近年、社員の副業を解禁する企業が増えたこともあり、会社員の副業に注目が集まっています。今回は、会社員でも無理なく仕事と両立できるという「民泊副業」にフォーカス。

商社でOLとして働きながら、2018年6月に民泊副業をスタート。現在、都内で民泊14軒とシェアハウス4軒、計18軒を運営しており、累計2,000万円以上の利益を得ているというぽんこつ鳩子さんに、民泊副業の可能性やメリット、稼ぐためのポイントなどを聞きました。

  • 未経験からも始められるという「民泊副業」についてぽんこつ鳩子さんにお話を伺いました

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■民泊は「物件さえ見つかれば誰でもできる」

――民泊副業を始めた経緯をお聞かせください。

2年間の世界一周旅行中、ニューヨークで民泊ビジネスで稼いでいる友人に出会い、「日本でやっても儲かるのでは」と考えました。都内に住んでいると、一般的なOLの収入ではワンルーム程度の小さな部屋しか借りられないので、「民泊の稼ぎでもっと広い部屋に住めたらな」と思ったんです。

いざ1軒目を始めてみると、予想以上に稼げたことに加え、海外からのゲストとのふれあいも楽しかったので、「稼いでは借りて、稼いでは借りて」と、規模を拡大していきました。

――会社員が副業として民泊をやるメリットを教えてください。

社会的信用がある会社員は、物件が借りやすいという強みがあるので、民泊は会社員の副業に非常におすすめです。

しかも、1,000万円単位の借り入れが発生する不動産投資と違って、借金をすることなく現金で始められる民泊は「買わない不動産投資の代表格」です。1年で初期費用を回収すれば、利回りは100%を超えます。不動産ビジネスで利回り100%超えるものは、ほかにないと思います。小さく始めて早期に初期投資を回収すれば、あとは利益を積み上げていくだけなので、民泊は、不動産ビジネスとしては低リスクで再現性があるビジネスだと感じています。

立ち上げ時に保健所から民泊営業の許可を得る必要がありますが、特別なスキルや資格は必要ありません。民泊仲介プラットフォーム「Airbnb」には自動翻訳機能があるので、英語ができなくても大丈夫です。

民泊副業を始める際の一番の壁は「物件探し」ですが、頑張れば必ず希望に合う物件が見つかります。これまでの経験から、「物件さえ見つかれば、どんな人でも、どんな場所でもできる」と感じています。

  • 民泊副業は、都内だけでなく全国どこでもできると言います

■会社員でも空き時間で運営可能、脱サラした人も

――物件の管理やゲストとのやり取りは大変ではないのでしょうか?

民泊は思った以上に自分でコントロールしやすいビジネスなので、自宅の近所で小さく始めれば、それほど運営に時間を取られることはありません。清掃を外注すれば、シャンプーなどの消耗品の補充に行くくらいで、私が実際に物件に行くのは月に数回程度です。マンションタイプの物件は特に管理がラクです。

一部の自治体では対面でカギの受け渡しをしなければなりませんが、そうでない限り、ゲストと対面する必要もありません。私自身、ゲストとのコミュニケーションは基本的には非対面で完結していて、Airbnb上でメッセージをやり取りするくらいです。メッセージ対応はスマホさえあればいつでもどこでもできますし、定型文機能を活用すれば手間がかかりません。平日の日中に動けない会社員でも、土日や仕事終わりの時間を使って十分運営が可能です。

また、管理の手間を省くため、私は同じマンション内に何部屋も物件を持っています。ノウハウが溜まれば溜まるほど運営がラクになるので、まずは1軒から始めてみて、成功体験を積むことが大切ですね。

――民泊を始めるには、どのくらいの初期投資が必要なのでしょうか?

物件の賃貸契約にかかる費用と、家具や家電を揃えて内装を整えるための費用を合わせて、都内なら100~150万程度の初期投資が必要になります。ただ、家賃の安い地方ならもう少し費用が抑えられますし、空き家になっていた実家を活用して30~50万円程度で立ち上げている人もいるので、ケースバイケースです。

  • 家具や家電などを揃えるために初期投資は必要だが、地方の場合は費用を抑えられることも

――民泊運営で、月にどれくらいの利益を得ることができるのでしょうか?

都内の場合、30平米程度の1LDKのマンションタイプの物件で、月10万円ほどが手元に残ります。8人以上泊まれる3階建ての戸建てなら、月50万円ほどの利益が出ますね。

家賃15万円の物件で、手元に月10万円残る場合、同じマンション内で3部屋を運営すると月30万円、5部屋を運営すると月50万円が手元に残ります。民泊副業が軌道に乗って、脱サラした人もいるぐらいです。

■まだまだ大きなチャンスが眠る民泊市場

――コロナ禍の前後で民泊を取り巻く状況は大きく変化したと思います。まだまだ新規参入の余地はあるのでしょうか?

