を着たユジンとイソはLittle Mix「Woman Like Me」をクールにパフォーマンスし、鋭い眼光を放ちながら持ち前のダンススキルを存分に発揮した。

黒と赤のパンキッシュな装いになった6人は布やロッキングチェアといった小物を使いながら「섬찟(Hypnosis)」を妖艶に披露。続く「Accendio」では、IVEの歯切れのいい歌唱とエネルギッシュなパフォーマンスに、DIVEが送るコールもグングンと熱を帯びていき、このライブのハイライトを飾った。

迫力のあるバンドアレンジに乗せて「LOVE DIVE」と「Kitsch」を歌ったIVEは達成感に満ちた表情を見せ、花火が吹き上がる中で「After LIKE」を爽快感たっぷりにパフォーマンス。軽快なビートに乗って6人が「NOT YOUR GIRL」を歌うと、DIVEもステージにシンガロングを送り、虹色に輝くペンライトの光もあいまって会場はハッピーなムードに包まれた。そして最後にIVEは「해야(HEYA)」で爆発的に会場を盛り上げ、ステージを去った。

最後のMCは涙、涙、涙

アンコールのMCでリズは「DIVEの皆さんが私たちのところに来てくれたことは幸運だと思います。私たちの初めてのワールドツアーをこんなにも素敵に締めくくってくださってありがとうございます」とコメント。イソは「愛するDIVEの皆さんと一緒に過ごせてとても幸せでした。4万5000人の方が目の前にいることがとても不思議で、皆さんすべてが私たちのファンであるということが信じられません」と涙をこぼす。

リーダーのユジンは「歌手として公演を行うことがどういうことなのかはっきりわからせてくれたツアーだったと思います。個人的にもいろんなことが学べました。以前はすべてのことが自分自身にかかっていて、うまくいかないときは自分が一生懸命じゃないからだと思っていました。努力をしていたときが長かったなと思います」と切実な思いを明かす。メンバー、スタッフ、そしてDIVEへ感謝し、「大好きな人たちと一緒に。私たちの曲を大好きでいてくれる人たちの前に立てている。それが続くなら私は生涯幸せでいられると確信できたツアーでした」と胸を張った。

日本語を熱心に勉強しているウォニョンは日本語で思いを伝える。「好きな人たちと一緒にいたら時間が早いと思うので、IVEとDIVEといる時間がとても早く感じて悲しいです。この1年くらいで私の心にいろんなことがあって、成長する機会になりました。本当に感動しています。私の永遠の味方になってください。約束! わたしも皆さんの永遠の味方です」と目に涙をいっぱい浮かべながら話した。ガウルも涙ながらに「がんばっていい姿を皆さんにお見せしたいのですが、なかなかうまくいかず足踏み状態なんじゃないか、努力をしてもダメなんじゃないかと思うこともありました。でもこのツアーを通じてDIVEの皆さんは、あるがままの私を愛してくれるということがわかりました。そしてメンバーのみんなもこの1年間、ツアーを一緒に回っていい公演のために努力をして、いつもそばにいてくれて本当にありがとう」とこのツアーで得た気付きと、感謝の思いを述べた。

夢が叶ったよ

唯一の日本人メンバーであるレイは、東京ドーム公演1日目の終演後に書いたという手紙を読み上げる。「大きな夢だった東京ドーム。子供の頃にお母さんの手を引っ張って4階の一番後ろの席で観たときに『あんな素敵な舞台で輝ける人になりたい』と思った私に言いたいです。『夢が叶ったよ』って。こんなにも早く自分の中の大きな夢が叶えられたのは、私の大切なメンバーたちとDIVE、私たちを愛してくださるすべての方々のおかげです。大好きなメンバーたちとワールドツアー最後のステージに健康に、元気で立つことができて心から安心しています。これからもIVEは変わらずに走り続けます」と長年の夢を叶えた喜びと大切な人たちへの感謝の思いを述べたレイ。「DIVE、最後まで幸せいっぱいの夢のような2日間をプレゼントしてくれてありがとう。これからもよろしくね。レイより」と最後まで手紙を読み上げ、万感の表情を浮かべた。

そしてIVEは最後の楽曲「All Night」を何度も歌い、キラキラと輝く一面のペンライトとDIVEの顔を目に焼き付けると、名残り惜しそうにステージセットの向こう側に消えた。

セットリスト

IVE「IVE THE 1ST WORLD TOUR 'SHOW WHAT I HAVE' IN JAPAN」2024年9月5日 東京ドーム

01. I AM
02. ROYAL(Rock ver)
03. Blue Blood
04. Blue Heart
05. Holy Moly
06. ELEVEN
07. Shine With Me
08. Supernova Love
09. CRUSH
10. 7rings+接吻+Wannabe
11.When Will My Life Begin?
12. Woman Like Me
13. 섬찟(Hypnosis)
14. Accendio
15. LOVE DIVE
16. Interlude+Kitsch
17. After LIKE
18. NOT YOUR GIRL
19. 해야(HEYA)
<アンコール>
20. WOW
21. Mine
22. Will
23. All Night