【鎌倉 観光スポットレポ】極楽寺切通から鎌倉攻めへ(後編) - 緑深…

極楽寺から稲村ヶ崎へ

「極楽寺切通」を鎌倉側を背にして進みます。傾斜は緩やかで、時折車も通り、生活道路としての役割も窺えます。江ノ電・極楽寺駅や長谷寺駅方面どちらへも歩いてもそう遠くないこともあってか、周辺散策する観光客の方も多いように感じます。

当時の切通は、今の成就院境内の高さのあたりを通る傾斜が急な細い崖道でした。

参照元:鎌倉観光公式ガイド|極楽寺切通

画像出典:湘南人

この写真右側に登って行く方々が写っていますが、この先が成就院なので、当時はその境内の高さあたりを切通が通っていたと思うと随分と現在とは違った姿だったことが容易に想像できます。“鎌倉攻め”において突破出来なかったことも頷けます。

江ノ電も間近に見られる

さらに歩いてゆくと、ほどなく江ノ電・極楽寺駅を通り過ぎます。ここから稲村ヶ崎の海に向かって更に歩みを進めていきます。

画像出典:湘南人

途中の住宅街の中、歩いているすぐ近くを江ノ電が通り過ぎていくので飽きることなく観光気分を味わうことができます。鎌倉攻め、極楽寺切通を攻めあぐねた新田軍もこの道を通って、今後の作戦考えていたのでしょうか。すると、間も無く海も近い、といったところに史跡がありました。

鎌倉市指定史跡「十一人塚」

画像出典:湘南人

鎌倉攻めにまつわる史跡です。

稲村ガ崎の住宅地に佇む「十一人塚(じゅういちにんづか)」。1333(元弘3)年の新田義貞の鎌倉攻めの際、極楽寺切通から攻め込もうとした新田勢の大将大館宗氏らは奮戦したものの、多数が討死し、最後に残った11人も自刃したためここに葬ったと伝わります。鎌倉市指定史跡。

参照元:鎌倉観光公式ガイド|十一人塚

画像出典:湘南人

今でも手入れのされている様子から、地元鎌倉の方々の歴史を重んじる空気が伝わってきました。極楽寺切通の激戦のあとを窺い知ることのできる静かな史跡です。

いざ海へ稲村ヶ崎へ

画像出典:湘南人

極楽寺からそれほど距離はありませんが、いざ海を目の前にすると着いた!という気持ちで盛り上がります。

海沿いを江ノ島を背にして、鎌倉海浜公園稲村ヶ崎地区に向かって歩いていきます。

画像出典:湘南人

自然の地形を利用し、ゆっくり景色を楽しめる芝生広場があります。晴れた日には高台の展望台から、南の沖に伊豆大島、西には富士山と江の島を望む相模湾の景観が望見でき、かながわ景勝50選に指定されています。特に、相模湾越しの伊豆の山並みに夕日が沈むシーンは絶景です。また稲村ガ崎は、新田義貞が鎌倉幕府に攻め入った地であり、国指定史跡「新田義貞徒渉伝説地」としても知られています。 ​

参照元:鎌倉観光公式ガイド|鎌倉海浜公園稲村ヶ崎地区

画像出典:湘南人

元弘三年五月新田義貞兵ヲ上野ニ擧ゲ分倍河原関戸河原ニ北條軍ヲ破リ一路鎌倉ニ迫リ十八日極樂寺口ヨリ攻撃ヲ加ヘ二十一日自ラ此地ノ海岸ヲ徒渉シ前濱ニ侵入セリ當時ノ波打際ハ石高ク道細クシテ軍勢ノ通路困難ナリシガ義貞徒渉ノ際ハ俄ニ干潟トナリテ容易ニ進軍スルヲ得タリト傳フ

参照元:文化遺産オンライン|稲村ヶ崎(新田義貞徒渉伝説地)

海浜公園についてすぐ手前にある石碑の数々が鎌倉攻めの新田義貞に関してのものでした。

画像出典:湘南人

公園の目の前は波の音も激しく、海岸も切り立った崖のようになっていて、到底歩いて海岸沿いを進めるとは思えませんが、伝説ではここを新田義貞徒渉の際には干潟になって進軍することができたそうです。

画像出典:湘南人

伝説と言われるにふさわしい海の様子に圧倒されつつも、かながわ景勝50選に選ばれる眺望の良さにしばし時を忘れるほどです。

いざ鎌倉へ

さて、ここから徒渉し、鎌倉側に攻め入った新田軍ですが、さすがに海岸沿いを辿る勇気はないので、今は幹線道路が通っている(国道134号)のでそちらから反対側を目指してみました。

画像出典:湘南人

途中両側とも切り立った崖のようになっている箇所もあり、稲村ヶ崎を切り拓くように道路を建設したことが窺えます。つまりは新田軍も海側から攻める以外は難しかったということも納得がいきます。

画像出典:湘南人

さて、反対側の海岸はどのようになっているのでしょうか…

画像出典:湘南人

道路から遊歩道にように降りられるようになっていたので案外と近くから眺めることができました。こう見ていると行けなくはないかな?といったところですが、何万という軍勢を率いての行軍ともなると話は違うようにも思われます。

ここを通って鎌倉に攻め入った、その同じ場所に立っている自分を思うと俄かに不思議な気分になります。振り向けば由比ヶ浜が見渡せ、すぐそこは鎌倉の中心地。平らな地続きを、一気に攻め入ったのかと歴史に思い巡らします。

小旅行のあとは

歴史を大きく動かした転換地となったルートをのんびりと巡る小旅行、いかがだったでしょうか。のんびりと景色も楽しみながら歩いても2時間ほどで巡ることができると思います。歴史散策の後は、さすがの観光地鎌倉、素敵な鎌倉グルメで腹ごしらえ。心も体も大満足の小旅行、ぜひ楽しんでみて下さいね。

施設紹介

【十一人塚】■住所:〒248-0024 神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1丁目13−22

【鎌倉海浜公園稲村ヶ崎地区】■住所:〒248-0024 神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1丁目19