日立製作所は13日、同社鉄道システム事業におけるグループ会社の日立レールが、イタリアの鉄道運営会社であるトレニタリア社と、高速鉄道車両「ETR1000」を新たに30編成納入することについて、11月8日(イタリア時間)に8億6,100万ユーロ(約1,400億円)の契約を締結したと発表した。最初の納入は2026年春を予定している。
高速鉄道車両「ETR1000」は、おもにイタリアの高速路線で使用される予定とされ、欧州各国(フランス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、ベルギー、オランダ)の路線へ乗り入れることも可能。国ごとに異なる電源と信号システムを国境でシームレスに切り替えることにより、国際列車としての運行もできる。
2010年から現在までに、イタリア鉄道グループ「Ferrovie dello Stato」傘下のトレニタリア社に向けて58編成製造され、さらに6編成を製造中。今回の新たな契約により、30編成が追加され、列車の製造総数は94編成に増加するとのこと。
新しい車両は、イタリアのナポリ・フィレンツェ近郊のピストイアにある日立レールの工場で製造され、2026年春に初納入を予定している。その後、年間8~10編成ペースで納入される。今回の契約には、追加10編成を2億8,700万ユーロ(約460億円)で納入するオプションも含まれている。
従来の「ETR1000」と同様、軽量アルミニウム合金の車体と赤いカラーリングを採用し、納入済みの車両の主要な特徴である低い環境負荷、加速性、低騒音、低振動も継承する。インテリアのデザインは一新され、最終的なデザインの詳細は旅客サービス開始に先立って発表予定。快適性が非常に高く、静音性に優れ、調光可能なLED照明、空調装置、身体障害者らに配慮したアクセシビリティ、車内モニター、パソコン・スマートフォン用のWi-Fiと電源ソケットを備える。全長は約200m、定員460人。車内にビュフェエリアも設けられる。