京成電鉄は31日、取締役会で同社の完全子会社である新京成電鉄の吸収合併を決議したと発表した。2025年4月1日を実施予定日(合併効力発生日)としており、京成電鉄を存続会社、新京成電鉄を消滅会社とする吸収合併が行われる。
新京成電鉄は千葉県北西部をおもな営業エリアとして、運輸業・不動産業を展開。松戸~京成津田沼間(営業キロ26.5km、24駅)の鉄道路線、計156両の車両等を有し、京成津田沼駅から京成千葉線(京成津田沼~千葉中央間)へ直通運転を実施している。
京成電鉄は2022年9月、「千葉県北西部における事業基盤の強化及び地域活性化」「経営資源の相互活用による競争力強化及び事業規模の拡大」「スケールメリットを活かした効率的な協働体制の実現」といったシナジー効果の発揮を目的に、新京成電鉄の全株式を取得し、完全子会社化していた。今回の発表によれば、さらなる経営の効率化、意思決定の迅速化を図ることで、経営資源を最大限活用しつつ、シナジー効果をより早期かつ確実に発揮するため、吸収合併を行うという。
なお、この合併は京成電鉄において会社法第796条第2項にもとづく簡易合併、新京成電鉄において会社法第784条第1項に定める略式合併であるため、いずれも合併契約承認に関する株主総会決議を経ずに行う。吸収合併にともない新京成電鉄は解散となるが、京成電鉄の名称・所在地・事業内容等に変更はないとのこと。京成電鉄は今後の見通しに関して、「本合併は完全子会社との合併であるため、連結業績への影響は軽微です」としている。
新京成電鉄の現在の路線・駅など維持する方針だが、運賃については京成電鉄に組み込まず、現行の体系を維持する方向で調整中と報じられている。路線名を存続するかは今後検討するとのこと。