パナソニックは6月18日、今夏のエアコン利用とエアコンの満足度についての調査結果を発表した。調査は2024年5月16日~5月23日/5月20日~5月26日、エアコンを所有している20~60代の男女552名(男性275名、女性277名) / 555名(男性254名、女性301名)を対象にインターネットで行われた。

"屋内"での熱中症対策6選

夏の平均気温は長期的に上昇傾向にあり、100年あたりおよそ2℃程度上昇している。さらに、最高気温が35℃以上となる猛暑日の年間日数については、1990年代以降で顕著に増え、今では猛暑日が当たり前に。また、熱帯夜の年間日数も増加している。これらのことから、夏が「長く・暑く」なっていることがわかる。

  • 日本の平均気温偏差

  • 東京の猛暑日・熱帯夜の年間日数

昨年に続き、厳しい暑さが予想される2024年の夏。屋内での熱中症対策を気象予報士/防災士の増田雅昭氏が解説している。

  • 屋内での熱中症対策6つ

熱中症対策として、「体を暑さに慣れさせる」「こまめに水分補給・汗をかいたときは塩分補給」「しっかり睡眠を取る」「室内の温度と湿度を意識する」「室内の風通しを良くし、がまんせずエアコンを使用する」「夜に気温が下がらないときは、エアコンを切らずに使用する」ことが大切だという。

今夏のエアコン利用状況「ガマンできるときは消す」が47.3%、理由は?

続いて、今夏のエアコン利用と満足度の調査結果と、節電にもつながる正しいエアコン選びについて、パナソニック エアーマイスター 兼 熱中症予防指導員の福田風子氏が解説した。

夏の屋内での暑さ対策は、「エアコンを使う」が最多の76.3%となっている。さらに、気象変化とともにエアコンの使い方も変化しており、最近では1日の使用時間が長く、夏の期間24時間連続の「つけっぱなし運転」をされている方が増加傾向にある。昨年8月では20%を超える人が24時間運転をしていた。また、睡眠中にエアコンを利用する人も年々増加傾向にある。

  • あなたが普段行っている夏の屋内での暑さ対策を教えてください

  • 8月1日~31日の各日で24時間運転をしたリビング設置のエアコンの割合の平均値

  • 8月1日~31日の各日・各時間帯に運転した寝室設置のエアコンの割合の平均値

一方で、16.9%が今使用しているエアコンに不満を抱えていることがわかった。その理由は、「省エネ性能が低い」(42.3%)、「冷房の効きが悪い」(42.3%)、「掃除に手間がかかる」(38.0%)、「カビが生える」(23.9%)、「除菌機能が無い」(22.5%)と、「省エネ性能」「冷房の効き」「清潔性」が上位となっている。

  • あなたが今使用しているエアコンの満足度を教えてください

  • 今使用しているエアコンについて、あなたが不満に思っているのはなぜですか?

実際の今夏のエアコンの利用状況については、「ガマンできるときは消す」が最多の47.3%、続いて「在宅時のみつけっぱなし」(31.7%)、「不在時も含め常につけっぱなし」(10.6%)という結果に。エアコン冷房を控える理由については、「電気代がかかるから」(77.8%)が圧倒的に多く、電気代が各家庭のお財布を直撃している現状や、エアコン不満の「省エネ性能」が反映される形となった。しかし、このエアコンの電気代については、間違ったエアコン選びがご家庭の電気代を高くしている可能性もあるという。

  • 今年の夏、エアコン冷房をどのように利用しますか?

エアコンが部屋の空気を冷やす仕組み

正しいエアコン選びのために知っておきたいのが、「エアコンが部屋の空気を冷やす仕組み」。この仕組みを知っているかについては、「はい」48.5%に対し「いいえ」51.5%と、回答が二分する形に。エアコンは日常的に使用する身近な家電である一方、その仕組については半数が理解していないということが明らかになった。

  • エアコンが部屋の空気を冷やす仕組みを知っていますか?

  • エアコンが部屋の空気を冷やす仕組み

エアコンは室内機と室外機がパイプで繋がっていて、その間を冷媒というガスに乗せて屋内から屋外へ熱を運ぶことで部屋の空気から熱の量を減らし、冷やしている。

エアコン「畳数の目安」の見方

  • 畳数の目安

冷房であればこの熱を奪う能力、暖房であれば供給する能力をカタログではkWで示しており、それをわかりやすく"畳数の目安"として表現している。エアコンの"畳数の目安"が"6〜9畳"となっている場合は、"6畳から9畳までの部屋"というわけではなく、"木造平屋南向き和室の6畳、もしくは鉄筋マンション南向き中間層洋室の9畳"を意味している。これは、建築物の構造によって気密性が異なるため。木造住宅は鉄筋住宅よりも気密性が低い分、冷暖房効率も下がるため、同じサイズでも適用畳数が変わるという。さらに、同じ鉄筋マンションでも1階と最上階では暑さ・寒さが異なるもの。このほか、断熱性や窓の向き・大きさ、天井高など部屋の状況によっても変わる。

  • 畳数の目安

そのため、部屋に見合わない小さな能力のエアコンを購入した場合、頑張って冷やそうとエアコンがずっとフルパワーで働き続けることになるので、逆に電気代がかかってしまうという。内閣府による「消費動向調査(令和6年3月実施)」によれば、2人以上の世帯のエアコンの平均買い替え年数は14.1年。14年も省エネ性や冷暖房能力に不満をもって後悔しないためにも、節電のためにも最初のエアコン選びはとても大切だという。