トウモロコシと相性のいい野菜5選
まずは、トウモロコシと一緒に植えると良く育つ、相性のいい野菜の種類をご紹介します。
つるありインゲン
トウモロコシとインゲンマメの組み合わせは、アメリカの先住民が行っていた栽培方法で、相性の良さは折り紙付き。トウモロコシは草丈が1m以上にもなり、収穫後の茎葉がつるありインゲンの支柱代わりに使えるため作業効率もよくなります。それだけではなく、トウモロコシに集まるアワノメイガとインゲンに集まるフキノメイガは、それぞれ混植することでその被害が減るとされています。
エダマメ
トウモロコシとエダマメは一緒に植えるとお互いの生育を促します。エダマメの根っこには根粒菌という菌が共生し、空気中の窒素を取り込み、土を肥沃にする働きがあるため、エダマメとトウモロコシの両方がよく成長します。エダマメは多少日当たりが悪くても育つので、草丈の高いトウモロコシとでも十分に育つことができます。多肥性のトウモロコシの余分な養分を吸い上げることで、エダマメのつるボケを防止する効果も期待できます。
ミツバ
トウモロコシはひげ根ですが、ミツバは直根なので競合しにくい相性のいい組み合わせです。ミツバは反日陰を好むため強い光が苦手ですが、草丈の高いトウモロコシが日よけになるため、夏場でも育つことができます。トウモロコシの日陰になる位置に種をまきましょう。
サトイモ
トウモロコシとサトイモの相性は抜群で、お互いの生育を促す組み合わせです。夏場の強い光が苦手な里芋は、トウモロコシの日陰に植えることで生育が良くなります。一方、サトイモの根につく共生菌が作り出す窒素分によって、トウモロコシの生育も良くなります。トウモロコシの苗はサトイモの影になる位置に植えるとよいでしょう。
カボチャ
カボチャとトウモロコシのコンパニオンプランツは、カボチャがトウモロコシの生育を促す効果があります。カボチャのツルがマルチの代わりになり、ツルが這うことで雑草を防ぎます、また、土を適度に保湿する役割も果たします。
トウモロコシと相性のいいコンパニオンプランツ 野菜・ハーブ
ここでは、トウモロコシと相性のいいコンパニオンプランツを野菜、ハーブそれぞれを一覧表でご紹介します。
トウモロコシと相性のいいコンパニオンプランツ一覧表 野菜
野菜名 | 期待できる効果 |
ムクナ | 生育が良くなる
土壌病害を抑制 |
エダマメ | 害虫の退避効果
土壌病害を抑制 |
サトイモ | 生育が良くなる |
ミツバ | 生育が良くなる |
エンドウマメ | 生育が良くなる |
アズキ | 生育が良くなる |
ジャガイモ | 生育が良くなる |
キュウリ | 生育が良くなる |
メロン | 生育が良くなる |
マクマウリ | 生育が良くなる |
カボチャ | 生育が良くなる |
スイカ | 生育が良くなる |
トウモロコシと相性のいいコンパニオンプランツ一覧表 ハーブ
ハーブ名 | 期待できる効果 |
バジル | 害虫の退避効果 |
チャイブ | 害虫の退避効果 |
デイル | 生育が良くなる
害虫の退避効果 |
トウモロコシと相性の悪いコンパニオンプランツ
ここでは、トウモロコシと一緒に植えると生育を妨害する、相性の悪い野菜を紹介します。
野菜名 | 懸念される症状 |
シシトウ | 生育が悪くなる |
ナス | 生育が悪くなる |
トマト | 生育が悪くなる |
ピーマン | 生育が悪くなる |
トウモロコシと相性の悪いコンパニオンプランツの理由
トウモロコシは多肥性の野菜です。そのため、肥料を必要とするナス科のナス・トマト・ピーマンと混植すると、養分の取り合いになってしまい生育が悪くなります。
トウモロコシの後作栽培に適した野菜・適さない野菜
ここでは、トウモロコシの耕作栽培に適した野菜と適さない野菜について一覧表でご紹介します。
後作の可否 | 野菜名 |
〇 | トマト |
〇 | インゲンマメ |
〇 | エンドウマメ |
〇 | ハクサイ |
〇 | ブロッコリー |
× | ニンジン |
× | ダイコン |
トウモロコシの後作に植えたい野菜
