萩原利久のまさかの行動で再撮影

――現場ではお茶目な一面も見せているんですか。

中井:早見さんと萩原さんは、すごく仲が良くて。

田中:ずっとワチャワチャしていたよね。何より、利久は昔から“ビッグベイビー”というか、赤ちゃんなんですよ(笑)。8話の屋上でのシーンも、僕が大声を出して、胸の内を伝えて、思い切り演じたあとに、「もう一回撮ります」と言われて。何かあったのかなと思ったら、利久がチャックを閉め忘れて全開だったみたいで(笑)。ほかにも、お弁当を食べたあとに歯に海苔が挟まっていて撮り直しとか、今回の現場でも少年のようでした。そんなところが皆から愛される人なのですが、早見さんは利久のテンションにうまく乗っかりつつも、「ちゃんとしてよ~」と引き締める役割も担っていて、すごくバランスのいい二人でした。

難役で得たこと「感覚だけに任せない」「計算がうまくなった」

――お二人が『めぐる未来』で得たもの、今後の役者人生で活かしていきたいことを教えてください。

中井:これまでは、感覚で演じる部分が多かったのですが、『めぐる未来』ではいろいろなことを頭で考えて演じました。感覚だけに任せないでお芝居をすることで、何度でも同じことができるんだなと。これからやれることがもっと増えていくんじゃないかと、お芝居をさらに楽しみにさせてくれる現場でした。

田中:ミステリーかつタイムリープという複雑な物語の中で犯人役を演じたことで、計算がうまくなったと思います。8話や9話の感情をあらわにするシーンでも、自分の書いた設計図の中で散りばめてきたものを回収していくことで、ブレない暦でいられたんじゃないかなと。筋の通った暦でいることで、慌ただしい台詞量の中でも、ちゃんとほかの人の台詞を聞いて、落ち着いて話せる心の余裕を持てたことは、自分にとってもいい経験になりました。とにかく暦は説明台詞が多かったのですが、それをいかにただ説明するのではなく、ちゃんと自分がやってきた実体験を話す感覚でお芝居をするということも、すごく勉強になりました。今回の経験を活かして、今後の作品でより深みのあるお芝居ができるようになればいいなと思います。

■楽しそうに撮影する一同に羨ましさも

――では最後に、『めぐる未来』も残すところ最終回のみとなりましたが、ぜひ見返してほしいオススメのシーンを教えてください。

田中:暦は勝村(政信)さん演じる時任さんとずっと一緒に行動をしていたのですが、純粋に楽しめる、時任さんとの特別な関係性を大事にしている暦ももちろんいたと思うんですよね。勝村さんとは、いろいろ話し合って楽しんでお芝居をしていたので、時折覗く暦の少年のような一面も見てほしいです。「かっこよく、クロスして去ってみよう!」とか、刑事ドラマのようなかっこいい動作も織り交ぜていたので、二人がかっこいい刑事になれているのかどうか、見返してみてください!

中井:オンエアを見て、シリアスでありながら、意外と笑えるドラマになっているんだと気づきました。3話で、未来くんがめぐるさんにアイスティーをかけられるところも、「こんなことある!?」「でもめぐるさんだから許されるのかな」と笑わせていただきました。干支さん(大西礼芳)と四季村さん(時任勇気)のちょっとほんわかしたパートを見ると、「楽しそうな撮影でいいな!」と思ったりして(笑)。

田中:犯人役の僕たちとしては、楽しそうに撮影しているのを見て「いいな」と思ったよね(笑)。そんなシーンから、皆が楽しくお芝居していたことが伝わればうれしいです。

■中井友望
2000年1月6日生まれ、大阪府出身。2018年「ミスiD2019」で7代目グランプリに選ばれ、2020年、日本テレビ系ドラマ『やめるときも、すこやかなるときも』で女優デビュー、2022年、『サーチライト-遊星散歩-』で映画初主演を果たした。代表作にドラマ『君には届かない。』、映画『少女は卒業しない』、『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』、『炎上する君』、『LIKE THAT OLD MAN』など。NHK総合・NHK BSプレミアム4Kドラマ『 ケの日のケケケ』が3月26日放送予定、公開待機作に、映画『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』(8月9日公開予定)がある。
■田中偉登
2000年1月24日生まれ、大阪府出身。2012年、テレビ朝日系ドラマ『13歳のハローワーク』で俳優デビュー、『宇宙兄弟』で映画デビューを果たす。代表作に、ドラマ『無用庵隠居修行』、『東京男子図鑑』、『エール』、『君には届かない。』、映画『るろうに剣心』、『アイスと雨音』、『孤狼の血』、『桜色の風が咲く』、『ぬけろ、メビウス!!』、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-/-決戦-』など。映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』が公開中。