みずほ銀行は、2024年からスタートする新NISA制度に向けて、「女性視点で新NISAを考えてみる」と題した、新NISAに関するプレスセミナー&ラウンドテーブルを開催した。

  • みずほ銀行 個人業務部 推進チーム ライフプランアドバイザーインストラクターの平田葉奈子氏(左)とファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏(右)

「NISAやiDeCoは、非常に難易度が高いと思われがち」と話す、みずほ銀行 個人業務部 推進チーム次長の佐々木祥二郎氏は、「調べれば調べるほど訳が分からなくなり、疑問が湧いて、検討が後回しになる」と、多くの人が足踏みループに陥る現状を指摘。「実際、女性の約半数の方は、そういった状況に陥っているというデータもある」と言及する。

  • みずほ銀行 個人業務部 推進チーム次長の佐々木祥二郎氏

そこでみずほ銀行では、まず相談することを推奨。「相談は時間が掛かるというイメージがあるかもしれませんが、当行ではNISAの相談からお手続きまで、だいたい1時間程度で完結する」と伝え、インターネットなどで調べて足踏みループに嵌るよりも、「結果的に先に相談してしまうことが、タイムパフォーマンスの向上にも繋がる」と強調する。

みずほ銀行では、対面での相談だけでなく、コールセンターでのフォローやデジタルで投資のリバランスをすることも可能だ。「来年から始まる新NISAを普及のカギは、対面とデジタルを融合すること。これによりライフプランを網羅的にフォローすることで、総合的な提案力を高めることを我々は目指している」と意気込みを示した。

●新NISAの概要を紹介

続いて、みずほ銀行 個人業務部 推進チーム ライフプランアドバイザーインストラクターの平田葉奈子氏とファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が登壇し、あらためて「新NISA」についての概要を紹介した。

資産形成が重要視されるようになった背景について、「この30年間はデフレのため、わざわざ投資しなくても困らなかった」と話す風呂内氏。しかし、昨今の物価上昇によって、預貯金だけでは気づかないうちに資産価値が下がっている可能性を指摘。預貯金の一部を投資に回すなど、「違う性格のものに持ち分けることで資産の価値を維持することを目指すべき」と、投資の重要性を指摘する。

  • ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏

NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、通常は投資をして利益が出ると、利益に対して約2割の税金が掛かるが、NISAを活用すると利益がそのまま手元に残る。「資産を増やしていくということを考えると非常に有利な制度」という風呂内氏。「新NISAの概要が出たときは、ちょっと界隈がざわっとなったくらい、すごい改革だと思った」と振り返りながら、特に大きな変更点として、「制度自体が無期限になったこと」と「一旦預けたお金を無期限で非課税で運用できること」の2点を挙げ、「かなり柔軟に投資ができるようになる」と評価する。

一方、実際にNISAを利用するにあたり、「口座を開設するのが面倒くさいという人が多い」と話す平田氏だが、「銀行に来ればそのまま口座開設の手続きもできるので、皆様には喜んでいただいています」との現状を明かした。

●女性のライフプランと新NISA

資産形成やNISAへの興味は、20代から30代の女性の間でも高まっており、あるインターネットの調査では、女性のほうがNISAに対して積極的になっているとの結果が見られ、中でも20代、30代の割合がほかの年代よりも高く、これまでNISAを利用していなかった人でもNISAを始めようという機運が高まっているという。

  • みずほ銀行 個人業務部 推進チーム ライフプランアドバイザーインストラクターの平田葉奈子氏

「来店された際にNISAのお話をすると、かなり興味を持っていただける」という平田氏。みずほ銀行で開催されているNISAセミナーの参加者において女性の割合が増えていることを挙げると、風呂内氏も「これまでは8:2くらいで男性が多い状況でした。それが今年になってからは5:5くらいになっている」と同意。しかし、投資の機運は高まっているものの、依然として足踏みをしている様子も伺えるという。

投資に踏み切れない理由としては、「損をしないか不安になった」が最も多く、「内容がしっかり理解できなかった」「手続きが煩雑でわからなかった」「調べる時間がなかった」と続くが、20代に注目すると「周囲に相談できる人がおらず不安になった」という回答が非常に多くなっている。