作物を同じ土壌で連作すると、連作障害により土壌や作物の以上、収穫量の減少を引き起こすことがあるので注意が必要ですが、トウモロコシは連作障害が出にくい特徴があります。トウモロコシはイネ科です。イネ科の後作にはマメ科の野菜をもってくるのがおすすめです。マメ科の中では、インゲンマメはエンドウマメがトウモロコシの後作栽培に適しています。マメ科の作物を植えることで、アワノメイガを寄せ付けないようにすることができます。
ハクサイやブロッコリーは、トウモロコシの後作に無理のない栽培スケジュールになっているためおすすめです。
トウモロコシの後作に植えない方がいい野菜
イネ科のトウモロコシにおいて後作しない方がいい野菜にはニンジンやダイコンが挙げられます。ニンジンやダイコンはネコブセンチュウの被害に遭いやすい野菜です。トウモトコシはネコブセンチュウを増やす特徴があるため、ニンジンとダイコンの後作には向いていません。ネコブセンチュウは太い根っこにさせない働きをするため、被害に遭うと太く育たなくなります。トウモロコシの後作にニンジンやダイコンを植えないように注意しましょう。
トウモロコシのコンパニオンプランツを選ぶポイント
トウモロコシのコンパニオンプランツを選ぶ際は、多肥性の野菜は避けましょう。成長に必要な水分と養分を奪い合ってしまうことになります。また、栽培時期の短い極早生、または早生品種を選ぶと、トウモロコシの収穫期間中に繰り返して栽培を行うことができます。
コンパニオンプランツを利用する際の注意点
コンパニオンプランツは上手く組み合わせることで、作物が互いに生育環境を整えたり、病害虫の被害を抑制したりと多くのメリットがあります。ただし、気をつけなければならない点もあるのでご紹介します。
注意点①農薬について
コンパニオンプランツの種類によっては害虫を遠ざけたり、病害を防ぐ効果が期待できます。しかし、完全に農薬が不要になるというわけではありません。状況によっては農薬を使用する場面があります。コンパニオンプランツは混植することで効果が期待されるため、野菜同士は蜜に植わっていることが想定されます。農薬には登録制度があり、野菜ごとに使用できる農薬が決まっているので、複数の野菜が混植されている場合には散布に注意が必要です。具体的には、散布対象の作物がいずれも使用登録されていることを確認した上で、使用回数・使用料ともに規定値を超えないように十分注意が必要です。
注意点②コンパニオンプランツの植え方について
コンパニオンプランツが十分にその効果を発揮するために重要なのが、作物同士の距離感です。遠すぎると期待した効果が得られない場合があり、逆に近すぎても過密状態となり、生育を妨げる可能性があります。そのため、どの野菜をコンパニオンプランツとするか決めた後、それぞれに合った植え付け方法を選ぶことが必要です。土壌病害を防ぐ野菜は、トウモロコシの近くに植えます。一方、メロンやスイカ、カボチャなど大きくなる作物はトウモロコシから離して植えると安心です。
注意点③コンパニオンプランツの効果について
効果的なコンパニオンプランツの組み合わせは、トウモロコシ栽培を成功させる上で知っておくべき情報です。しかし、いざ実践してみると成長の促進や、病害予防といった期待した効果が感じられない場合もあります。上手くいかなった場合は、何に問題があったのか、改善策を考え次に生かすことが大切。作物の栽培はトライ&エラーの連続です。実践と考察を重ね、よりよい栽培につなげていきましょう。
トウモロコシ栽培の基本を踏まえ、コンパニオンプランツの導入を
ここまで、トウモロコシのコンパニオンプランツとして相性のいい野菜、逆に適さない野菜などについて紹介してきました。トウモロコシを栽培している筆者も、肥料や水やりのタイミングなど試行錯誤を重ねています。病害が出てしまうと出荷が出来ず、廃棄となる悲しい経験もしています。トウモロコシ栽培の基本を忠実に踏まえた上で、コンパニオンプランツも導入することで、よりよい結果を得られることと思います。コンパニオンプランツをまだ実践したことがない方も、本記事を参考に挑戦していただけると幸いです!