ビジネスパーソンが“今読むべき本”を厳選し、要約してそのエッセンスを伝える「flier(フライヤー)」。最新のトレンドを学んだり、読みたい本を見つけたりするためのツールとして、累計117万人のユーザーに活用されています。

この記事では、flierを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、20代~30代のユーザーが今、リアルに読んでいる本とその傾向を紹介します。同世代のビジネスパーソンは今、どんな本を読んでいるのでしょうか? なぜその本が選ばれたのでしょうか? 気になった本があれば、ぜひチェックしてみてくださいね!

「忙しいから」だけじゃない、本が読めない根本的な理由がわかる本

6月は、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆、集英社)が2位以下を大きく引き離して堂々の1位。本書のタイトル同様の思いを抱えている、マイナビ世代の姿を反映した結果となりました。

ちょっとした時間ができたとき、スマホは見ても本を読まないのはなぜでしょうか? よく現代人の「活字離れ」が取りざたされますが、みんなネット記事は読んでいるはず。(今あなたもこの記事を読んでいますよね!)

ではネット記事と本は何が違うのでしょうか? 本書では「ノイズ(偶発性)」の存在を指摘します。ノイズとは、予期しない展開や自分に関係のない話題。読書で得る知識にはノイズがありますが、ピンポイントな「情報」を提供してくれるネット記事には存在しません。余裕なく働いている人にとって、ノイズは役に立たない邪魔なものともいえるでしょう。

本書では近代以降の日本における働き方を振り返りながら、「どうしたら本を読めるようになるか」を探っていきます。「本を読みたいと思っているのに読めない……」という方におすすめの一冊です。

幸せ基準の「タイパ」がわかる本

2位は『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(柿内尚文、飛鳥新社)がランクイン。

たとえばあなたが大のプリン好きで、たまたま入った喫茶店に美味しそうなプリンがあったとします。ですが、タイミングの悪いことに今はダイエット中で甘いものは控えている……。こんなときどうしますか?

本書では「時間のポートフォリオ」を使い、「どんな時間を過ごしたいか」を軸に行動を決めていきます。時間のポートフォリオは「幸福の時間」「投資の時間」「役割の時間」「浪費の時間」の4つの時間に分けられます。もし「幸福の時間」を選ぶなら「いまプリンを食べる」、ガマンしてダイエットを優先するなら未来の自分への「投資の時間」を選ぶことになります。

どちらが正解ということはなく、「自分はどう過ごしたいか」を明確にし、自分なりの時間のポートフォリオをつくっていくことが、人生の充実感を上げることつながるのです。 本書では、時間の選択力の上げ方や、すべての時間を「幸せの時間」に変える方法などが紹介されています。本書を読んで、「理想のタイパ」を目指してはいかがでしょうか?

毎日ヘトヘトな管理職を救うには?

3位は『罰ゲーム化する管理職』(小林祐児、集英社インターナショナル)。センセーショナルなタイトルに、思わずドキリとした人は多いのではないでしょうか。

2019年に発行された英国の疫学・公衆衛生専門誌によると、「日本の管理職は一般職よりも死亡率が高い」とのこと。(欧米では一般的にこの逆の結果が出るそうです。)

「一日中ミーティングで、自分の仕事は定時の後に片づける」「常に人手不足で連日残業」など、思いあたるマネジャー層は少なくないはず。このままでは誰も管理職になりたがらず、「後継者がいない」という危機的な状況になりかねません。

本書では豊富な調査データをもとに、日本の管理職の実情と課題、「罰ゲーム化」を修正する4つのアプローチを記しています。次世代のリーダー候補であるマイナビ世代とは、切っても切れない管理職問題。ぜひ本書を読み、「転ばぬ先の杖」にしてはいかがでしょうか。

話題の書から、ビジネスと人生のヒントを得よう

6月は、自身や仕事の課題と真剣に向き合うマイナビ世代の姿が見える結果となりました。 本の要約サービスflierには、他にも、ビジネススキルを磨きたいときや自分とじっくり向き合いたいときに役立つ書籍が多くそろっています。6月のランキングでは、『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』(小林弘幸、アスコム)、『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(有川真由美、PHP研究所)、『メンタル脳』(アンデシュ・ハンセン、マッツ・ヴェンブラード、久山葉子(訳)、新潮社)、『まっすぐ考える』(ダリウス・フォルー、桜田直美(訳)、サンマーク出版)、などがベスト10にランクインしました。

来月はどのような本が注目を集めるのか、楽しみにしていただければ幸いです。