Aぇ! groupの正門良規と女優の蓮佛美沙子が出演するABCテレビのドラマ『京都のお引越し』が12月29日(23:04~※関西ローカル、TVerで見逃し配信あり)に放送される。このたび正門と蓮佛が取材会に登場し、作品の見どころや互いの印象を語った。
■正門良規主演ドラマ『京都のお引越し』
今作は京都を舞台に、ドラマとドキュメンタリーの2パートがシームレスに行き交う作品。仕事に大きな不満があるわけではないけれど、会社と家を往復するだけの生活で毎日の明りを少し見失っている27歳の主人公・俊也(正門)が、京都に滞在する数日間の中で人生の「やりたいこと」を改めて見つけていく姿を描く。俊也に影響を与えるのは、京都でアンティークショップを営む従姉の佐紀(蓮佛)。姉のような存在であり、自身も京都に迎え入れられた経験を持つ佐紀を通じて、俊也は少しずつ“普段着の京都”に足を踏み入れていく。
■正門良規、“やって怒られよう”の精神で挑戦
――今作はドラマとドキュメンタリーの2つの要素で構成された作品ですが、撮影の感想を教えてください。
正門:これまで何本かドラマに出演させていただきましたが、経験値も技量もまだまだなので、最初はドキュメンタリードラマに対して、自分の芝居は「これで合っているの?」と戸惑いがありました。撮影が始まると「自然にやってくれるのがいい」とたくさん言っていただいたので、「素直なリアクションを出せばいいんだな」とつかめてきたところです。
蓮佛:私は現場に着いて、現場を何となく見て、「よし、カメラを回そう!」というスピード感が衝撃でした。「え、もう回すんですか?」って。
正門:おかしいですよね!?(笑)
蓮佛:おかしいよ!(笑)メイクさんに、「こういうやり方のチームだよ」と事前に聞いていたので「これが噂の!」と(笑)。お芝居や生のリアクションをするときも、リアルに近いけれどセリフは言うという構成が、難しいけど新鮮で面白かったです。正門くんは、セリフの間に「わ、はずっ!」とか、アドリブを入れてくるのがすごいなって!
正門:“やって怒られよう”の精神で、挑戦してみようかなと。
蓮佛:素晴らしい! あとは、ずっとカメラを回しっぱなしで、余白を大事にゆったりと撮影しているのも新鮮ですよね。
正門:だからこそ素の部分が出るというか。スタンバイしているとき、川沿いに三角座りでいたら、「それ、撮ろう!」って言われて、予定になかったのに撮影することになったり。どのシーンが使われるのか、出来上がりが楽しみです。
■蓮佛美沙子、正門は「すごく自然体な方でやりやすい」
――今回初共演のお2人ですが、お互いの印象は。
蓮佛:昨日「初めまして」で、今日はお会いして2日目なんですけど、すごく自然体な方だなと思いました。“何年か一緒に住んでいた従弟”という関係を演じるにあたって、たくさん会話をしなくてもスッとその2人になれた感覚があって。背伸びせず、いい意味で力が入っていない2人の雰囲気がドラマの空気感にも表れていると思います。私は勝手に、やりやすいなと思っています。
正門:うれしいです! 初めてお会いするときは緊張したんですけど、ご挨拶すると、柔らかい雰囲気の方だ、良かったって。僕もすごくやりやすいです。そしてバレないよう、怒られないように、タメ口をちょこちょこと盛り込んでいます。
蓮佛:タメ口で話してくれていいよ? でも私が気付いてないってことは、盛り込むのが上手なんだね。
正門:演じる役の関係に滲み出ればと思って、ギリギリを攻めようと。
蓮佛:現場に入ってすぐカメラを回すから、撮影中も裏もお互い変わらないです。撮影中は役としてのギアが入っているとはいえ、温度感は裏側と地続きだよね。
■見どころは「全部」「ぜひ“体験”してほしい」
――今作の見どころを教えてください。
正門:全部です。劇的なドラマではなく、ゆったりとした時間の流れを切り取った作品ですが、登場人物はもちろん、街や空気感、空間すべてが主役のような物語になっています。だから自由に楽しんでほしいですね。登場する場所を歩いて追体験してもらうのもいいですし、いろいろな楽しみ方がある作品だと思います。
蓮佛:私たちが呼吸していること、立っていること、生きていることがそのままダイレクトに肌で伝わるような作品になっているので、ぜひ、“体験”してほしいです。台本があってセリフを話しているけど、ドキュメンタリーパートとの境目のなさや、グラデーションになっている部分が新しいですし、何より、京都に行きたいと思っていただけたら。
――では最後に、楽しみにされている方へのメッセージをお願いします。
正門:師走も佳境な時期に放送されますが、バタバタした年末のなかでこのドラマを見てホッと一息ついていただけたらうれしいです。旅行に行きたいとか、あれやりたいとか、皆さんが何か行動するきっかけになったり、ちょっとモヤモヤを抱えている方の背中をいいほうへ押せる作品になったらいいなと思います。
蓮佛:風や光、「生きてるって美しいんだ」と感じられる時間はすごく大事ですが、バタバタと過ぎていく日々のなかで、つい忘れがちだと思います。「私は何が好きなんだっけ」、「どうやって生きていきたいんだっけ」と立ち返ることのできるドラマになっているので、こたつでみかんを食べながらだったり、リラックスして見ていただきたいです。
1996年11月28日生まれ、大阪府出身。2019年2月より、アイドルグループ・Aぇ! groupのメンバーとして活動。2019年7月『恋の病と野郎組』、『連続テレビ小説 スカーレット』、 『DIVER-特殊潜入班-』、『和田家の男たち』、『特集ドラマ アイドル』などのドラマや、『染、色』、『ヴィンセント・イン・ブリクストン』などの舞台に出演するなど俳優としても活躍中。
1991年生まれ、鳥取県出身。映画『犬神家の一族』(06)でデビュー。『バッテリー』(07)でヒロインを演じ、『転校生 -さよならあなた-』(07)で初主演を務め、キネマ旬報ベスト・テンと高崎映画祭で新人女優賞を受賞。近年の出演作に、映画『スイート・マイホーム』(23)、『女優は泣かない』(23)や、テレビ東京『今夜すきやきだよ』(23)、NHK『大奥 Season2』(23)などがある。