花粉症は寝不足や冷たい物の飲食が原因!?症状の軽減に鍼灸治療は役立つ?

■花粉症状は放置して良い!?インフルエンザやCOVID-19の場合もある?

季節性アレルギー性鼻炎は、俗に花粉症と言われます。花粉症の方が国民の認知度は高いのではないでしょうか。
季節性ですので、花粉が多い時期に出ます。花粉は地域や種類により飛散時期は異なりますが、3月は杉の木の花粉量が多いため、花粉症で悩む時期と言えます。
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー症状を起こす原因物質が鼻から入り、粘膜から体内へ吸収された際に生じる免疫反応の病気です。その代表格が花粉症と言えます。

花粉症は、鼻や目に症状が出て来ます。
鼻の三大症状 くしゃみ、鼻水、鼻づまり
目の三大症状 目のかゆみ、目の充血、涙目

長期間に及ぶと、頭痛、体がだるい、熱っぽい、喉・顔・首がかゆい、咳が出る、集中力が低下する、イライラする等の全身症状が出て来ます。
花粉が鼻などに付着した時に起きる炎症反応のメカニズムは、大分解明されて来ているので、最近は安価で有効な薬が、ずいぶん開発されています。薬で症状を抑えている人も多いのではないでしょうか。花粉症状は、インフルエンザやCOVID-19など類似の病気にも見られますので、症状がつらい人は、まず専門医を受診してみると良いのではないでしょうか。

■花粉症を予防する方法はある?

環境庁では、花粉症の原因は花粉だと言っています。環境庁の『花粉症環境保健マニュアル2022』(25頁)には、花粉のばく露(浴びること)を防ぐために、以下のことを言っています。「花粉症の症状を緩和させ、発症を遅らせるためには、花粉についての知識を持ち、いかに花粉を避けるかが予防の基本になります。花粉の飛散予測情報を有効に使いましょう。花粉は昼前後と夕方に多く飛散します。外出時の服装は花粉が付着しにくいものを選び、マスク、メガネなどで花粉を防ぎ、帰宅時には花粉を払うなどして家の中に花粉を持ちこまないようにしましょう。一般的な注意事項としては、睡眠をよくとること、規則正しい生活習慣を身につけることなどは正常な免疫機能を保つために重要です。風邪をひかないこと、飲酒、喫煙を控えることなども鼻の粘膜を正常に保つために重要です」。花粉の飛散予測情報は、日本気象協会で確認することが出来ます。花粉症でお悩みの人は、花粉症用のマスクやメガネを使用し、服装にも注意を払っている事と思います。
環境庁も指摘していますが、対策として規則正しい日常生活を送ることがポイントです。40年に及ぶ臨床経験から考えると、花粉症にお悩みの人で共通していることは、寝不足と冷たい物の飲食です。
養正治療(清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」参照)として、以下の点に注意することを提案します。

1.一日7時間半から8時間の睡眠をとる
2.冷蔵庫で冷やした物の飲食を控える
3.体が冷える特性の物(麦(ビールや麦茶)果物(柑橘類)ウド等)を飲食することは控える
4.刺身や生野菜などの食事は控える
5.1日3回の鼻うがいと洗顔を行う

2,3,4の事は、内臓が疲労しやすい状態を生みますので、この時期は注意が必要です。2月3月4月に1~5のことを心がけると、功を奏します。当院では、鼻うがい専用の容器を提供して、鼻うがいを推奨しています。詳しくは、JIJICO内の下記コラムをご参照願います。

「花粉症対策はマスクだけで大丈夫? 東洋医学を活用して花粉症予防を!」

3月4月は、歓送迎会等で宴会が続きます。アルコールの摂取や暴飲暴食は、花粉症状を助長しますので、注意が必要です。上記の事が該当しない人は、「くらしと養生」を参考にしながら身体に負担が生じている事を検討し、見直してみて戴きたく思います。

■くしゃみやかゆみは内臓の機能低下を教えてくれるサインです

自然免疫(生まれつき体に備わっている免疫)の働きは、花粉によって妨げられることが分かっています。日本気象協会のホームページを見ると、花粉が飛ばない時期は、12月と1月くらいですので、花粉が体内に侵入しないための対策は、概ね1年を通じて大切だと言えます。花粉やウイルスが体内に侵入する場所は、体にある9つの穴です。体内との出入り口を清潔に保つことは必須です。詳細は、JIJICO内にある下記コラムをご参照ください。

「人体の9つの穴を清潔にすることと免疫力アップでウイルス対策を!」

花粉症の人は、くしゃみ、鼻水や鼻づまりになりますので、口呼吸になりやすいと言えます。鼻呼吸は、吸い込んだ冷たい乾いた空気が鼻腔内で温められ、湿り気を帯びてから喉の方へ流れこみ、気道の粘膜にある線毛が病原体などの異物を排除しています。口呼吸は、唾液などで排除していますが、鼻呼吸と比べると、侵入を防ぐ力は弱いと言えます。そのため、ウイルスや細菌等が体内に入り、内臓の機能低下を招きやすくなります。
内臓の機能低下を防ぐには、室温の上昇が大切です。くしゃみが出始めたら、体が冷たくなっていないか確認して、室温の上昇や洋服を多めにすることが大切です。寒い場所での生活や薄着をした状態で過ごしていると花粉症を発症しやすくなります。低体温について詳しく知りたい人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照ください。

「1月は低体温に注意!心筋梗塞を誘発する低体温症を防ぐにはどうしたら良いのか!?」

■花粉症状に鍼灸治療や瘀血治療は有効な治療法です

日常生活の改善で症状が軽減しない人は、鍼灸治療や瘀血治療をご利用ください。つらい症状の軽減・消失に有効です。また、薬を飲んでも良くならない人、特定の病気療養や妊娠中のため薬を飲めない人、日常生活を改善することが出来ない人は、是非鍼灸治療や瘀血治療を活用して戴きたく思います。
この時期の治療は、「対症療法」と言えます。数回日を置かずに治療すれば、くしゃみやかゆみが軽減し、日常生活を送ることは左程苦痛ではなくなります。しかしながら、数日経つと、再び症状がぶり返します。そのため、花粉が飛んでいる季節は、繰り返し治療する必要があります。症状の発症を抑えたい人は、花粉症の時期となる3か月前から集中的(週2~3回)に鍼灸治療をして体調管理をすれば、発症しないか発症しても薬を服用しなくても過ごせるくらいまでになります。「根本療法」をご希望の人は、基礎疾患をお持ちかそうでないかで治療期間は異なりますが、月に1~4回の治療を10か月から14か月程度継続して行うと、アレルギー症状を回避できる確率が高いと言えます。
薬物治療(内科治療)を回避したい人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療機関にご相談ください。
また、「根本療法」をご希望の人には、ヨガ(YOGA)がお勧めです。毎日、3年続ければ、花粉症状が遠のくはずです。運動法、呼吸法や瞑想法を学びたい人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室(YOGA School)にご相談戴きたく思います。

(清野 充典:鍼灸師)