女優の石原さとみが主演を務める、映画『ミッシング』(5月17日公開)の予告映像とポスタービジュアルが20日に公開された。

映画『ミッシング』

■映画『ミッシング』予告映像とポスタービジュアル公開

娘の失踪事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親とその家族を描く同作。予告映像では「なんかまたひどいこと書かれてるんだけど」と低い声で吐き捨てるように呟く沙織里(石原さとみ)が険しい表情でパソコンの画面を見つめる。娘が行方不明になってから3か月が経ち、地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)は誠意ある取材を続けるが、放送される番組は局の方針で煽情的な内容にせざるを得ない。世間の関心はいつの間にか沙織里の行動を非難する悪意ある書き込みとなって沙織里や夫の豊(青木崇高)を苦しめる。

沙織里の弟・圭吾(森優作)も誘拐犯の疑いをかけられ、世間の好奇の目に晒される。家族であるはずの圭吾にも掴みかかっていくほど、心を失っていく沙織里たち。もがき翻弄される場面から一転、暗い画面に着信音が響く。吉田恵輔監督(※吉はつちよし)ならではのリアリティある演出の予告映像となっている。

ポスターには「わたしたちは、心を失くしてしまったのか?」というキャッチコピーのもと、茫然自失の沙織里が配されている。中段の涙がこぼれる瞬間の沙織里にはかすかな生気も感じられ、出口の見えない日々の先にある、かすかな希望を感じさせるデザインとなっている。

6年前に自ら伝手を頼り「吉田さんの映画に出たいです」と直談判したという石原は、「こういう作品がやりたかったんだ、それが完成したんだ! 本当に嬉しい。夢が叶ったなと思いました」と熱く語る。中村は撮影で印象的だったこととして「(石原さんが)心身をすり減らしながら芝居をする姿。それが1番ですね」と明かし、青木は「この役と向き合うこと自体が(第一子出産後の石原さんにとって)とても怖いことだと思うんです。“パン”と(現場とプライベートで)器用に切り替えてできたとしても、そういう向き合い方はしたくない、そんな役だと思います。母親というものの深さ、大きさ、偉大さ、というものを改めて感じました」と石原の覚悟の演技を称賛している。

【編集部MEMO】
映画『ミッシング』は吉田恵輔監督(※吉はつちよし)によるオリジナル作で、とある街で起きた少女の行方不明事件を描く。娘が行方不明になった時、母・沙織里(石原)はネット上で誹謗中傷の投稿がなされ、苛立ちを募らせていく。さらに日が経つにつれ、夫・豊(青木崇高)との温度差も感じ始め、言動も次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまう。一方、地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)には局上層部の意向で、視聴率獲得の為に世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。

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