2023年に入ってから、私が運営する物件も目に見えて予約が増えました。まず欧米からの旅行者、少し遅れてアジアからの旅行者が戻ってきた形ですね。今年に入ってからはゲストの100%が外国人で、特に東京の宿泊費は高騰しています。

まだ中国人旅行者の回復は鈍いものの、それ以外の国からの旅行者はコロナ前の水準に戻っていて、今後さらに増え続けることが予想されます。コロナ禍で相当数の民泊の廃業があったので、競合が減っている今は、民泊を始めるチャンスと言えると思います。

――大都市だけでなく、地方でもポテンシャルはあるのでしょうか?

大都市でなくても、山、川、海、雪、祭りのいずれかがある場所であれば、日本全国どこでも可能性があると考えています。ひとつの判断材料として、周辺にビジネスホテルや旅館が3軒以上あればポテンシャルがありますね。

きちんとコストを管理すれば、民泊は4人グループのゲストが月に3~4組いれば成り立つビジネスです。家賃が安い地方では、4人グループ1組が3日間泊まってくれるだけで経費がペイできることもあるので、地方でも十分成り立つと思います。

■稼ぐポイントは「市場調査」、年収を倍にすることはさほど難しくない

――民泊で稼ぐためのポイントを教えてください。

事前に競合調査をして、1泊いくらで、どの国の人を1日何人泊めたいのか、突き詰めて考えることです。韓国と中国からの旅行者が圧倒的多数を占める福岡のように、エリアによって旅行者の層に偏りがあるケースもあります。ですので、土地柄に合わせて、どこの国のゲストが来てくれることを想定するのか、物件を借りる前に考えておくべきです。

その上で、その人たちのニーズを満たすためにはどんな部屋づくりをすればいいのかを考えます。これも土地によって変わってくるので、「ここでやろう」と決めたら、その土地を徹底的に調査することが大切です。

Airbnbで周辺にある既存物件のレビューを確認すれば、どの国からのゲストが多いのか、どのような層(家族、カップル、1人など)がどんな目的で宿泊しているのか、なぜその物件を選んだのかなどが記載されています。近くにある人気物件を参考にすれば大コケすることはないでしょう。

ビジネスホテルと競合しない市場を狙うのもポイントです。日本のビジネスホテルは1~2人向けの部屋が中心なので、大人数で泊まれる場所がなかなかありません。グループで泊まれる部屋など、ビジネスホテルが満たしていない市場を狙うと成功に近づきます。

――「いい物件」の条件や物件選びで気をつけることはありますか?

一番のポイントは自宅の近所であることです。管理の負担を軽減するために、自宅から30分圏内で運営するのがいいですね。

物件の立地や設備よりも、無理なくできることが大事なので、とにかく小さく始めることをおすすめしています。民泊運営代行会社もありますが、自宅の近所で始めて、掃除以外のことは全部自分でやるようにすれば経費を抑えることができ、リスクも低減できます。

――最後に、民泊副業に興味を持っている人、これから民泊副業を始めたい人へのアドバイスをお願いします。

民泊の立ち上げにはある程度の初期投資が必要ですし、物件探しなどに労力もかかります。ただ、最初のハードルを乗り越えて運営が軌道に乗れば、あとは自分のペースで運営できるのが民泊副業のメリットです。

平日の日中は動けない会社員でも、Airbnbという優秀なプラットフォームの機能を活用することで、今の年収を倍にすることはそれほど難しくありません。奇をてらったことをせず、基本を守れば、思ったよりも手堅く稼げるビジネスです。

民泊副業は、何の資格もない、ごく普通のOLだった私の人生を変えてくれました。2025年に大阪万博を控えるなか、訪日旅行者増加の波に乗りたい方は、早めの参入を検討するといいのではないでしょうか。

『民泊1年生の教科書――未経験、副業でもできる!』(ぽんこつ鳩子 著/祥伝社)

週5日フルタイム勤務の会社員でありながら、18軒の民泊物件を運営し、2,000万円超を稼いでいるというぽんこつ鳩子さんの著書『民泊1年生の教科書――未経験、副業でもできる!』。民泊初心者がつまずくポイントから、物件の探し方、民泊の部屋の作り方など、民泊で稼げるようになる方法がつまった一冊です。Amazonで好評発売中です。

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