Slackはこのほど、「Slack Workforce Index デスクワーカーの残業と生産性の関係性」に関する調査結果を発表した。同調査は8月24日~9月15日、米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、英国を含む10,333人のデスクワーカーを対象に実施した。

「プレッシャーを感じて残業している」デスクワーカーの割合は?

  • プレッシャーを感じて残業をしている従業員の割合と特徴

残業について尋ねたところ、37%が「残業が常態化している」と回答した。そのうち50%以上が「プレッシャーを感じて残業をしている」と答えている。日本においては、「プレッシャーを感じて残業をしている」と回答した従業員の生産性は40%低下しており、グローバルの水準(20%)の約2倍の結果となった。

このようなデスクワーカーは「仕事関連のストレスが2.1倍多い」「職場環境全般に対する満足度が1.7倍低下」「燃え尽き症候群になる可能性が2倍高い」といった特徴がみられるという。

勤務時間中の休憩「取らない」が半数

勤務時間中の休憩について尋ねた。休憩はデスクワーカーの生産性やウェルビーイングの向上につながるが、回答者の半数が「ほとんど、あるいはまったく休憩を取っていない」と回答した。日本では、仕事中に「休憩はほとんど、あるいはまったく取らない」と回答した割合が63%で、調査対象国中で最も高かった。

休憩を取っている人は、取らない人に比べて、ワークライフバランスのスコアが62%、ストレスや不安に対処する力が43%、全体的な満足度が43%、生産性のスコアが13%高くなっている。

「午後のスランプ」について聞くと、15時~18時に仕事をしているにもかかわらず、生産性が高まると考える回答者は4人に1人に留まった。

理想的な「集中タイム」は4時間程度

平均的なデスクワーカーの1日の理想的な「集中タイム」は 4時間程度であり、会議が1日2時間を超えると、すべての職務レベルで大半の人が会議に「時間を使いすぎている」と感じるようになるという。実際に27%は「会議に時間を使いすぎている」と答え、25%は「メール対応に時間を費やしすぎている」と答えた。5人に1人(20%)は、「同僚と交流する時間が十分でない」と回答している。

  • 生産性を維持する「ゴルディロックス・ゾーン」

「AIツールを仕事に使ったことがある」デスクワーカーは5人に1人

AIツールについて聞くと、ほぼ全ての経営幹部(94%)が、AIツールの導入に一定の緊急性を感じていることがわかった。しかし、AIツールを仕事に使ったことがあるデスクワーカーは5人に1人に過ぎず、80%超が「AIツールは、まだ仕事の生産性向上につながっていない」と回答している。

日本では、100%とすべての経営幹部が「AIツールを取り入れることに一定の緊急性を感じている」と回答した。一方、現時点で「AI ツールは、まだ仕事の生産性向上につながっていない」と感じているデスクワーカーの割合は91%で、調査対象国6カ国のうち最下位の結果となった。

  • AIツールへの関心