「今は情報がかなり取りやすくなっているが、その情報が本当に正しいのか、そもそも情報が多すぎてどこから手を付けていいのかがわからないという声が多い」と指摘する風呂内氏。身近に相談できる人がいれば問題ないが、「相談先はない」という回答が20代では43.9%と圧倒的な結果になっているという。

「せっかく口座開設まではしたが、何を買えばよいかわからず、結局NISAを活用していない人が多い」と自らの印象を話す平田氏。きっかけがないとなかなか銀行には足を運べない現状に対して、「当行ではライフプランアドバイザーが全国の窓口にいて、結構ふらっと窓口に来ていただいて、そのままNISAの相談が行われることが多いので、きっかけがないとなかなか難しいかもしれませんが、ぜひ気軽にご来店いただければ」と、同行の姿勢をアピールした。

また、NISAについての理解度を調べると、「名前を聞いたことがあるくらい・知らない」という回答が、男性の42.5%に対して、女性は58.6%と高く、「何となく名前を聞いた程度で、その先の一歩というのが意外とハードルが高い」と話す風呂内氏。投資に踏み切れない理由として「損をしないか不安になった」が20代で特に高く、その不安を解消するためには、「投資は、自分の預けたお金をどうなるかわからないものに委ねるという印象があるかもしれませんが、いくら投資するか、金額自体は自分で決められます。意外と月5000円未満で投資をされている方もいらっしゃるので、自分が怖くないと思う金額、少額から始めること。金融庁も推奨している長期・つみたて・分散に加えて、金額のコントロールという4つのポイントを押さえておきたい」とのアドバイスを送った。

また、女性のライフイベントにおいて、実際にどれくらいのお金がかかるかを紹介。あくまでも一例として、結婚費用が「約488万円」、教育資金が、すべて国公立で「約782万円」 すべて私立で「約1,448万円」、住宅購入が、マンションで「約5,121万円」、土地付き住宅で「約4,039万円」、老後資金が、夫婦の場合、35年間で「1億4,616万円」との金額が示された。「まとまった金額にするとどうしても怖くなりますが、いずれの金額も今すぐ必要というわけではないのがポイント」という風呂内氏は、「それぞれのタイミングで、どれくらいのお金が必要かを知っておいて、計画をきちんと立てることが重要」と指摘。平田氏も「知っておくと、目的を明確にして貯めることができるので、貯めやすくなる」と続けた。

●みずほ銀行での新NISAの取り組み

最後に、みずほ銀行のNISAに対する取り組みについて、平田氏が紹介。同行ではひとりひとりのライフスタイルに寄り添った提案を行う、約600名のライフプランアドバイザーを全国の窓口に配置し、NISAだけでなく、iDeCoや生命保険など、様々なアドバイスを行っている。「窓口にお越しいただいて、直接お話させていただくのが一番」であるとしつつ、平日日中に窓口に行けない人に向けて、夜間や休日の対応や職域セミナーの開催などを実施。専用LINEや電話での相談など、ライフスタイルにあわせて相談方法、相談の場を用意しているという。

また、「ご相談を受ける一番の悩みは『何の商品を買えばいいのかわからない』という方が多い」という現状に対し、みずほ銀行では、同行で選定した銘柄から選べるため、商品が多すぎて迷うという人でも安心できるほか、NISA専用ファンドとして、比較的低コストで購入できるものなど様々なファンドを用意。人気のアクティブファンドについては、新NISAでは購入時手数料0円で購入できるという。

そして、カフェのように気軽に立ち寄って、NISAやお金についてプロに何でも聞くことができるをコンセプトに様々なコンテンツを用意する「みずほNISAカフェ」では、簡単な質問に答えるだけで自分にあった資産形成法を教えてくれる「投資スタイル1分診断」や、店舗によっては土日や平日夜にコーヒーを飲みながら、リラックスした空間で相談できる環境のほか、各種セミナーやイベントなども開催されるので、こちらもあわせて注目しておきたい。