今回もミナミさんの時と同様に、応援しながらの密着取材になったが、ピュアすぎる彼らに婚活は容赦なく試練を与えていく。

お見合いで男性側が手応えを感じても、女性側が全く同調していなかったというパターンがたびたび登場したが、「女性からしたら、2人でいる時に“この人ないわ”と思っても、その場で表には出さず、最後はニコニコして“素敵ですね。ありがとうございました”って言うじゃないですか。女性にとって、相手を怒らせないように対処することは、自分を守るためでもあるのですが、ピュアな男性からしたら、それじゃ女性の本心が分からないですよね」と同情し、「女性は言ってることが全部本音じゃないですからね」とアドバイスもしていたそうだ。

この男性2人は、前回放送のミナミさんの婚活を見て勇気をもらい、植草さんの結婚相談所に入会したそうで、「番組で伝えたい思いが届いた人がいることを知って、それはうれしかったです」と、制作者冥利に尽きることがあった。

婚活という極めてプライバシーに関わることである上、自分が女性にフラれるという見せたくない姿も含めてさらけ出してくれるのは、“『ザ・ノンフィクション』に出ることで自分を変えたい”という危機感もあったようだ。

  • お見合いに臨むゆかさん(仮名) (C)フジテレビ

自分を磨けば絶対にチャンスはある

前編の最後に流れた次回予告では、ゆかさんが資産家の男性とうまくいきそうな予感を見せるが、整形について問われることに。内田さんも、理想の女性が現れたと思いきや、事態は予想もしない方向へ。そして、こちらも理想の女性と巡り合った進藤さんだが、頭を抱える姿が…。

八木Dは「後編はデートを重ねたり、“真剣交際”という大きな目標があったりして、三者三様でアクセルをかけていく中で、それぞれに課題が出てきます。それを一つ一つ解決して成長しながら先を目指して頑張る姿を、ぜひ応援してほしいです」と呼びかける。

また、3人の姿を見て、「どんなに苦手なことであったとしても、諦める必要はないんだと思いました。結婚願望がありながら“もういいかな…”と諦めている方もたくさんいると思うのですが、自分を磨いて変わっていけば、絶対にチャンスはあるんだと感じていただけると思います」と力説。厳しい現実に直面し、何度打たれても立ち上がって次に挑み続ける彼らからは、婚活に関してのみならず“勇気”をもらうことができるはずだ。

●八木里美
1977年生まれ、東京都出身。学習院大学卒業後、青森朝日放送でニュースキャスター・記者・ディレクターとして取材現場に従事し、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』を経て、04年にバンエイト入社。フジテレビ報道局で『スーパーニュース』を担当し、11年からは制作部でドキュメンタリー番組などを制作。『ザ・ノンフィクション』では、『愛はみえる~全盲夫婦の“たからもの”~』『わ・す・れ・な・い 明日に向かって~運命の少年~』『私、生きてもいいですか ~心臓移植を待つ夫婦の1000日~』『わすれない 僕らが歩んだ震災の10年』『泣かないでアコーディオン ~シングルマザーの大道芸人~』なども担当し、11年間にわたって取材した『熱血和尚』シリーズでは、「第36回ATP賞」グランプリ、「2020年日本民間放送連盟賞」テレビ教養番組部門・最優秀賞、「第57回ギャラクシー賞」奨励賞、「ニューヨークフェスティバル2020」ドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞&国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞と、国内外で数々の賞を受賞した。現在はほかにも、『フューチャーランナーズ~17の未来~』『街角パレット~未来へのたからもの~』(フジ)で総合演出を務める。