お金持ちもユニクロをよく着る、というのは本当なのでしょうか。理由のひとつに、着心地が良くなったことなどが挙げられますが、実はお金持ち特有の悩みを解決してくれるというのです。富裕層がユニクロを重宝する理由について、『お金持ちは合理的』(すばる舎)の著者であり、多くの富裕層を間近で見てきたファイナンシャルプランナーの立川健悟さんに聞いてみました。
◆ユニクロが解決してくれる?お金持ちの悩みとは
――お金持ちの人はブランド服を身に着けている印象がありますが、ユニクロのような庶民的なブランドも着ているのでしょうか?
立川さん:めちゃくちゃ着ていますね(笑)。昔は安物のイメージが強かったユニクロですが、今は素材の質も上がっていて、「肌触りがいいからよく着ているよ」という方もたくさんいらっしゃいます。あと、周りからお金持ちに見られたくない(から着ている)という方もいますね。ユニクロに限らず、庶民的なブランドを着用して散歩する人は珍しくないです。もちろん、人前に出るときはきちんとした格好をされていますよ。
――お金持ちに見られたくないというのは、なぜなのでしょうか?
立川さん:お金を持っていることが周りに知られると、いろいろな面倒ごとがあるようですね。やっかみを買うこともあれば、お金を貸してほしいと言われたりすることもあります。単純に、ひけらかしたくない、(お金を持っていることを)知られたくないという考えが強いと思いますが、トラブルに巻き込まれないようにするためでもあります。
ただ、庶民的なブランドの服も自分の身体のサイズに合ったものを、カッコよく着こなしているため、一見(ユニクロだと)分からないこともあります。「素敵なお洋服ですね、どこのブランドですか?」と声をかけたところ、「ユニクロだよ」と言われ、恥ずかしい思いをしたことは何度かあります(笑)。
◆ユニクロはブランドものとの相性も抜群!?
――逆に、どういったときにきちんとした服を着るのでしょうか?
立川さん:例えば、かしこまったパーティーじゃなくても、落ち着いて話せるレストランでの食事会などは、きちっとした身なりでいらっしゃいますね。ただ、見るからに有名ブランドを着ているという方ばかりではありません。以前、食事をご一緒して別れた後に「あの胸のマーク、どこのブランドのものだったんだろう?」と気になり調べてみると、日本には銀座の1店舗しかないブランドだった、ということもありました。
着こなしがおしゃれな方は服の組み合わせが上手なので、トップスはユニクロでボトムスはブランドもの、というなかなかまねのできない着こなしをされる方もいますね。きちんとした装いの中に、一点だけユニクロが混じっていてもおかしくない着こなしは、本当に素敵です。ブランドものは柄が印象的だったり、色合いが強かったりするため、そこにシンプルなユニクロが合わせやすいという理由もあるようです。
立川 健悟(ファイナンシャルプランナー)
1980年生まれ。30歳のとき不動産テック企業に転職し、営業パーソンとしての実績が認められ主要株主の一人として執行役員に就任。その後、会社の株式上場に伴い、金融資産が3億円を超え、富裕層の仲間入りを果たす。多くの富裕層に接した経験をもとに「人生を豊かに生きる人を増やしたい」との想いから、ファイナンシャルプランナーに転身。著書に、『お金持ちは合理的』(すばる舎)、『お金が増えるのは、どっち?』(三笠書房)。
取材・文/七海 碧
不動産・金融に特化しているフリーライター。「本質を捉えて分かりやすく伝える」をモットーに、初心者でもすぐに理解できるシンプルな言葉で説明することが得意。ファイナンシャルプランナー、資産運用検定資格を保有。
文=All About 編集部