ニューカッスルでは副キャプテンを務めるトリッピアー [写真]=Getty Images

 ニューカッスルに所属するイングランド代表DFキーラン・トリッピアーが、今夏の移籍市場でチームを離れるかもしれない。イギリスメディア『スカイスポーツ』や『アスレティック』などのメディアが22日に報じた。

 現在33歳のトリッピアーは、かつてトッテナムやアトレティコ・マドリードで活躍し、2022年1月にニューカッスルへ完全移籍で加わった。加入直後はケガに苦しめられたものの、2022-23シーズンからは不動の右サイドバックに定着。同シーズンはクラブにとって21シーズンぶりとなるチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得にも貢献した。イングランド人DFジャマル・ラッセルズの不在時にはキャプテンマークを託されており、ここまで公式戦通算92試合出場4ゴール21アシストを記録するなど、名実ともに中心選手として活躍を続けている。

 今夏にはイングランド代表の一員としてEURO2024を戦い、決勝を除く6試合にスタメン出場。クラブでも代表でも順風満帆かと思われたが、17日に行われた今季のプレミアリーグ開幕節のサウサンプトン戦(○1-0)ではまさかのベンチスタートに。U-21イングランド代表DFティノ・リヴラメントが右サイドバックで先発の座を射止め、トリッピアーに出番はなかった。

 今回の報道によると、トリッピアーは安定した出場機会を求め、今夏の移籍を模索しているようだ。開幕してまだ1試合しか消化していないため時期尚早ではあるが、クラブは33歳のトリッピアーではなく、21歳のリヴラメントを長期的な戦力とみなしているという。“世代交代”のタイミングに差し掛かっていると言えるのかもしれない。

 トリッピアーの元には、今年1月にはバイエルンから1300万ポンド(約25億円)でのオファーが届いたものの、当時はニューカッスルがこれを拒否。だが、リヴラメントの台頭により状況は変化。トリッピアーとニューカッスルの現行契約は2025年6月30日までで、契約の最終年度に入っていることから、適切な金額でのオファーが届いた場合、クラブは移籍金が発生する今夏の移籍を容認する可能性が高いとのことだ。

 今夏にはサウジアラビア方面からのオファーが報じられたほか、ウェストハムやエヴァートンなどイングランド国内のクラブからの関心も取り沙汰されている。トリッピアーの意思が固まったことで、他のクラブが獲得に名乗りを上げる可能性も否定できない。

 果たして、トリッピアーは今夏限りでニューカッスルでのキャリアの幕を閉じ、新たなスタートを切ることとなるのだろうか。今後の動向に注目だ。