ホンダは11月16日、新型SUV「WR-V」の日本導入を発表した。正式発表は12月、発売は2024年春を予定。同時に、特設サイトも公開した。WR-Vの生産はインドだ。ホンダとしては初のインドからの輸入車となる。
なんといっても注目は「200万円台前半から」を予定している価格。全グレードで「250万円以下」。同クラスのコンパクトSUV、ヴェゼルのガソリンFF(239万9100円〜)と同等だ。競合車としては、トヨタ ヤリスクロス、日産キックス、マツダCX-3あたりだろうか。
そんなWR-Vのボディサイズは、全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mm、ホイールベースが2650mm。ヴェゼルと比較すると全長・全幅はほぼ同等、全高は70mm高く、ホイールベースは40mm長い。全高の高さを生かした広々室内が最大の売りだ。最低地上高は195mmを確保。
見た目は都会的でスタイリッシュなヴェゼルに対して、WR-Vは無骨でSUVらしい。顔の厚みも特徴で、日本で販売されているホンダ車ではあまり見かけない頼もしい雰囲気。競合車たちと比べても、埋没しない個性を放っている。インテリアも同様で、ゴツゴツした雰囲気で頼もしさを表現。一方、メーターは先進的な7インチのTFTカラー液晶が全車標準だ。
荷室も広く、容量は458リッターとクラストップを伺う(ヤリスクロス:390リッター/キックス:423リッター)。後席背もたれは6:4分割可倒式で、シートアレンジは単純な前倒しのみ。座面がダイブダウンなどはしない。
そう、プラットフォームはホンダお得意のセンタータンクレイアウトではないのだ。聞けば、インド生産のコンパクトセダン「シティ」がベースとのこと。WR-Vは、一般的なリヤタンクを採用している。
センタータンクレイアウト非採用の理由は、やはりコストだ。センタータンクは側面衝突時の安全性を確保すべく、タンク自体やボディにより強度が必要になるためとのこと。シートアレンジを割り切ったことで、後席座面は分厚く座り心地がいいのだ。
パワートレーンは、1.5リッターガソリン+CVTの一択。駆動方式もFFのみだ。電動化に邁進するホンダらしくないのでは…との問いには、「現地ではBEVの設定もアナウンスしています」。さまざまなパワートレーンに対応するプラットフォームであるというが、ここ日本でホンダが訴求したいのは「お求めやすいSUV」なのだ。
ラインアップは、上からZ+(プラス)、Z、Xの3グレードを設定。主な装備類は、下記のとおり。
■Z+
①ベルリナブラックのフロントグリル
②シャープシルバー塗装のルーフレールガーニッシュ
③シャープシルバー塗装のドアロアーガーニッシュ
④クロームメッキのアウタードアハンドル
⑤シルバーのドアモールディング
⑥LEDフォグライト
⑦17インチアルミホイール(ベルリナブラック塗装×切削加工)
⑧プライススムース×ファブリックのシート表皮
⑨本革ステアリング&シフトノブ
■Z(Z+に対して)
①→素地
②→非装備
③→素地
④→非装備
⑤→非装備
⑥→同じ装備
⑦→同じ装備
⑧→同じ装備
⑨→同じ装備
■X(Zに対して)
①→同じ
②→同じ
③→同じ
④→同じ
⑤→同じ
⑥→非装備
⑦→16インチスチールホイール+フルホイールキャップ(シルバー塗装)
⑧→ファブリックシート
⑨→ウレタンステアリング&シフトノブ
■エクステリアカラー
・イルミナスレッド・メタリック(日本初採用)
・プラチナホワイト・パール
・クリスタルブラック・パール
・ゴールドブラウン・メタリック
・メテオロイドグレー・メタリック
※※※
わかりやすいデザイン、そして検討しやすい価格。ここまで直球のホンダ車は最近なかった? WR-Vは、若者をターゲットにしているが、はたしてどう受け入れられるのか楽しみ。とにかく、カッコよくて広くて使いやすそうなのは間違いない。
〈文=ドライバーWeb編集部 写真=山内潤也〉