日本テレビの石澤顕社長は5日、年頭挨拶で、4月期に積極的な改編を実施する方針を明かした。

日本テレビ本社=東京・汐留

日テレは、2023年の年間個人視聴率がゴールデン1冠に止まり、民放12年連続3冠が途絶えた。石澤社長は「若年層がスマホなどデジタル端末でゲームやネットコンテンツを多く見るようになるなどライフスタイルの変化が一つの要因です」と分析する。

一方でコア(13~49歳男女)視聴率は、11年連続で3冠を維持。今年度の放送収入はタイム・スポットともに民放トップをキープし、スポットはキー局シェア29%台後半と、他局を大きく引き離していることも踏まえ、「今年の地上波番組編成は、改めて“視聴者の支持とクライアントの支持No.1”を目標に全力投球の構えで臨みます」とした。

そこで、今年の方針の1つとして、「4月期に地上波の魅力的な番組ラインナップとニュース番組のさらなる強化を目指した積極的な改編を断行します」と明言。「将来を見据えた放送収入の獲得とTVer/Hulu収入の拡大」を目的としている。

また同局は、「4VISIONS」と、新たなコーポレートメッセージ「心と未来に、のこるもの。」を発表した。

「4VISIONS」は、“存在意義”を「見たことのない感動を創造して、人生の可能性をひろげる。」「『見たい』『知りたい』に応える共通体験で、人類をつなぐ。」「早く正確な情報で安心を提供し、明日への希望を届ける。」「違いや多様さを『彩り』と捉え、新たな喜びを生み続ける。」という4つの文章で表現したもの。

コーポレートメッセージにつて、石澤社長は「日本テレビが世に送り出すあらゆるコンテンツやサービスが、生活者の心に残り、それが形や記憶となって未来につながることを願う“魂”を表したものです。それはクリエーターの本質的なモチベーションであり、さらに高いレベルのコンテンツ・サービスを創り出し続けようとする日テレの決意です。日本テレビはこれからも、多様化する皆さまのライフスタイルに寄り添い、より信頼されるメディア集団に進化して行きたいと思います」と述べている。