JR東海は6日、車側カメラ映像を用いた人物の列車への接近等を検知する画像認識技術活用のめどが立ったとして、315系4両編成に画像認識技術を活用した安全確認支援装置を搭載すると発表した。315系4両編成による今後のワンマン運転の実施計画も明らかにした。

  • 関西本線の普通列車に使用される4両編成の315系

2023年6月以降、JR東海は車側カメラを設置した315系4両編成を営業列車に投入し、さまざまな時間帯と天候の下で撮影したデータをAIに学習させ、画像認識技術の検証および検知精度の向上を行ってきた。その結果、人物の列車への接近等が検知可能であることを確認できたことから、315系4両編成への画像認識技術を活用した安全確認支援装置の搭載を決定した。

現在、運転士と車掌が乗務する列車では、車掌がドア扱いを行っている。2両編成のワンマン運転においては、運転士が直接またはホーム上に設置のワンマンミラーで乗降を確認してドアを扱い、発車時のホーム上の安全確認もワンマンミラーで行っている。

315系4両編成でワンマン運転を行う場合、運転士が運転台のモニターに投影される車側カメラの映像でホーム上の安全を確認し、ドアを扱うことになる。ドアが閉まってから列車に人物が接近した場合、AIを用いた画像認識技術が自動で検知し、運転士に警報音等で通知するしくみに。運転士の安全確認のサポートが充実するため、車側カメラを用いたワンマン運転の安全性が向上するという。

  • 315系4両編成でのワンマン運転の実施計画 (JR東海提供)

315系4両編成でのワンマン運転は、2025年度中に関西本線(名古屋~亀山間)と武豊線で実施する計画。2026年度以降、東海道本線(三島~沼津間、浜松~豊橋間、大垣~米原間)や御殿場線などでも順次実施する。

なお、車側カメラの映像は、利用者の接近等の検知や運転士がホーム上の安全を確認するために撮影され、特定の個人を識別するものではないとしている。