――寛平さんが、1970年に新喜劇に研究生入りしてから54年になります。時代を経て感じる変化を教えてください。

僕が入った時のテンポは、振って振って振ってドンっと落とすって感じでやってたんですけど、今はもう振ってドン、振ってドン、振ってドンってテンポがどんどん速なってるんですよ。今の若い子はそういう感じだから、それについてあかんなって思います。

――GMに就任されて2年になりますが、宣言されていたスター発掘への手応えはいかがですか?

いっぱい種があるんですね。だから種を放っとかずに、ちゃんと水を与え、肥料も与え、ほんでまた芽が出かけたら、水もやり、違う感じでまた肥料を与えて、どーんと、咲かせなあかん。その種を見つけて、うまいこと育てなあかんなと思ってやってるんですよね。今は一生懸命、水と肥やしをやってます。もうすぐ育っていくと思いますよ。

――今後の目標は、いかがでしょうか。

レイチェルなど若手をずっと育てていって、あのへんが座長になれるくらいにしていきたいなって思います。まだまだ社長が劇場を作っていくので、ちゃんとした座長を作らなあかん。あと2人か3人、座長を作りたいんですよ。でも、これが大変なんです。自信もって面白い芝居ができるっていうのを作らなあかん。そのへんがあと2~3年でできたら、もう僕も引退やな。自分の中でもっとやりたいことがあるから。

――その「もっとやりたいこと」とは?

まあまあそれは……もっと大変なこと(笑)

――とても気になります(笑)。8月17~18日には韓国公演も控えていますね。

普通の吉本新喜劇のコメディをやるんですけど、字幕がどんどん出るから、きちっとセリフは覚えないとなぁ。ニュアンスがなかなか難しい。そこで、韓国のお笑いに一番詳しい次長課長の河本(準一)に入ってもらったんです。

河本は「ものすごい笑うよ。ものすごいウケるよ」って言うてくれたんで、「どんな感じでウケるの?」って聞いたら、例えば棚、ちょっと高いところにあるから、「ちょっととって~」って背が低いからお尻をちょっと押してもらう。そのときにオナラがプーっと出ただけで、もうお客さん転げ回って笑うって。それを聞いたときに、思い切ってできるなぁって思いました。