JR東海は23日、アシストスーツを手がけるダイドー(本社 : 大阪府河内長野市)と共同で、鉄道設備の保守作業を行う作業員の身体的負担を軽減するアシストスーツを開発したと発表した。

  • JR東海とダイドーが共同開発した上腕アシストスーツ「TASK AR Type S+」

両社が共同開発した製品は、ダイドーの上腕アシストスーツ「TASK AR」をベースとした上で、鉄道設備の保守作業に関するJR東海のノウハウを機能に盛り込んだという。

鉄道設備の保守作業において、とくに電車線設備の保守作業は腕を上げ続けた状態で行う作業が多く、腕や肩に対する負担が大きい。このことを踏まえ、作業員の負担軽減と作業効率向上を目的に、「腕を上げる作業以外を阻害しない」「着用のわずらわしさをできる限り軽減する」の2点を主眼として改良した。上腕部をサポートして腕を任意の高さに保持するアシスト機能に加え、はしごの昇降や工具の交換時など、作業中に腕を下げる場合でも対応できるよう、必要なときだけアシストを作動させるスイッチを新たに設けた。

高所作業時も、作業員が装着する胴ベルト(安全帯)に容易に取り付けられる構造とし、アシストスーツをわざわざ装着する煩わしさを低減。アシスト機構を必要としない作業を行う際は、取外しできるようにしているとのこと。

  • アシストスーツを装着した作業の様子

JR東海は今後、電車線設備の保守作業でアシストスーツを用いるほか、駅の照明器具点検等でも実証試験を行い、作業員の身体的な負担をさらに軽減できるように検討を重ねるとしている。