日本システム技術は、独自に保有しているレセプトデータを中心としたメディカルビッグデータ「REZULT」を基に、熱中症について独自調査結果を8月19日に発表した。同調査はASTの保有するレセプトデータ(約900万人2024年8月時点)の内、2020年1月～2023年12月診療、ICD10「T678 熱及び光線のその他の作用」(疑い病名を除く)を対象に行われた。

  • 月別患者数の推移

2023年5月～10月の月別熱中症患者数及び昨年からの増加率を算出したところ、夏にかけて患者数が増加し、7月と8月にピークを迎えたことが分かった。

昨年と比較すると、熱中症の増加率が100%を超えている月が多く、特に8月と9月の増加率が顕著という。

このような増加傾向は、気候変動や都市化の進行により、気温が上昇していることが一因と考えられるという。気象庁の公開しているデータによると、2023年の東京の平均気温は、前年同月と比べて7月は1.3℃、8月は1.7℃上昇している。こういった気温の上昇も、熱中症の患者増加の一因と同社は考える。

  • 年代別患者数

次に年代別熱中症患者数を算出したところ、患者数が最も多いのは10代だった。

次いで患者数が多いのは50代。50代はグランド・ジェネレーション(※仕事や趣味でアクティブに活動するシニア層)の入り口である一方で、体力が徐々に低下し始める時期でもあるという。

  • 過去発症割合に関する調査

2023年の患者のうち、過去に熱中症を発症したことのある患者の規模と、その内訳について調査したところ、2023年の熱中症患者のうち、過去(2020年～2022年)にも熱中症を発症したことのある患者の割合は、約12%だった。

これを年代別で見ると、年代が上がるにつれ高くなっていき、50代が最も高くなる結果となった。これは、年齢を重ねるにつれて体力の低下や高血圧などの基礎疾患を持つ割合が増え、熱中症の発症リスクが高まるためと同社は考える。