兵庫県へ行き、仲良し若者3人にそうめんについて聞くと「揖保乃糸しか食べない。」と言い切る。「特級とかひねとか種類もいっぱいあります。」え?種類があるの?
おっちゃんに、そうめんはどれも同じでしょうと聞くと「全然違う。それ甘い。」とちょい叱られた。「木箱で買うねん。120束くらい入っとうかな。」ひゃ、120?!
4人連れレディーズが言うには「黒帯がいちばんいい。」黒帯?「そうめん語っていいのは黒帯から。」と、そうめんに無知なスタッフを見下す。
揖保乃糸は兵庫県西部の播州地方で作られる。播磨の小京都、たつの市を歩くと、揖保乃糸を看板に掲げるメーカーが、あった!だがこっちにも!あっちにも!
姫路市のスーパーに行くと、揖保乃糸が山のように積まれている。
あるお宅で揖保乃糸を食べる様子を取材。するとそうめんが氷水に浸かってではなく、そうめんの上に氷が乗った状態で出てきた。
揖保乃糸のおいしさは、コシの強さ。「他のそうめんは、じゅるい!」じゅるい、って初耳の単語だけど、コシがなくてジュルジュルしてることを言うんだろう。わかるなあ。
少年に揖保乃糸はどこがおいしいか聞くと、「醤油がうめえ!」いや、コシでしょ?ところが、めんつゆも揖保乃糸専用のものがあり、出汁も効いておいしいらしい。
ここで先ほどの4人連れレディーズに戻ると「揖保乃糸の帯は赤、黒、紫などがあって階級が違う、おいしさも違う」と教えてくれた。
揖保乃糸は7種類あり、小麦が違って麺が細くなっていくそうだ。スーパーでよく見る赤帯は、上級品で下から2番目。紫の縒(より)つむぎは上から3番目、黒帯が2番目。値段が違い、上ほど高価格だ。
それにしても大量の揖保乃糸を買う播州の人々は、余ったそうめんどうするの?たつの市のあるお宅では、そうめんをフライパンで焼いてチーズをかけ、そうめんガレットを作っていた。これは子どもたちも大好きだね!またそうめんを揚げ焼きにして具入りのあんをかければ、皿うどんならぬ皿そうめんができた。いろんな食べ方があるもんだ。
播州では室町時代からそうめんを作っていた。真ん中を流れる揖保川から揖保乃糸と名付けられ、揖保川の軟水と、地元の小麦に赤穂の塩で独特なそうめん作りが育ってきたのだ。
揖保乃糸で育ってきた播州の皆さんは、7種類ある揖保乃糸を食べれば、どれがどの等級か当ててしまった。さすが!我々も揖保乃糸の7種類を食べて、見分けられるようになりたいね!